報道関係者への情報
資料の目次
資料1:津山特別地域気象観測所の環境整備が行われる、2010年2月15、16日予定
気象観測の障害となってきた桜などを伐採し、良質な観測データが得られる
よう、周辺環境の整備作業が行われる(すでに報道関係者からの取材があり、
今後の取材も予想されたので、その対応に準備しておいた資料)。
資料2:報道上のお願い
旧測候所庁舎・宿舎の跡地の価格について、中国財務局岡山財務事務所との
交渉が続けられている。それゆえ、
桜の伐採作業の報道は先延ばしして欲しいとの要望が津山市役所から出た。
(注:数日後には交渉がまとまり、解除となる。)
資料3:各地観測所の整備状況、2010年1月現在
都市気候観測所(気象台)と気候観測所(旧測候所)における環境整備の
代表例の一覧である。
資料1:津山特別地域気象観測所の環境整備が行われる、2010年2月15、16日予定
情報発信者:近藤純正(東北大学名誉教授)
〒254-0054 神奈川県平塚市中里49-6(電話0463-36-1070)
地球温暖化などの気候監視が重要であるにもかかわらず、気象庁の気象・気候
観測所の周辺環境は年々悪化している。これは測候所の無人化にともなって
生じ始めた。(1)本来は残すべき観測所の敷地が余剰地とされて売り
出されたこと、(2)観測機器を設置する露場内の管理はできたとしても、
そのすぐ外側の管理が不十分になったことによる。
観測所の周辺環境の維持は、国(気象庁)が行うべきであるが、地域住民に
よって行われることになったモデルケースを紹介したい。
岡山県内陸の旧津山測候所(現在、津山特別地域気象観測所)は1943年
(昭和18年)に丹後山に創設された。現在は無人化されたが、これまでの
67年間にわたり貴重な観測資料が蓄積されてきた。しかし、その周辺には、
40年余り前に、城東地区住民によって植樹された桜200本余が成長し、
そのうち20本ほどが、気象観測に大きな影響を及ぼすようになった。
年平均風速は3分の2に減少し、秒速10m以上の強風日数は年間約50日から
2日ほどに激減した。これは防災上からも問題である。気温を測る露場の
風も弱まり、日だまりの傾向となり、年平均気温は周辺に比べ0.4℃も
上昇した。この0.4℃は、100年間当りの地球温暖化量の約0.7℃に比べて
無視できない誤差となる。
観測に影響する樹木さえ無ければ、ここは昔から周辺環境に変化がなく、
全国的にみて内陸では日本一の観測所である。気象観測資料は国民の財産
であり、観測所の周辺環境の改善を図らねばならぬ。しかし、岡山地方
気象台は観測環境の改善に積極的でなく、それに代わって行うことが
筆者の責務となった。
津山市や植樹した城東地区住民から理解と協力を得るために、2回の
市民講座、市内の知識人や市会議員、城東地区町内会役員への説明を
何度も続けているうちに、しだいに観測の重要性がわかっていただける
ようになった。津山への7回目の訪問(2009年8月24日)では市長と面会でき、
その後は、市役所主導のもと、観測所の周辺環境が整備されることになった。
津山観測所は、地域住民の理解と協力のもと、観測所の環境が改善され、
地球温暖化など気候監視が正しく行われることになったモデルケースである。
丹後山の観測所と周辺環境は、津山市民の誇れる場所となる。
(詳細は「近藤純正ホームページ」→「身近な気象」→「M49.気象観測所
の周辺環境を守るー津山2」を参照)
資料2:報道上のお願い(2010年2月3日)
津山の桜の伐採・環境整備問題について急なお願いが生じました。
津山気象観測所周辺の桜の伐採作業の件について、もし報道される場合は、
先に延ばして欲しいとの市役所担当者からお願いがありました。
報道の先延ばしをお願いする理由:
桜の伐採が行われることと、観測所北側の敷地(旧測候所庁舎と宿舎の跡地)
