魚貝類慰霊之碑￤広島県大竹市阿多田漁港

「魚貝類慰霊之碑」　　広島県大竹市阿多田漁港
北緯34度11分56.6秒　東経132度19分1.2秒

慰霊の対象：魚貝／創設業種：漁業

■阿多田島は宮島の南に位置する小さな島である。大竹市の小方港からフェリーで３５分ほど。朝９時半に小方港を出発し、阿多田港にそのまま停泊していた１２時半発のフェリーで帰港した。わずか２時間半の滞在で魚介類慰霊之碑を調査し、灯台資料館と阿多田島神社にも行ってみたいと欲張りな計画を実行した。
■これにはわけがあり人口の少ない阿多田島へはフェリーの便が少ないのである。１２時半に島を出ないとそのあとは１５時５０分。午後の予定もあったので、短い滞在となった。車は渡さず足で歩いたが、写真撮影をじっくりするにはもう30分ほしかったか。

■島は住人のほかは釣り人しか訪れないといった感じだ。のどかな天気に恵まれ、煮干し工場や港への漁船の出入り、小さな畑、遠くの船、かすんだ島並みなど何もかも満足できた。
■目当ての碑も最初に尋ねた人がすぐに場所を教えてくれた。猪の子島の北の鼻に竜宮神社があり、その小さな祠のすぐ左に慰霊碑があった。説明版によると毎年５月１５日に慰霊祭も実施するとのことである。

竜宮神社
祭神　大綿津見神
祭日　５月１５日
由緒　創始は不詳。海事一切の守護神として、猪之子島南に往昔より奉斎されしが、一時は阿多田島神社境内に移転。昭和五十二年、ふたたび猪之子島へ移転の話に、以前山頂に見事な松の生えし此の小山を適地と選び、石工事を施し、同年五月遷座祭執行。合わせ魚介類慰霊碑、石鳥居、石灯篭等建立。祭日に慰霊祭も斎行。

(碑文表)魚貝類慰霊之碑
(裏面）我等祖先以来水産業を生業とし日々衆魚貝類の
命を絶つ事多し　更に子孫亦この業を伝えて
その生命を保たんとす　その業を伝えること
偏えに神の加護祖先の余徳に因ると雖も衆魚貝
類の犠牲又大なり　衆魚貝類あわれむべし
我等が罪深し　依而此処に碑を建立し衆魚貝類
の霊を慰めその冥福を祈るものなり
昭和五十二年五月吉日
　　　　　阿多田島漁業協同組合
　　　　　組合員一同

（大きさ：cm）
本体　100W×162H×26D
台石　130W×18H×115D

阿多田島から橋でつながった猪の子島へ渡り、北の波止場の元に竜宮神社がある。

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石にペンキで描いた鯛が、いかにも瀬戸の島という雰囲気。

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島の名産品はイワシの煮干し。イリコと書かず煮干しなのは関東地方に送るのだろうか。

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煮干し工場。

撮影日：2012/09/27