積丹東海岸は険しい海岸風景がひたすら続き、札幌に近いながらもそれをなかなか感じさせない場所ですが日帰り客も多く各地とも週末はたいへん混雑します。
西海岸に通じる道路は平成8年に開通になり、さらに豊浜トンネル事故の影響もあり道道229号は大幅な改良工事が進んでいます。道はひたすらトンネルを抜けていく立派な二車線道路へと変わってしまい旅情という面では大分薄れた感もありますがここはあえて途中随所に立ち止まるなどしてそも魅力を噛みしめましょう。
見所は積丹半島先端の神威岬、そしてその手前の島武意海岸が一般的な周遊コースで景色としてもすばらしいものがあります。また登山対象の山としては積丹岳があります。
積丹大滝なども行く機会に恵まれたなら行ってみましょう。温泉も沿道に幾つもありその代表は展望には定評のある岬の湯です。
宿泊となると大きな施設はあまりなく公共の宿もないので民宿、YHなどが選択肢になってきます。YHには昔ながらの積丹YH、旅人宿からYHになったリフォレ積丹YHの2ヶ所があります。ホテル宿泊を指向するなら小樽、ニセコなどに泊まり足を伸ばしていくのもひとつの方法です。
(交通:小樽駅-[バス31分]-余市駅-[バス48分]-美国-[バス30分]-入舸-[バス25分]-余別-[バス5分]-神威岬)
■黄金岬
積丹岬、神威岬と比べると格段に注目度は低いもののこの岬も遊歩道が整備され岬の先端まで行くことができます。
■水中展望船
船底の側面がガラス窓になったグラスボートスタイルのニューしゃこたん号で黄金岬、宝島の海岸線をめぐります。底面がガラススタイルの船はずっと海中を見続けると気分が悪くなることがありますがこの船はそんなことはないらしい。
(乗船料1300円、8:30〜16:00不定期、4月下旬〜10月下旬)
■新家寿司
積丹海鮮ちらしはあわびをはじめとする海の幸が山盛りになりたいへん美味でした。寿司店といいながらもそれ以外のメニューも豊富。
■古平温泉
旧古平高校の校舎が改造され温泉になっています。褐色の塩化物-ナトリウム泉。露天などの設備はありません。
(日帰り入浴500円、10:00〜21:00、一三金休)
■島武意海岸
積丹東海岸の海岸線を通る国道229号線はそのほとんどを海岸間際をトンネルで抜けて行きますがこの島武意海岸の前後は国道は積丹川沿いのルートとなり道道野塚婦美線も海岸から1km程度内陸側を通過します。それ程までに海岸線が険しく島武意海岸は一見の価値のある場所なのです。その入舸側からのアプローチは最後人道トンネルとなります。そしてトンネルを抜けると荒々しい木々のほとんどない岩肌だけで構成された荒々しい光景が眼下に広がるのです。 海岸に下りる歩道はか細いものでじぐざぐにやっと道が付いているとだけのものですが海は本当に澄んでいて美しいので一度は下りてみることをお薦めします。
■積丹岬自然遊歩道
ほとんどの人は島武意海岸を訪問するだけですが海岸線をめぐる遊歩道が整備されていて女郎子岩などをぐるりと周ることができます。大回りコース以外に小回りコースも辿ることができるので時間に余裕があれば行ってみましょう。
■岬の湯しゃこたん
平成15年に開業した新しい温泉で日本海を望む露天風呂が人気で週末は札幌からの日帰り客でたいへん混雑します。つるつるを体感できる重曹の成分が非常に多い温泉ながらも循環殺菌が激しいことも有名です。。
(日帰り入浴600円、10:00〜21:00、水休)
■ホテルしゃこたん
温泉としては岬の湯よりも遙かに歴史がある温泉。こちらも重曹の成分が多く「つるつる美人」というキャッチフレーズが付けられているが温泉としてはかなり地味な存在です。新館と休館が男女入れ替え制になっていて新館には屋上露天風呂もあります。
(日帰り入浴600円)
■神威岬
