「華蔵界」 広島県呉市下蒲刈町大地蔵（尾の鼻の東側）
北緯34度10分17.3秒 東経132度38分46.9秒
慰霊の対象：ボラ／創設業種：漁業
■蒲刈は民俗や自然など何かとよく調査がされていて、ボラの碑「華蔵界」についても詳しい記述がある。その記述をたよりにボラの碑を探した。不法廃棄物でどこから山に入ろうかと迷い、すっかり雑木に覆いつくされた斜面を前に、詳しい人に尋ねないと無理かと弱気になった。
■幸い雑木林の中で下方をよく見ると見つけることができた。鋸やら鎌やら車へ取りに戻って、周辺を整備した。
■昔は防波ブロックも道路もなく、自然の砂浜が広がり、「華蔵界」は引き寄せられるボラたちをまっすぐに見つめ、浄土への道しるべとなっていたのだろう。
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ボラの墓（供養） 今は道路がついてなくなっているが、尾の鼻の地蔵側の手前にボラ網を引いていた浜があった。山の上には取山の矢倉があり、ボラ網の期間中は二、三十名の人がこの浜で働いていた。浜の山極に元小屋といって御飯を炊いたり、食事して休んだりする八坪ほどの小屋があった。その元小屋の裏山にボラの墓があった。五メートルほど登った林の中に五〇センチほどの高さの墓石が立っており、表に「華蔵界」と彫ってある。ボラ網が行われ、元小屋で煮炊きをして食事をしている間は毎日御神酒を供えて拝んでいたという。 「華蔵界」とは「蓮華蔵世界」のことで、仏様の浄土のことである。捕えたボラたちが華蔵の宝利（浄土の立派なお寺）に向かってくれることを祈願して建立したもので、地蔵の漁師のやさしさの一面であろう。 （出典）下蒲刈町史 民俗編 |
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(碑文表)華蔵界 (左側面）昭和四年三月十五日建之 (裏面）臼井友吉 田丸常次郎／竹内(升)三郎／臼井秀次／杉平亀松／渡辺貞松／菅原文作 |
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（大きさ：cm） 本体 32W×62H×19D 台石 50W×14H×29D |
木々に覆われ、山側から土石で押されていた。
撮影日：2012/09/27