Arisaema
テンナンショウとその近縁種についての詳細です。
当方での栽培法も紹介しています
テンナンショウ(天南星)とは?
 テンナンショウとは1つの植物を指すものではなく、サトイモ科テンナンショウ属の植物全般を指します。独特の容姿から一部の愛好家に愛されています。逆に、初めて目にされる方は正直引くかもしれませんw。栽培自体はそれほど難しくありません。有毒植物なので食べないようにしましょう(って、誰も食べようとは思わないか。相当辛いらしい)。
手に入れるには?
 ユキモチソウは比較的手に入れやすく、3〜5月に園芸店やホームセンターで¥680〜¥1500程度で入手可能ですが、その他の種類はあまり流通していません。山野草専門のお店を回るか、通販に頼らざるを得ないでしょう。カラスビシャクについては畑の雑草として生えている場合もあります。
品種について
・ユキモチソウ
 仏炎包から覗く花序の軸の先端がつきたての餅のように見えることからこの名が付きました。中型種で、立ち上がります。2枚の葉が出ます。子球は非常に出来にくく。増殖は専ら実生に依ります。
・マムシグサ
 立ち上がる茎の模様がマムシの背の模様にそっくりなのでこの名が付いています。中〜大型種です。林の中で最初に見たときはマムシが鎌首をもたげているように見えて本当にビビりましたw。やはり子球は出来にくいようです
・ムサシアブミ
 仏炎包の形が乗馬の時に使う鐙に似ていることからこの名が付きました。大型種です。たまーにドイトに置いてあったりします。数は出来ませんが、子球で増やすことが出来ます
・ウラシマソウ
 花序の軸が長く伸びて垂れ下がるので、浦島太郎の釣り竿に見立ててこの名が付けられました。中型種ですが、上記3種とは異なり、立ち上がりません。また、葉も1枚しか出ることはありません。子球がよく出来、沢山増えます。

また、テンナンショウの近縁種としては次のようなものがあります。
 
・カラスビシャク
カラスビシャク:花 畑の雑草として道ばたや畑の隅に生えています。葉柄の途中にムカゴが出来、よく増えます。
・コビトハンゲ
 球根ではなく地下茎にて増殖する性質があります。小指ほどの大きさの、ウラシマソウに似た花をつけます。
・ニオイハンゲ
 カラスビシャクの近縁で、花にはバナナのような芳香があることから、ニオイハンゲの名が付きました。同じくムカゴによって増えます。
・コンニャク
コンニャク 食用になるあのコンニャクの原料です。
栽培方法
 易しい部類に入りますが球根が腐りやすく、微妙な水管理が必要です。また、テンナンショウ属のものは全て有毒ですので扱いに注意しましょう。

栽培難易度★★★


 3月頃から徐々に灌水を始めると、4月頃にタケノコ状の芽が出てきて、そのまま成長して開花します。芽が出た時点で1回置き肥をします。
 花後は週1回1000倍希釈の液肥を与えます。


 この季節は葉しかありませんがまだ活動しています。液肥は7月〜8月の葉が枯れる頃まで行い、それ以降は休眠を促すため水を徐々に控えていきます。
 葉が全て枯れ、休眠した株は秋までそのまま置いておきましょう。


 涼しくなったら植え替えを行います。鉢から掘り上げ、腐った古い部分を取ります。このとき、新芽が既に出来ているので、傷を付けないように丁寧に作業します。なお、ウラシマソウなどは子球が出来ている場合があります。指で軽く押して外れるようなら親とは別に植え込みます。子球は無理には外さないようにしましょう。終わったら親球を新しい用土に植え付けます
 用土は赤玉土、日向土単用か、その混合用土がいいです。本来、テンナンショウは水を好むのですが、球根が腐りやすいので水はけよくした方が安全です。


 休眠中ですので、3月まで放っておきましょうw。乾燥状態でも問題ありません。