3-5-1.路線別ガイド

津軽海峡線(青森−函館)

■車窓から

青森−函館を直通する列車は盛岡−函館を結ぶ特急はつかり、青森−札幌を結ぶ夜行急行はまなす、そして青森−函館間のみを運行する快速海峡を利用することになります。 急行はまなすは夜行列車のため車窓を楽しむことはできませんが、北海道内をはしる唯一の客車急行列車として活躍しています。 大阪−青森を結ぶ特急白鳥に上り、下りとも接続しているため、安く北海道にわたろうとする大阪の人には嬉しい列車ですが長旅でかなり疲れること確実でしょう。

青森−函館の車窓はすべての区間で見ることができるわけではありませんが、津軽海峡を眺める旅になります。 青森−蟹田では程々近くに青森湾を眺めながら進みます。 蟹田で海に別れを告げ海峡線との分岐駅、中小国へ。 そうはいっても中小国に停車する海峡線の列車はなくいつのまにか津軽線と分岐します。 津軽今別は海峡線の本州側の唯一の地上駅ですが停まる列車は2往復程度。 その後、トンネルを幾つも抜けていきます。 そしていつのまにか青函トンネルに突入です。 海底駅は本州側の津軽海底と北海道側の吉岡海底があります。 どちらも通常の乗降はできませんが、ゾーン539カードを買い見学することができます。 津軽海底では地上の青函トンネル記念館とを結ぶ斜坑を利用し、海底駅の見学とセットにしたものもありお薦めです。 知内は松前線廃線後は知内町内唯一の駅ですが停まる列車はわずかです。 そして江差線と木古内で合流します。 木古内からは国道228号をはさみますが海岸間際をひたはしります。 渡島当別を過ぎると函館山を函館湾の向こう側に望みながらの旅になります。 上磯からは函館近郊区間で住宅街の中になります。 函館市は函館山付近の旧市街よりも郊外の方が現在活気があり、カウボーイ上磯店なども沿線にあります。 五稜郭で函館本線に合流し、函館に到着します。 五稜郭は五稜郭駅からはちょっと離れているのでご注意を。

■沿線の見所

●渡島当別

日本で最初にできた男子修道院、トラピスト修道院に歩いて行くことができます。 またじゃがいもの歴史を紹介している男爵館も近くにあります。


江差線(木古内−江差)

■車窓から

江差線は本来、五稜郭−江差を結ぶ路線ですが、海峡線の開業により函館−木古内は幹線とも呼ぶべき路線になりました。 一方、木古内−江差を結ぶ区間は純粋なローカル線の感が色濃く残っています。 松前線廃止の後も奇跡的に残る路線ですが今後も末永く営業を続けて欲しいものです。 全区間普通列車のみの運行で約70分で木古内−江差をはしります。

木古内で海峡線に別れを告げ、江差線は山間部に入っていきます。 吉堀を過ぎると人家も少なくなり渡島支庁と桧山支庁の境の分水嶺、稲穂トンネルまで急勾配が続きます。 トンネルを抜け江差まではゆっくりと下っていきます。 さみしい山中をしばらくはしり湯ノ岱へ。 湯ノ岱はその名の通り温泉が近くにあります。 上ノ国に注ぐ天ノ川を左右に眺めながら宮越を過ぎやがて上ノ国に、そして日本海が見えてくると江差に到着です。

■沿線の見所

●湯ノ岱

昔ながらの温泉宿、湯ノ岱温泉に入るのも一興。

●上ノ国

江差に比べ知名度は劣りますが、こちらも歴史ある町です。 北海道では最古の寺院、真言宗上国寺や勝山館跡、花沢館跡などがあります。

●江差

江差追分の町です。かもめ島は海遊びに最適です。


根室本線<花咲線>(釧路−根室)

■車窓から

根室本線という正式の名前よりも最近は愛称として付けられた花咲線の名前が定着した観がある路線です。 昔は釧路から西の急行列車が直通していたこともありましたがそれも姿を消し、さらに釧路−根室を運行していた急行ノサップも快速化され、今では本当にローカルムード満点です。 景色も風光明媚で乗っていて楽しい路線です。 鹿が沿線には多く、朝の列車を中心に外を眺めていればかなりの確率で鹿が目撃できます。 鹿が線路内に入り込み停まることも。

車両はキハ54−500番台を中心に運行され、車両には花咲線のロゴも貼られています。 車両中央にテーブル付きの4人掛けの席がありグループ客にお薦め。 単行車体のためシーズンには大混雑になることもあり注意しましょう。

釧路から出発するとすぐに旧釧路川を渡り、東釧路へ。 駅のすぐ前にダイエーのハイパーマートがあり、駅はそのおまけの様な風景です。 東釧路から尾幌までは丘陵地帯を縫うようにしてをただひたすらはしります。 カーブも多く、トンネルも幾つか抜けながら進みます。 いつもこの丘陵の丘の頂上には景色のいい所がないかと目を凝らしているのですがどうでしょう? 厚岸駅近くにくると南の視界が開け、厚岸湾が目に飛び込んできます。 晴れていれば尻羽岬まで見え最高でしょう。 厚岸駅には有名駅弁かきめしもあります。

厚岸を過ぎると右手には厚岸湖を望みます。 冬場なら白鳥も、シーズンにはノロッコ号もはしります。 列車は左手に近年重要な湿原として注目されている別寒辺牛湿原を見ながら進みます。 厚岸水鳥観察館はこの湿原の入口にあります。 国道を走る地元の人の目印、三角山もありますので車窓からどれが三角山だろうと探してみるのもいいかも。 茶内、浜中付近は左に牧場地帯がひたすら続きます。 落石では再び海が眼下に望めます。 列車は日本最東端の駅、東根室に。 東根室自体は根室の町中にあるなんということもない無人駅で特別の感慨はありません。 ここから根室は少しだけ西にはしり到着です。 根室はかにやエスカロップの有名な町ですので一度味わってみましょうね。

■沿線の見所

●厚岸

町内には見所はたくさん。愛冠岬、あやめが原などなど。駅近くには海事記念館も。

●落石

落石岬には歩いて2時間弱、北の国からの撮影地としても有名?

●東根室

日本最東端の駅として記念写真を撮るのもいいかも。


北海道旅情報巻頭  3-5.北の鉄路