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in the future・・・

ひがね様


「おめでとう。」
「おっめでとー!」
今日はクラウドとティファの結婚式だ。教会から出てきたクラウドとティファに向かって、沢山の花束が投げられている。美しく彩られたティファに、一粒の涙がこぼれていた。クラウドはそれを優しく拭き取っている。
ナナキは、それをただ見守っていた・・・
「クラウド、ティファ、本当におめでとう。」
「ありがとう、ナナキ。」
ナナキは少し不安だった。
クラウドはエアリスのことを好きだったんじゃないかな?確かに、ティファと結婚することはおめでたいと思うけど・・・
心配だった。


今日はとても良い天気だ。暑くもなく、寒くもなく、太陽はずっと優しく照らしつづけている・・
ナナキは、こんな気候が一番好きだ。
そして、この絶好の気候の日に、クラウドとティファの結婚式が行われた。
ーー話は、この日から少し溯る・・・

セフィロスの戦いが終わった。まるで、今までの長い冒険の日々が、夢であったかのように感じた。ナナキはコスモキャニオンの丘を、ずっと駆け上っていた。
今までの冒険が夢だったとしても、今現在には、一つだけ違うことがある。
エアリスがいない。

ナナキの初恋はエアリスだった。
しかし、彼の恋はすぐに終わった。はたから見ても、エアリスはクラウドのことが好きなのだと、わかったからだ。それでもエアリスが好きだった。
でも、クラウドならいいと思った。クラウドはナナキの憧れでもあったからだ。
そして、目標だった。

コスモキャニオンの頂につくと、ナナキはただ、物思いにふけっていた。
クラウドのこと、皆のことブーゲンハーゲンのこと、エアリスのこと・・・
ナナキは涙を流しそうになった。その時・・・
「ナナキさん・・・ですか?」
「え・・・?」
ナナキが振り向くと、そこにはナナキと同じ種族の一匹の少女が、ナナキを見つめていた。ナナキより1,2歳は若く見えた。
第二の恋の相手は彼女だった。
「ーーーキ・・・・ナナキ?」
「・・っえ・・・!?」
太陽の光が眩しく感じた。
「どうしたの?ぼうっとして・・・。」
「ううん、なんでもないんだ、ティファ。それよりも、ほらクラウドが向こうにいるよ。」
「くすくす・・・ありがとう、ナナキ。・・あなたも近々結婚するんでしょ?絶対招待してね。」
ティファの話によると、ナナキはぼうっとしていたらしい。−−だから、太陽が眩しかったんだ。・・・−−−
そうだった。もうすぐシディアと結婚するんだ・・・
「うん。日程が決まったら、絶対連絡するよ。」
「きっとよ。じゃあ、私行くわね」
ティファはそう言い終わると、クラウドに向かって一直線に駆け出していった。白井、純白のウェディングドレスが、ひらひらと舞っている。ティファが、一瞬別人の様に見えた。
何もかも、純白の白に包まれていたティファが、誰よりも美しく見えたからだ。

−−−私はシディア。貴方がナナキさんですね・・?・・・

ナナキは涙を流した。エアリスの死を思い出してしまったのだ。
シディアはどことなくエアリスに似ていた。性格が似ていたわけではないが、何かがエアリスに似ている・・・ナナキはそう思った。
シディアに初めて逢ったあの日、一目で恋に落ちた。
まだ・・・、涙が止まらない・・・。
その時、ユフィがナナキに歩み寄った。ナナキは涙は見せまいと強がったが、ユフィにすべて見透かされていた。ユフィの手がそっとナナキを包んだ。
「ナナキ・・・、あんた、エアリスが好きだったんだね。」
「・・・知ってたんだ・・。」

「もう、オイラもう悲しまないよ。エアリスとクラウドが一緒になれないのはちょっと悔しいけどティファならいいんだ。」
ナナキは、自分の腕で涙を拭った。
「それに、オイラにはシディアがいる。」
ユフィはさっきまで心配そうな表情をしていたが、ナナキのその言葉を聞くと、すぐに笑顔に戻った。
「オイラ、決めたよ。将来子供が産まれたら、その中の子に“エアリス”って名前をつけるんだ。ユフィ、結婚式には必ず来てね!」
「よしっ。じゃあちゃんと日にち教えろよ!」
ナナキの顔にも、笑顔が戻った。ナナキはシディアの待っている我が家を目指して走り出していった。彼は、クラウドとティファを、心から祝福した。

in the future・・・
彼は“エアリス”という名のついた子と、後一匹の子を持った、二児の父となっているのだが、それは・・・
今からかなり、後の話となる・・・

end・・

はお。ひがでっす。
えと「in the〜」第3作目となりました。
今回はナナキが主人公です!
(ちなみに「シディア」は僕の考えた架空の奥さんです(笑
だんだん・・「in the〜」の後につける言葉が思いつかなくなりました(汗
誰か、いい言葉があったら教えて下さい!



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