4-18-1.留萌・雄冬


厚田・濃昼山道

■濃昼山道

石狩から厚田にかけてだんだんと道は険しくなります。 そして厚田から先の道路は断崖の下をトンネルで縫うようにはしっています。 しかしながらかつてはそんな長大なトンネルをつくる技術はなく道は山に上っていき、山腹を通っていました。 そんなかつての道を歩くことが静かなブームになっています。 堀淳一さんの著書でこの山道が紹介され、テレビでも紹介されるようになって、訪れる人が増えてきました。 濃昼から山道に入る入口には小さな目印さえ立てられています。 地形図を片手にそんな散策を楽しんでみるのもいいかもしれません。

これらの道を歩く時はそれなりの装備が必要です。 軽登山レベルの服装と地形図を読む技術は必須ですので注意しましょう。 無理をせず引き返す勇気も必要です。 堀淳一さんの著書では濃昼〜濃昼峠、滝の沢トンネルの付近を歩かれていますが、 さらにその後、道が荒れている可能性もあります。

海岸線をはしる道路のトンネルとトンネルの間のわずかな空間に小さな駐車場があり海に降りることができました。 人気のない海岸ですが午後は太陽がまぶしく反射する黄金の海が美しい。

■夕日の丘パーキング

休憩地点、険しい道路を通る前に後に。近くに展望地あり。

■牧場跡の展望地

厚田の丘陵地を国道からそれて上ると景色がいい場所があります。 私の見つけた展望地は牧場の廃虚があってちょっと不気味でしたが風景は格別でした。

(交通:札幌-[バス80分]-厚田役場前-[バス22分]-濃昼)


送毛山道

厚田〜増毛の道路は本当に険しい海岸線を進んでいきます。 そのため悪路がまだ数ヶ所あり、道路改良の工事が常に行われています。 新しいトンネルが開通するとそれまで使用された旧道はほとんど車も通ることもなくなります。 送毛山道もそんな道のひとつです。 途中、峠付近の展望はよく、立ち寄る場所も幾つかあり、道に迷う心配もなくハイキングが楽しめます。

送毛山道は以前は大部分ダートでした。 しかし現在その舗装工事がかなり進み、ダート区間も残すは1km程になりました。

バスは本数も少なくレンタカー等の利用をお勧めします。 浜益には滝川からのバスもあります。

■毘砂別展望台

浜益方面の海岸線を見渡すことのできる場所で、小さな公園になっていて木造の展望台もあります。 ベンチとテーブルもあるのでお昼を持ってきて食べるのもいいでしょう。

■千本ナラ

新日本名木百選にも選ばれた樹齢800年以上のナラがあります。 心霊スポットらしく夕暮れには訪れない方が無難かも。

(交通:札幌-[バス86分]-濃昼-[バス15分]-送毛-[バス9分]-毘砂別-[バス3分]-浜益)


浜益

厚田〜増毛の道路は険しくなかなか精神的にも緊張したドライブを強いられます。 そんな旅路の休憩地点がこの浜益です。 この浜益市街のある所だけが浜益川により浸食された平野をわずかながら持ち、山が迫ることもない温和な海岸線となっているのです。

■黄金山

この地のシンボルともいえる山で浜益富士とも呼ばれています。 大まかな形は富士山なのですが険しく地面から突き出たような激しい様相をしています。 その姿からUFOの目印ではないかとの話さえある程です。 実際ガスがかかっている時の風景はかなり不気味でそんな噂が絶えないことも納得させられます。

そしてそんな黄金山には実は登山道があります。 様相から想像するとおりかなり険しい山道が頂上までなんとか通じています。 一部危険な所もあるのでバランス感覚にすぐれた人でないと駄目でしょう。

■浜益温泉

浜益ということで鰊の番屋をイメージした温泉です。無色透明の硫黄カルシウム・ナトリウム塩化物泉。

(日帰り入浴500円、10時〜21時、毎月1日休、土日の場合月休)

