ふぐの碑      本牧臨海公園:横浜市中区本牧元町386-1   
北緯35度24分51.5秒 東経139度39分52.5秒 ±5m   

慰霊の対象:ふぐ/創設業種:料理


ふぐの碑

ふぐの碑説明

供養感謝という言葉はない。ふぐが豊かな味わいを提供してくれたことを功績として碑に残そうという発想である。この文面だけから推測すると、ふぐが死んで食材に供されたという感覚は薄く、あたかもまだふぐが生きているような印象を受ける。一匹一匹のふぐというよりふぐという一魚類の総体としてとらえているようだ。総体のふぐは無くなるものではないし、つぎつぎと供給される。したがって供養を意識する必要はなく、人間が主体となって功を与えるという関係性が見えてくる。これも一種の心の補償の方策なのだろうかと思ってしまった。

ところが、だれもがこの碑をふぐの供養碑と思っている。神奈川県ふぐ協会のホームページには「ふぐ供養の金像を建立」と書かれている。(もとは金像だった。)また、協会50周年記念式典にはふぐ供養祭を実施している。永島四郎さんの息子さんの話がホームページに記載されているが、「ふぐの碑」は「ふぐの供養碑」だと微塵も疑っていない。四郎氏が供養の一言を足していればすっきりしたのに・・・。

ふぐ 古名ふく 福に通ず
その味わいは 「肉白く 味淡脆 美にし/て飽かず」なる 和漢三才圖會の詞章 もつ/ とも簡にして眞を衝く
ながらく人びとの食生活に仕えて舌根をた/のしませ 厨人の包丁の研磨とともに愈々天/ 来の風味を発揮して極なし
茲に 神奈川県ふぐ条例公布 並に当協会/創立二十周年記念ふぐ祭典に際し その功を/ 顕して碑にとどむ
尚、碑建立に当り 神奈川県知事津田文吾殿/ 横浜市長飛鳥田一雄殿より格別のご高配を/ 賜わる。

  昭和四十三年三月二十三日
神奈川県ふぐ協会
理事長  永島四郎


(大きさ:cm)
本体:径50×192Hの円柱の上にフグの像


撮影日:2013/2/3