4-20-1.利尻


利尻島

利尻島は日本百名山にも名を連ねる利尻山を中央に配した丸い島で海岸線に沿って道路が整備されています。船から見る利尻岳は利尻富士との別名もあるように富士山によく似た様相をしていますが富士山と比べるとはるかに男性的で谷が山頂から幾筋も深く刻み込まれています。そんな山をめざす人が夏にはたくさん港に降り立ちます。

利尻の旅の一般的なコースはレンタカー、レンタルバイク、自転車での島一周です。港には幾つかのレンタルショップがありすぐにバイク、自転車は借りることができますがレンタカーは島内の台数が限られているためオンシーズンには予約が必要でしょう。一周52kmで途中見所が随所にあり、まる一日楽しめます。礼文島は歩くことが必要なポイントが多いのに対し、利尻島はポン山のハイキングコースを除くとほとんど歩くことがなくポイントをめぐることができます。北海道の離島の中で利尻島は最も便利な島でもあるのです。

また利尻岳登山も体力勝負の山ですがはずせません。 2本ルートがありますが鴛泊からが一般的にはいいでしょう。 標高1721mすべて登るので正直かなりきついですが登りきったときの達成感もいいものです。

宿に関しては鷲泊、沓掛をメインに旅館、民宿、ペンションが幾つかあります。 YHは鷲泊に利尻グリーンヒルYHがあります。 連泊をするとゆったり島内をめぐることができるでしょう。

(交通:稚内-[船100分]-鴛泊)


鴛泊周辺

利尻島一周もいいですが濃密な時間を過ごすなら鴛泊周辺に絞ってもいいかも。 レンタサイクルで周る場合は鴛泊−野塚展望台−サイクリングロード−姫沼−(甘露水)−利尻富士温泉−夕日ヶ丘展望台−ペシ岬展望台。 歩くなら鴛泊−甘露水−ポン山−姫沼−鴛泊のコースがお薦めです。

■姫沼展望台

姫沼入口から急な舗装道路をひた上る途中からの展望がとてもよく姫沼展望台と名付けられています。 姫沼まで行く途中一休みするにはいいところ。

■野塚展望台

鴛泊〜野塚の海岸線を見渡すことのできる展望台。 サイクリングコースの利尻富士町側の起点。

■姫沼

利尻富士を眺めるのにとてもいい沼です。 沼面に映る利尻富士がとても美しい。 沼を一周する散策路も整備されていてこちらは人はかなり少ない。

■ポン山遊歩道

利尻富士を登らない人はこんな遊歩道を歩いてみるのもいいのではないでしょうか。 標高444mのポン山、小ポン山、甘露水、姫沼を結びます。 ポン山からは鴛泊の港を眼下に望め昼食スポットとしていいかも。

■甘露水

名水百選にも選ばれた湧水。 あまいのかな??

■利尻富士温泉

離島にもいつのまにか町営の温泉ができました。 塩の強い温泉です。

(日帰り入浴400円、10:00〜21:00、5月〜10月無休、13:00〜21:00、11月〜4月第1・3月曜休)

■ポンモシリ島

海鳥の営巣地として有名です。 島を観察するのにいいスポットがサイクリングロード沿いにあります。

■夕日ヶ丘展望台

名前の通り西への展望が開けた展望台。 鴛泊に泊まった時にはここまで夕日を眺めに行くのもいいかも。

■ペシ岬展望台

鴛泊の港の脇にある高さ93mの岩山です。 ここも広く海岸線と海を見渡せます。 夕日もOK。


沓形周辺

旅をする人にとってはあまり気づかないことかもしれませんが利尻島は実は利尻町と利尻富士町の2つの町で成り立っています。 そしてこの沓形が利尻町の中心になります。 シーズンの5月〜9月には礼文島へのフェリーもあり便利です。

サイクリングの通過点と考えると沓形岬公園、北のいつくしま弁天宮などに立ち寄る程度ですが、 利尻岳を間近に眺めたいなら見返台展望台などもいいのではないでしょうか。

■沓形岬公園

沓形の市街の先に突き出た岬が小さな公園になっています。 礼文島と夕日の展望がとてもよくお薦めです。 小さなビジターセンターもあり。

■海底探勝船

利尻島、礼文島で唯一の海底探勝船です。 夏のシーズンに一周40分程度の遊覧が楽しめます。 船は天売島の探勝船と同型。

■天望山公園

展望を海岸線からだけ楽しむのも変化がないという人は天望山公園まで上ってみましょう。 レンタサイクルはきついかもしれませんが自転車を歩いて押して上って見ることになる展望は最高です。

■見返台展望台

利尻岳を本当に近くでその大きさを感じることができる展望台です。 自転車ではちょっと無理かも。 こちらも利尻岳登山の起点です。

■北のいつくしま弁天宮

ちょっとした岩場が突き出ているところに鳥居があります。 サイクリングの休憩地点として最適。近くに奇岩もある。


利尻岳

■利尻岳鴛泊コース

港からすぐ登山を開始することができるので人気のあるコースです。

港を出発し町のはずれに利尻山神社があります。 ここで登山の安全を祈願しましょう。 単調な舗装道路の登りで最後の水場、甘露水に到着です。 ここまでは車で来ることも可能です。 時間的に60分の短縮が可能なので急ぐ方は車の利用が便利でしょう。

ここからは本格的な登山になります。 ひたすら登りだけが淡々と続く苦しい行程です。 途中までは展望もほとんどききません。 しかし森林限界を抜けるとすばらしい光景が眼下に広がります。 海の青さを本当に実感できることでしょう。 その風景を糧として長官山、利尻岳とつめていきましょう。

注意したいのは天候です。 緯度も高度も高く、海にぽっかり浮かんでいるため天候の変化は激しいです。 天気予報は確実に把握し、かつ天候の悪化に備えた装備は持っていった方が安全です。 くれぐれも油断をしないようにして下さい。


北海道旅情報巻頭  4-20.利尻・礼文
4-20-1.利尻