神威岬は積丹半島の最果てに位置し、山が海に落ち込むかの様な風景はムード満点です。
昔は民宿うしおから断崖の下の海岸を歩き念仏トンネルを抜け、さらに急な階段で崖をよじ登り岬にやっとたどり着くことができました。
しかしながら現在その歩道は閉鎖されています。 今は食堂うしおの先から舗装道路が台地の上まで続き、そこから歩いて簡単に神威岬に立てるようになりました。それでも岬への径は断崖の上をやっと通したかのようなものでなかなかスリルがあり、荒天時には閉鎖されることもあります。入口にはレストランペニンシュラという施設もあります。
■念仏トンネル
前述した念仏トンネルというのは手堀りのトンネルで昔、岬の灯台に向かっていた人がこの念仏トンネルの岬で遭難し、以後その様なことがないようにと掘られたものです。
短いトンネルなのですが測量がしっかりされないまま両側から掘られたため中央部でずれが生じていて通るのは注意を要します。
冬に行った時トンネルを抜けるとアザラシがたくさん寝そべっていたことがありました。
■西の河原
積丹半島ではこの沼前岬、西の河原の海岸線は平成8年まで国道229号線が開通していなかった区間です。その途中にあった西の河原は陸路ではなかなか険しい径を川白から歩いて行かなければならず積丹かもいYHからの8時間コースが組まれる伝説の場所でした。そんな地も国道開通時に歩道が開削され一旦は比較的簡単に行けるようになりましたが今は通行止めの看板があり無断で立ち入ることはできないとの話があります。駐車場からは地下道を抜け行くのですがその様な看板はなくなっていてもしかしたら通行止めは解除されているのかもしれません。要確認。またかつては西の河原へは西の河原レストハウス付近からの滝を越え、山を幾つも越えていく危険なかつての8時間コースのルートもあったと思われるのですが廃道と化しているようで痕跡はほとんど見当りませんでした。
■西の河原レストハウス
シーズンのみ営業する立派な施設。
■あんない展望公園
安内小学校跡地が展望台になっています。
■珊内ぬくもり温泉
小さな銭湯的日帰り入浴施設。 赤褐色の湯が特徴。
(日帰り入浴500円、13:00〜21:00、金休)
■日本玩具郷土館
旧珊内小学校が生まれ変わり土人形、こけし、凧などの子供の玩具が展示されています。
(入場料400円、10:00〜18:00、4月頃〜11月頃)
■澤口の袋澗
道内最大級とも言われる袋澗で一部が漁港の堤防として再利用されています。道路脇の澤口家の洋館の入口と煉瓦造の倉庫がすばらしい。
■トーマル沼
これといった特徴はありませんが山の中にひっそり佇む小さな沼です。
■リフレッシュプラザ温泉998名前の由来は道道998号線沿いにあるからという安易な名前の温泉は実は海水濃度の1.3倍の国内有数の強塩泉として有名です。ジャグジー等の揃った内湯に源泉風呂があり薄黄茶褐色のお湯は入っていると目に染みる程のものなのです。和風ながらも微妙に西洋風の雰囲気を感じる露天風呂が平成14年に新設されていてこちらも源泉そのままの湯が注がれています。 温泉の湯の花の販売もしています。
(日帰り入浴500円、11:00〜21:00、月休)
■盃温泉
国民宿舎もいわ荘、潮香荘などの温泉宿が点在していて日帰り入浴も提供されています。カルシウム泉。
(日帰り入浴もいわ荘500円、9:00〜20:00、潮香荘400円10:00〜20:00)
■鰊御殿とまり
鰊漁で賑わったかつての泊村の歴史を伝える施設です。旧川村家番屋と旧武井邸客殿が公開され地元の郷土資料館の意義も併せて担っています。
(入場料300円、9:30〜16:30、4月中旬〜11月中旬)
■茅沼炭鉱
北海道最古の炭鉱として知られる茅沼炭鉱には今もズリ山が残ります。
北海道旅情報巻頭 4-5.積丹・ニセコ・島牧