■郷土資料館

明治32年築のかつて鰊の番屋が郷土資料館になっています。 ひとつぽつんと資料館がある様はとても寂しく旅情をそそります。 狭い館内に所狭しと多彩な資料が展示されています。 閉館間際に行くと断られることも。

(入場料100円、10時〜16時)

(交通:札幌-[バス124分]-浜益-[バス36分]-雄冬・滝川-[バス84分]-浜益-[バス36分]-雄冬)


雄冬

かつては国道が通じることもなく船で訪れるしかなかった雄冬も今は国道の通過点。 しかしながらそんな伝説を感じようと訪れる人も絶えません。

■雄冬岬

国道の単なる休憩所と化してしまっている。 雄冬岬の碑が唯一の目印。

■雄冬展望台

舗装された急坂を上り詰めたところにある展望台。 国道をはしっていても海を高くから眺める場所は少ないので寄ってみるのもいいかもしれません。岩山の様相がなかなか刺激的。

■岩尾温泉あったまーる

険しい断崖が続く海岸線がほんのわずかばかり落ち着いた小さな漁港のある集落にある温泉です。集落の中をちょっとだけ入った高台にあり、海の展望も抜群の温泉です。かつては素朴な造りでいい雰囲気を醸し出していたのですが新しい施設の完成により普通の町営温泉になってしまったのがとても残念です。 駐車場から下っていったかつての夕陽荘が忘れられません。

(日帰り入浴500円、11時〜21時、土日祝10時〜21時)

■大別苅旧道

あまり展望のきかない森の中を通る旧道。秋は紅葉がすばらしいらしい。11月〜5月中旬は閉鎖。

■歩古丹

歩古丹橋横のパーキングからはマッカ岬の断崖が眼下に望めます。

■銀鱗の滝・白銀の滝

険しい海岸線には滑り落ちるように幾つもの滝が流れています。名前が付いたもの以外にも雪解けの季節にしか見ることができないものやトンネルの影にあってほとんど知られていないものなどがあったりします。

(交通:札幌-[バス160分]-雄冬・留萌-[バス50分]-増毛-[バス25分]-雄冬)


増毛

留萌線の終点増毛駅は今は数少なくなった線路が途切れる終着駅です。 やってくる列車も鈍行のみで旅情が感じられる場所でもあります。 そんな増毛駅は映画「駅・STATION」の舞台となったことも。 また増毛は果物の産地としても有名です。 山に向かう道沿いには果樹園が立ち並びます。


■増毛駅と駅前建造物群

増毛は今ではかなり寂しくなってはしまいましたが鰊漁の町、海運の町として栄え歴史のある建物と町並みが北海道遺産に指定されました。駅前周辺には駅前直近には旅館富田屋などが立ち並び、駅から西に向かう道路脇には昔の旅館をそのまま利用した旅人宿ぼちぼちいこか増毛舘、旧商家丸一本間家、国稀酒造が点在します。

旅人宿ぼちぼちいこかは深夜までろうそくの灯かりの下、歌い語ることになる独特な宿。

■旧商家丸一本間家

明治時代の商家が修復され平成12年より公開されています。そのほとんどが明治時代の建物で居住空間、呉服店舗、醸造倉などからなりかなり広い空間を持っています。

(入館料400円、10時〜17時、4月25日〜11月3日、木休・7・8月は無休)

■国稀酒造

銘酒国稀はこの増毛でつくられています。 そのすべてを試飲できるのがすばらしい。 日本酒党にはこたえられません。 ちょっと癖のある北海道の米を使った酒などもあります。本州では店で見かけることはほとんどありませんが有楽町の北海道プラザにはありますし、注文をして送ってもらうこともできます。今はありませんが静岡の某店で見つけた時は涙が出ました。

■増毛小学校

昭和11年築の小学校。木造2階建ての校舎に加えて木造で大空間を確保した体育館などすべての機能が現存するのがすばらしい。

■松倉(まつくら)