の公園化事業は連動しています。敷地は、中国財務局(広島)の岡山財務
事務所から津山市が入手したいのですが、現在、交渉が続けられて
います(注)。この段階で「桜の伐採作業」のみが
報道されると、地元住民と市役所が約束した「敷地の公園化」が欠けてしまい、
混乱が生じることになります。住民に不信感を生じさせては困りますので、
報道はいましばらく控えていただくようお願いいたします。
(注)昨年2009年6月の入札では、観測所の北側に隣接する1670平方
メートルの敷地(林田字丹後山1763番2)の価格は556万円であったが、
一般入札ではこの半額程度しかなく、落札にはならなかった。それゆえ、
再度の入札価格が決められ493万円(2009年7月現在)に値下げとなった。
価格はいずれも、現場での公示および「中国財務局ホームページ」や、
岡山財務事務所に掲示された「国有地売却のお知らせ」による金額である。
今回、私・近藤純正が津山市へ「ふるさと納税」―事業の種類6
(水と緑あふれる環境まちづくり事業)として寄附(500万円)
を済ませた。この土地の入手は、もともと気象観測の周辺環境
をよくして良質の観測を行うことが目的、つまり国のために私財を投入
してまで行おうとしている。よって、適当な価格が示されるなら
納得できる。
いま、津山市役所担当者が岡山財務事務所と交渉中である。これまで何度も
交渉してきた。交渉中は報道を控えて欲しいとのことです。
交渉の解決後に、桜の伐採や公園整備に関する報道をお願いします。
資料3:各地観測所の整備状況、2010年1月現在
都市気候観測所(気象台)・・・人々が生活している都市の気候
(熱汚染など)の観測所
●前橋
観測の邪魔物:露場まわりのL字形生垣(20m長、ツゲ)を剪定し風通をよくした
環境改善者:前橋地方気象台
●高知
観測の邪魔物:敷地に隣接する高知市管理の公園のフェンスに茂った蔓
環境改善者:高知市役所
気候観測所(旧測候所)・・・地球温暖化などバックグラウンド温暖化量や
その他の原因で生じる気候変化の観測所
○石廊崎
観測の邪魔者:露場内の雑草の茂り
環境改善者:静岡地方気象台
○宮古
観測の邪魔物:露場敷地外のクルミの大木
環境改善者:宮古測候所(現在は無人)
○津山(岡山県内陸)・・・環境整備すれば、内陸では日本一の観測環境となる
観測の邪魔物:敷地内と敷地外の桜など21本
環境改善者:津山市役所
備考:最大の問題点は気象台の不理解(無知識と義務感の欠如)
当初、岡山地方気象台は樹木の成長は観測に邪魔していないと言い張って
いたが、説得を続けた結果、桜5本のみが将来観測に邪魔する可能性がある
とした。他は近藤の費用(11万円余)と電力会社のご好意で2010年2月中旬
に伐採予定。これを機会に津山市が宿舎・庁舎跡地を公園として整備する。
近藤が「ふるさと納税」によって500万円を寄附し「水と緑あふれる環境
まちづくり事業」として使用してもらう。
当初(2007年)から津山市役所が全面的に理解・協力してくれた。
○深浦(青森県日本海沿岸)・・・環境整備すれば、日本海沿岸では日本一の観測環境となる
観測の邪魔物:敷地外(町の史跡公園)の矢ダケの繁茂、密植の桜、松の枝、イチョウの大木
環境改善者:深浦町
備考:最大の問題点は町役場一部担当者の不理解
町役場の一部担当者は「気象台から改善希望の申し出がない」理由により、
筆者のいう環境改善について消極的であったが、町長ほかの説得を続け、
さらに町会議員や町の有力者に働きかけた結果、環境整備がかなり進んだ。
しかし現状では、さらなる説得を続けなければならない状況にある。
2010年春には5回目の訪問を行い、市民講座などを通じ、観測の重要性を理解
していただき、協力を得たいと考えている。
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