3-5-1.路線別ガイド

石勝線(新夕張−夕張)

■車窓から

かつては夕張線として追分−夕張を結ぶ路線でした。 しかし石勝線の開業にともないその追分−新夕張を含む大部分は札幌−道東を結ぶ幹線に生まれ変わりました。 わずかに石勝線の枝線として新夕張−夕張間に普通列車が9往復運転されています。 そしてそのほとんどが追分、千歳方面に直通します。 札幌−夕張はバスが便利ですが千歳−夕張の利用価値は高いですね。

かつては石炭輸送の幹線であったため沿線にも炭鉱の面影が見られましたが、 最近ではそんな風景も少なくなり知らないと気がつかないかもしれません。 新夕張は夕張線時代は紅葉山という味のある名前でしたが石勝線開業時に近代的な橋上駅舎になりました。 沼ノ沢、南清水沢へと至る車窓は純粋な農村風景が広がります。 ビニールハウスも散見され、たぶんそれが有名な夕張メロンの温室なのでしょう。 沼ノ沢はかつて真谷地炭鉱への専用線が分岐していました。 南清水沢、清水沢は小さいながらも駅前には商店街が立ち並びます。 夕張川の対岸には夕張最大の住宅地、清陵町もひかえています。 清水沢は三菱石炭鉱業鉄道がかつては分岐していました。 夕張川には清水沢の小さなダムと険しい形相をした発電所がありますが残念ながら影になって見ることはできません。

清水沢を出発すると列車は谷あいに入っていきます。 山が迫り志幌加別川が眼下に望めます。 そして左手に巨大な北炭平和鉱のボタ山が目に入ります。 わずかばかりの平地が開けるとその狭い土地に住宅が立ち並びその軒先を進み鹿ノ谷に到着です。 鹿ノ谷から今の夕張駅は目と鼻の先です。 かつての夕張駅は現在の石炭歴史の村近くにありましたが、 それが2度の移転でレースイスキー場の巨大な建物の影にひっそり立つ駅になってしまったのはちょっと残念です。

■沿線の見所

●鹿ノ谷

かつての北炭鹿ノ谷倶楽部が夕張鹿鳴館として公開されています。 歩いて10分程度。

●夕張

レースイスキー場は目の前です。 夕張市街は歩いて15分、石炭歴史の村は歩いて30分。 石炭歴史の村は遊園地と石炭の歴史を語り継ぐ施設の複合したもので結構楽しめます。 さらに奥にはゆうばりめろん城も。


北海道旅情報巻頭  3-5.北の鉄路