日本海オロロンラインで最も人気のある名物鮨店。握りは当然のこと海鮮丼も様々な種類があり、なかでもジャンボちらし寿司は具がご飯の上に山盛りになっていて圧倒されます。これで3300円というのはすばらしい。並は2200円。そのどれもが地元の食材を中心に厳選されたもの。

■陣屋展望台

海を望む展望台。

■元陣屋

規模の大きい郷土資料館。津軽藩、秋田藩の増毛との関わりを中心に紹介。

(入館料400円、10時〜18時、月休)

(交通:留萌-[JR24分]-増毛)


留萌

日本海オロロンラインは札幌から険しい海岸線が続きます。 その難所を抜けしばらく行った所にあるのが留萌です。 これから先日本海側はもう市と称される所はもう稚内までありません。

(交通:深川-[JR60分]-留萌)

■千望台

留萌市街を一望する展望台です。 市街以外の展望が山に遮られるのはちょっと残念。

(交通:留萌-[バス15分]-老人ホーム-[バス]-平和台)

■黄金岬

日本海に沈む夕日を眺めるのには最高の場所です。 キャンプ場もあるのでそこに泊り眺めるのがいいでしょう。 でも海の際なのでかなり風が強いことがあります。

(交通:留萌-[バス10分]-本町-[徒歩5分]-黄金岬)

■海のふるさと館

留萌の郷土資料館なのですが規模が他の市町村に比べるとかなり大きい。 場所柄にしん漁の資料がたいへん充実しています。

■荒磯鮨

留萌の町中にあるレストラン風の入りやすいお寿司屋さんです。 ランチも各種あり私は1800円の寿司ランチを食べました。 今までの概念を覆すかのような寿司の数々には本当に驚かされました。 どれもが柔らかく新鮮なのです。 ランチにはさらに日替わり料理2品、コーヒーデザート付き。

■礼受牧場

風力発電の風車がある牧場です。 最近一部道路が開放されたとの話を聞き行きましたが通行止めで行き詰まってしまいました。 他にも入口があるのかな。


小平

■旧花田番屋

昔、鰊漁の番屋として使われた建物で木造建築としての規模はかなり大きく壮観です。 中に入ると右側に広がる階段状の板張りの漁夫溜りの広さに驚かされます。 ここに漁期には200人近くの人が住んでいたのです。 そして左側には畳の敷かれた部屋が幾つも続きます。 建物自体は質素な造りで機能的。 トイレの便器が絵柄の入った陶器になっていたり部分的にはかなり贅をつくしています。 夜のライトアップも美しいのでそんな時間に訪れるのもいいかもしれません。 となりに売店と剥製が鎮座する資料館もあり、その部分は無料。

(入館料350円、9時〜17時、5月〜10月、10時〜16時、11月〜4月、月曜と12月28日〜1月15日休)

■お食事処すみれ

5月〜9月頃にはバフンウニ、ムラサキウニを使ったウニ丼を食べることができる人気店。ウニ、焼きウニが半分ずつのったウニ丼や活甘エビなどもあり。

■食事処なぎさ

こちらのウニ丼もおいしい。海鮮丼、刺身定食などもあり。

■望洋台

温和な海岸線が続く留萌から北のオロロンラインの中で台地が海に突き出た数少ない場所で展望台とキャンプ場があります。

■ゆったりかん

海を望む人工温泉、レストランも併設になった普通の温浴施設。

(日帰り入浴500円、10時〜22時)

■資料館オピラウシ

考古的資料が展示された小さなものです。

(入館料200円、9時半〜17時、月曜休)

■たっぷりかん

達布市街にある小さな日帰り入浴施設。単純硫黄泉。

(日帰り入浴300円、13時〜19時、4月〜10月、13時〜18時半、11月〜3月)

■達布炭鉱跡

道路沿いにホッパーのみが鎮座しています。

■天狗の滝

小平ダムの湖の北辺に静かに佇む落差2段30mの滝。途中の吊り橋は危険なため現在通行止。

(交通:留萌-[バス26分]-小平-[バス67分]-羽幌)


北海道旅情報巻頭  4-18.日本海オロロンライン
4-18-1.留萌・雄冬