遥かなり西の河原



西の河原はかつて旅人がひたすら歩いて辿り着いた場所でした。地蔵堂があり、多くの石が積みあがげられた風景は苦労した人にしか味わえないものでした。その後平成8年に積丹を一周する国道229号が開通する際に国道から遊歩道が整備されるも、平成13年から落石等の危険から通行止めとなり、現在は再び通常の手段では行くことができない場所となってしまったのです。またレストハウス西の河原も現在は営業していません。

難破船の残骸とジュウボウ岬の山容は西の河原のシンボルでしたが難破船は風化が進み、岬の山塊も平成11年に崩落して大きく姿を変えてしまいました。



国道229号が開通する以前は川白から西の河原まで歩く必要がありました。この道は積丹かもいYHを中心としたホステラーが開拓したルートです。オブカル石登山口から川に沿って遡上し途中から尾根に登り、第1展望台、シシャモナイの滝、第2展望台を経て西の河原へ至り、約2時間を要しました。第1展望台に登るにはロープを使い、また崖を下る箇所もあり、危険なため単独行については避けたほうが賢明と言われ、実際に行方不明になった人もいます。

平成8年の国道開通後は新たな遊歩道が整備されたため廃道になりました。レストハウス西の河原から川に登っていく道があり、当時のルートもここを辿っていたと思われます。





国道開通後の遊歩道は西の河原トンネルと大天狗トンネルの谷間の西の河原停留所が出発点でした。ここから855mの遊歩道が山を越え西の河原まで続いていたのです。



遊歩道は国道を地下道で潜り抜け、海岸線に沿って進んでいました。



遠望するとかつての遊歩道の跡が何とか確認できましたが手すりは崩れている箇所も多く、藪に覆われていました。


参考文献 昭和60年 続とらべるまんの北海道 とらべる群団
平成7年 ブルーガイド情報版α北の大地へ
平成9年 ブルーガイド情報版α北の大地へ
平成13年 あなたの知らない積丹半島vol.2 リフォレ積丹




北海道旅情報巻頭  3-9.ぐるり海岸線紀行

遥かなり西の河原