4-11-3.糠平・三股・上士幌


糠平・三股周辺

糠平・三股は東大雪登山の玄関口。東大雪はある程度の登山技術と体力が必要ですが表大雪などと比較してほとんど手付かずの自然が残り、とても魅力的です。 二ペソツ、ウペペサンケ山など道外の人にはちょっとなじみのない山の名前かもしれませんが特に二ペソツ山は北海道では一度は登る価値のある山でしょう。

登山以外では温泉や自然を楽しむ目的で訪れるにもいい場所です。温泉では様々なし趣向を凝らす糠平温泉街や幌加温泉、そして野天温泉では岩間温泉があります。糠平湖畔にあった野天温泉さわと温泉(熊谷温泉)は利用する人のマナーの悪さから98年に取り壊されてしまったのはたいへん残念。自然体験のできるひがし大雪自然ガイドセンターでは季節に合わせて多彩な企画が主催され、糠平温泉に泊まって是非参加してみましょう。旧士幌線タウシュベツのアーチ橋は今や一大人気スポットになっていて、その橋脚の写真はフルムーンの広告でも使用されています。

交通機関は糠平までは帯広から十勝バスが4往復、その先幌加-十勝三股間は都市間バスのノースライナーみくに号が乗降を扱いますが2往復と大変不便で、この地域を周遊する場合はレンタカー等の利用をお勧めします。

士幌方面から糠平温泉に入る手前にあった糠平電力館は平成12年10月に閉館になり建物もすぐに取り壊されました。 糠平ダム関係の住宅が立ち並んでいた黒石平は現在は荒野が広がる無住地です。

(交通:帯広-[バス97分・4往復]-糠平-[バス20分・ノースライナーみくに2往復]-十勝三股)





糠平温泉・ひがし大雪アーチ橋

■糠平温泉

糠平は10軒程の小さな宿が集まる温泉街です。温泉街として「源泉かけ流し宣言」を行った湯には日帰り入浴では「湯めぐり手形」を1,200円で購入すれば山湖荘、中村屋、森のふくろう、糠平館観光ホテル、糠平温泉ホテルと幌加温泉鹿の谷の6軒の中から3軒を選び入浴することができます。また山湖荘、中村屋、森のふくろう、糠平温泉ホテルの4軒では宿泊客が相互に別の宿の浴場を楽しむことができるサービスも実施されています。混浴露天風呂なら中村屋と湯元館、洞窟風呂なら山湖荘が特徴のある浴場で普通に入ると500円〜700円です。湯元館には足湯、山湖荘には飲泉スペースもあり。湯元館では運が良ければ入浴と宿主の手打ち蕎麦がセットになったプランが楽しめることもあるのです。

■ひがし大雪自然ガイドセンター

東大雪の自然を楽しむことができるツアーを豊富に企画しています。 夏は登山ツアー、なきうさぎトレッキング、アーチ橋ツアーなど。冬は湖上横断冬のアーチ橋ツアーわかさぎ釣りなど。宿に泊まれば星空観察会、早朝ネイチャーウォッチングなどにも参加できます。

■ひがし大雪アーチ橋

旧士幌線の黒石平から幌加にかけての廃線跡には昭和10年代の士幌線建設時のコンクリートアーチ橋と昭和30年の糠平ダム建設に付け替えられた士幌線のコンクリートアーチ橋があわせて10以上も点在します。糠平の鉄道記念館からメトセップまの8kmは北海道自然歩道東大雪の道として整備され、糠平川橋梁、三の沢橋梁、五の沢橋梁を実際に渡ることができます。全線を歩くのもよし、三の沢橋梁など目立ったもののみ渡ってみるのもよし、自分なりきにアーチ橋を楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。

■タウシュベツ川橋梁

旧士幌線のコンクリートアーチ橋で最も著名なのががフルムーンのポスターにも使われたタウシュベツ川橋梁です。さながらその風景はカナダの山並みにローマの水道橋が架かるといった雰囲気です。 天気の良い日、湖面が波立たない日に見ると橋を湖面が映し出し長大なめがね橋ができあがります。 しかしながら湖面の高さが影響し満水時にはその姿は湖面下に隠れてしまうことがありますのでひがし大雪アーチ橋友の会のホームページにて近況を確認の上行くのがいいでしょう。基本的に4、5月に水位は最も下がり、夏から秋にかけてずっと増加し11月には水没。翌年の1月頃から再び
アーチ橋が姿を現します。

国道の丸山橋北側の林道分岐から約4km行くと駐車スペースがあり、そこから歩いて5分で橋のすぐ脇まで行くことができます。 またビューポイントとして林道沿いに南西から遠く望むポイントがありこれがなかなか美しいのです。さらのここからさわと温泉を経て糠平ダムへ行くルートは落石が多く通行止めの場合がほとんどです。

