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クラウドの章

ふりかけ様

事実

それは永遠の絶対
全ての物の源
あらゆる基盤
拒否し、否定し、覆したとしても、
それは事実他ならない

なぜならば
それは永遠の絶対
全ての物の源
あらゆる基盤
拒否し、否定し、覆したとしても、
それは事実他ならないものだからである

ならば

あの刻さえも事実なのだ

全てのことはお前から始まった。

そして貴方から終わるのでしょう。

俺はお前を絶対に忘れない。
エアリス エアリス エアリスを殺したのはお前だから。
まるで自分のことのように、そう。俺にはわかる。
肌に触れた瞬間から氷の刃は
体の全てを狂わせ
冷たい金属の感触が神経に破滅の予感を伝わらせ
きっと流れていく真紅の血やぬくもりが
何もかもを信じられなくなるような破局を呼んだ。
エアリスはその全てを自分に受けたんだ。

エアリスだけじゃない。
ティファやバレット、この星の全ての人の運命を狂わせたんだ!

俺はお前を許さない

俺は貴方を絶対に忘れません。
貴方は俺の憧れだから。
俺の目標。いや、俺の全ての源となったのは貴方の存在。
貴方の存在そのものが俺なのだから忘れられるわけがないでしょう?
俺は貴方に憧れ、全ての物を投げ出してでもソルジャーになりたかった。
貴方と対等になり、対等な存在になることを望んでいた。

貴方のそばにいれたことがとても嬉しかった。
遠く離れた存在とわかっていた。
でも、それでも、貴方の顔を見れて、声を聞けて、一緒にいれたことが嬉しかったんだ。
貴方は俺みたいなただの兵士でもよくかまってくれた。
俺の夢……ソルジャーになりたいと話したときも、貴方は黙って、静かに俺なんかの話を聞いてくれた。

貴方は俺を守ってくれた。
俺に優しくしてくれた。
何を信じられなくなっても貴方だけは信じられる!

ありがとう………セフィロス

「…クラウド?もしかして……泣いてる?」

「……………まさか」
顔を覗き込んだティファに俺は無理矢理笑顔を作った。

「…………………でも今にも泣きそうだ。」

俺とティファ、後ろにはハイウインド。
それだけ。
暗くなった空の音が耳に痛い。

ティファは俺の横でちょっと驚き、何か言おうとして、やめた。

今なら素直に話せると思った。
今以外では話せないと思った。

「俺は……セフィロスを殺せないかもしれない。」
ぴくんとティファは体をこわばらせたが、何も言わず視線で話を促した。

「俺の心の中には二人の住人がいる。
クラウドというやつとクラウドというやつだ。
その二人は全く違う意見を俺にどんどんと言うんだ。

一人は「セフィロスはエアリスを殺し、星を破壊しようとする悪魔だ!」…って言う。
もう一人は……
……………………………

もう一人は「セフィロスは星の英雄、俺の憧れの人だ!」………って言う……

こんな時だっていうのに………俺は何をやってるんだろうな……
エアリスの唱えてくれていたホーリーを解き放たなきゃいけないのに………セフィロスを殺すのをためらってる……
セフィロスを倒さなきゃいけないってことは十分わかっているのに!

わかっているのに………

わかっているから………ためらうんだ……
やっぱり俺はセフィロスを心のどこかで慕ってるんだ…きっと………

ティファは知らないだろうけど………セフィロス、こうなる前は結構優しかったんだ。
俺やザックスは料理が下手だったから、野宿の時はいっつもセフィロスが料理してたし、剣の手ほどきとかもしてくれたし……

…………………………………………
…………………

………………………エアリスもティファも…………やっぱりこんな情けない俺は嫌いだろうな。
星の危機を救おうとするものが、思い出に振回されるなんて………………………」

「こんな俺は………嫌いだろ?」
うつむけていた顔を上げてティファを見た。
ティファは優しく笑いながらゆっくりと首をふった。

そのとき俺は初めて気づいた。
ティファの横に彼女がいるのに。

ティファと彼女は本当に優しく笑いながら同時にいった。

『そんなことない。誰にだって、私にだって思い出に振回されることぐらいいっぱいあるもの。
いい思い出、悪い思い出、色々あるけど………でも間違った思い出は一つもないんだから。
消えていい思い出なんて一つもないんだから。
大丈夫、クラウドは情けないんじゃないよ。
人間として迷ってるだけ。
迷って迷って迷って迷って、もうこれ以上迷えないってぐらいになったら、きっと一番いい答が見つかるよ。
クラウドなら絶対に答を見つけだせる。絶対に、ね。』

「…………ありがとう。ティファ。【そして……エアリス】」

そう……大丈夫。きっと大丈夫。
俺には仲間がいるんだ。いっぱい。
いつだって俺を助けてくれる仲間が…………

「それに私は………クラウドの……そういう…………ところも……………………」
「………………そういうところ………も?」
「な、何でもない。」
「?」

『いい思い出、悪い思い出、色々あるけど………でも間違った思い出は一つもないんだから。消えていい思い出なんて一つもないんだから。』

…………………貴方についての思い出は、いい思い出も、悪い思い出も、いっぱいある。
………でも、間違った思い出や、消えていい思い出がないとしたら……………

すべてが終った後 貴方のことをもう一度思い出してもいいですか?

                                  END

マジで書いちゃいましたね…二作目……
ってことでふりかけだったりします。お久しぶりですねー(?)
今回はクラウドのはずなんですが………クラウドじゃなくなっちゃいました。(死)
うう……クラウド好きなのに………こんなのクラウドじゃねえ!って感じだなあ…
ま、きっとこれに懲りずに書くんですけど。たぶん。
次は………ジェシーなんてどうでしょう!?なんちゃって言ってみたり。
ではまたいつか会えれば! (定期テスト十日前からお送りいたしました。)


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