八雲町上八雲周辺





八雲市街から10km程今金町寄りの山間に入った丘陵地帯に上八雲はあります。周辺には酪農の農家が点在していて、この地域の中心地として小学校、郵便局などが集積する集落でしたが、昭和61年3月に郵便局が廃止、平成23年3月に小学校が廃校となり、八雲市街が近傍ということもあり、実際には中心地としての地位は大きく低下していると思われますが、集落としての風格はまだまだ健在です。特筆されるのは営林署の担当地区事務所に加えて日本大学八雲演習林の事務所があったことで、幌加内町北母子里との類似性も若干は感じます。

大関小学校は一見寺社を思わせる建物でした。廃校の時の生徒数は4人。今もタイムカプセルなどのかつてを彷彿させるものが校舎周辺には点在していました。



上八雲からトワルベツ川に沿ってダートが奥地に続いています。その途中にはサイロが幾つか点在していました。



大関小学校夏路分校へ向かう道が分かれる地点には農家の建物も健在で、通いで今も使われている様子でした。



さらに道を奥に進みます。周囲は牧草地が今も広がります。その牧草地が途切れた先もしばらく道は続きますが、かつての開拓地は植林されたエリアに入って行ってしまいます。牧草地が途切れる手前の今は植林された笹原に富咲小学校はありましたが昭和47年に廃校になっています。廃校の記念碑は知っている人と訪れないとわからないような場所にあります。



トワルベツ川からさらに分岐したサックルベツ川沿いを進んでいくと木の神社の鳥居があり、近くには使われていない様な作業小屋もありました。



鳥居のすぐ先が昭和51年に廃校になった大関小学校夏路分校のあった場所です。廃校の記念碑と開拓の記念碑も並んでありました。笹をかき分け奥に入ると分校学校の屋根材がすっと横たわる様が印象的でした。



上八雲の集落から南へ進むと北里大学獣医学部の八雲牧場がある点も特筆されるべきことでしょう。昭和48年に廃校になった八線小学校の記念碑は牧場の敷地内にあり、訪れるには許可が必要です。



参考文献 昭和62年 角川日本地名大辞典 角川書店
(八雲探訪に連れて行って下さった皆様に深く感謝。)



北海道旅情報巻頭  3-8.農林山村スケッチ
八雲町上八雲周辺