晴天日放射量の日変化の計算


晴天日の直達日射量と水平面日射量の日変化、および下向きの大気放射量 の日平均値の計算プログラム(BASIC)は、「地表面に近い大気の科学ー理解 と応用」の付録 E に"RadFine" として掲載してある。

ここでは、具体的な計算として次の場合について示してある。
表A1:北緯35.5°の8月1日(関東の夏)
表A2:北緯35.5°の10月1日(関東の秋)
表A3:北緯43°の2月1日、アルベド=0.9(北海道、新雪時)
表A4: 同上、アルベド=0.1(北海道、無積雪)

計算では次の条件を与えればよい。下記の数値は表A1(夏の例)の計算条件 である。
緯度(LAT)=35.5°
1月1日からの日数(DAY)=214(8月1日)
気圧(P)=1000hPa
日平均気温(T)=30℃
日平均水蒸気圧(VP)=25hPa
大気混濁係数(DUST)=0.1(多少濁っている)
周辺の数km範囲の平均的な地表面アルベド(REF)=0.2

このアルベド(REF)は、日射が地表面で上空に向けて反射し、それが 大気中で散乱されて地表面へ入射する散乱光を与えるのに必要なパラメータ である。 地表面へ入射する散乱光は太陽直達光が大気で散乱されてくる成分と、 地表面アルベドによって決まる成分を含んでいる。

水平面日射量 S↓ は次式で計算されている。

S↓=(直達日射量 I ×cos θ)+ 散乱光
ここに、cos θ=1/M
したがって、散乱光=S↓-(I/M)

計算プログラムでは M, S↓, I がプリントされるので、散乱光は上式から 求めた。

上記の夏の条件、秋の条件、冬の条件(アルベド2種類)について計算された 諸量を以下の表A1、表A2、表A3、表A4に示した。

表A1 夏条件の直達日射量、水平面日射量、散乱光、地面反射光の時間変化。
ただし、北緯35.5°の8月1日、快晴日、日平均気温=30℃、日平均水蒸気圧=25hPa、 大気混濁係数=0.1 、地表面アルベド=0.2の場合。M=1/cos θ、θは太陽の天頂角。
(「地表面に近い大気の科学」、付録 E による計算)
地面反射光=地表面アルベド×水平面日射量。

	地方時	 M	  直達日射量  水平面日射量  散乱光   地面反射光
	h                       W/m2       W/m2    W/m2       W/m2
	12	1.0350		803	   859        84	172
	13	1.0645		797	   831	      83	166	
	14	1.1614		776	   748	      80	150
	15	1.3581		736	   616	      74	123
	16	1.7427		665	   447	      66	 89
	17	2.6001		535	   257	      52	 52
	18	5.5091		291	    78	      26	 16

		日平均水平面日射量=284W/m2,  大気放射量=412W/m2
       大気上端水平面日射量=453W/m2


表A2 秋条件の直達日射量、水平面日射量、散乱光、地面反射光の時間変化。
ただし、北緯35.5°の10月1日、快晴日、日平均気温=20℃、日平均水蒸気圧=15hPa、 大気混濁係数=0.05、地表面アルベド=0.2の場合。M=1/cos θ、θは太陽の天頂角。
(「地表面に近い大気の科学」、付録 E による計算)
地面反射光=地表面アルベド×水平面日射量。

	地方時	 M	  直達日射量  水平面日射量  散乱光   地面反射光
	h                       W/m2       W/m2    W/m2       W/m2
	12	1.2672		889	   751        50	150
	13	1.3139		880	   719	      49	144	
	14	1.4731		852	   625	      47	125
	15	1.8250		793	   477	      43	 96
	16	2.6497		676	   290	      35	 58
	17	5.5930		409	    94	      21	 19

		日平均水平面日射量=215W/m2,  大気放射量=334W/m2
       大気上端水平面日射量=330W/m2


表A3 北海道の冬(新雪)条件の直達日射量、水平面日射量、 散乱光、地面反射光の時間変化。
北緯43°の3月1日(day=60)、快晴日、日平均気温=0℃、 日平均水蒸気圧=4hPa、大気混濁係数=0.05 、地表面アルベド=0.9の場合。 M=1/cos θ、θは太陽の天頂角。
(「地表面に近い大気の科学」、付録 E による計算)
地面反射光=地表面アルベド×水平面日射量。

	地方時	 M	  直達日射量  水平面日射量  散乱光   地面反射光
	h                       W/m2       W/m2    W/m2       W/m2
        8	3.6702		639	   223	      49	200	
        9	2.3558		803	   414	      73	373
       10	1.8479		881	   568	      91	511
       11	1.6274		919	   666	     102	600
       12	1.5637		930	   700	     105	630

		日平均水平面日射量=189W/m2,  大気放射量=215W/m2
       大気上端水平面日射量=259W/m2


表A4 北海道の冬(無積雪)条件の直達日射量、水平面日射量、 散乱光、地面反射光の時間変化。
北緯43°の3月1日(day=60)、快晴日、日平均気温=0℃、 日平均水蒸気圧=4hPa、大気混濁係数=0.05 、地表面アルベド=0.1の場合。 M=1/cos θ、θは太陽の天頂角。
(「地表面に近い大気の科学」、付録 E による計算)
地面反射光=地表面アルベド×水平面日射量。

	地方時	 M	  直達日射量  水平面日射量  散乱光   地面反射光
	h                       W/m2       W/m2    W/m2       W/m2
        8	3.6702		639	   200	      26	 20	
        9	2.3558		803	   371	      31	 37
       10	1.8479		881	   510	      33	 51
       11	1.6274		919	   598	      33	 60
       12	1.5637		930	   628	      33	 63

		日平均水平面日射量=169W/m2,  大気放射量=215W/m2
       大気上端水平面日射量=259W/m2



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