糠平湖の湖水域にあるタウシュベツ川橋梁は保存されている訳ではなく絶えず湖の過酷な環境にさらされいずれは崩れ去る運命にあります。 橋の中間部は崩れた部分もありすぐに崩れ去ることはないとは思いますが早めに訪れることをお薦めします。

■ひがし大雪博物館

糠平に行ったらまず最初に寄ってみましょう。 大雪の基本を紹介したちょっと古い博物館です。 昆虫類の標本が豊富。

(入館料300円 9時-17時 月休)

■鉄道記念館

旧士幌線の糠平駅にある記念館です。 ひがし大雪博物館との共通券があります。 士幌線のシュミレーション運転映像を見ることができます。

(入館料100円 9時-16時 月休)

■さわと温泉(熊谷温泉)

糠平ダムができる前に温泉宿があった場所には温泉のみが湖畔に残り旅人が訪れることが絶えませんでした。 しかしながらその湯船は平成10年5月に撤去されてしまいありません。 今でも源泉からはこんこんと温泉が湧出しているため有志が簡易な湯船をつくったり、ブルーシートを利用して入浴する人もいるようですが源泉自体が水没していることもあります。

■わかさぎ釣り

糠平湖も冬期は結氷しわかさぎ釣りが楽しめます。 湖西岸のポイントへは国道脇のパーキングから歩いていくのも容易です。入漁料は300円で糠平温泉街のホテルなどで販売しています。装備を持っていない場合はひがし大雪自然ガイドセンターのツアーに参加するのがいいでしょう。

■きのこ氷

糠平湖は人造湖のため木の切り株が湖岸に無数に残っています。 そして水位の変動の関係でその切り株に氷の傘が乗っかることがあります。 これが糠平湖名物、きのこ氷といいます。

■糠平温泉スキー場

道外からのスキー客はほとんどいないのですがなぜかコクドの資本の入ったスキー場が糠平にはあり規模が大きくいつもすいていてお薦めです。 このスキー場の下に然別湖へ抜ける道があるので糠平ー然別湖の道道は冬期通行止め。



ウぺペサンケ山

ウペペサンケ山は北のニペソツ山とともに魅力的な東大雪の山のひとつです。 頂上からはニペソツ山、そしてその向こうにトムラウシ岳が望めます。

登山口は小学校近くからダートの道に入って、車で20分の第2登山口というところから。 1600mのピークまでは、かなりきつい登りが続きますが、 そこからはかなり展望もよく目的地が見える尾根道になるので、気持ちよく歩けます。 糠平とも呼ばれるウペペサンケ山東端の頂上(三角点)にはリスがいました。

東端からさらに最高地点、西端まで登山道は続きますが眺望自体はあまり変わりません。 どこまで行くかは登る人の好みに合わせて。

最終水場が登山口から15分ぐらいのところなので、ここを逃すと結構大変なことになります。 またササやハイマツが道にかぶさってきているので、カッパや軍手があったほうがいいです。 頂上付近のすぐしたにヒグマの通り道があるらしいので、鈴は必ず持っていきましょう。




幌加・三股

■幌加温泉(鹿ノ谷)

山奥のひなびた湯治場という雰囲気です。 建物自体は古く決してきれいではないのですがその分温泉は味があります。 内湯と外湯があり、基本的にはほとんど混浴ですが女性の脱衣所からは小さな女性専用の湯船に直接行けます。 また混浴でも大丈夫なような浴衣が置いてあるとか。

外湯は硫黄泉、内湯はカルシウム泉、鉄鉱泉、マグネシューム泉と四種類の泉種を楽しむことができます。 外湯の硫黄泉は内湯のある建物からかなり離れているため寒い時は走って行くことになります。 谷を見下ろしながらの露天風呂は最高です。 ホースで若干の温度調節が可能で間違えるととても熱くなってしまうことも。

内湯の鉄鉱泉は一番温度が高く浸かりがいがあります。 またカルシウム泉は浴槽に無数の結晶ができていて一見の価値があります。

幌加温泉入口から幌加温泉までの道のりは歩いても30分程と短いですが熊の通り道でもあります。 夕刻から夜間は注意しましょう。

(日帰り入浴:400円 8時-21時)

■ホロカ温泉

鹿の谷の手前にある温泉で外観が洋館風で味があります。 金田一少年の事件簿、雪夜叉伝説殺人事件の舞台として使用されたこともあります。 雪に閉じ込められた洋館の設定だったのですがその時期雪が降らず山奥から雪を運んできて撮影したそうです。

さらにこの建物の手前にある湯治場もここの経営です。 またその谷を降りていくと無料の野天風呂があるとか。 興味がある人は探してみましょう。

■岩間温泉

渓流のすぐわきに石組みで造られた野天温泉です。 車で行くことになるかと思いますが、国道から別れ林道を結構な距離はしることになります。 現在川を渡り、浴槽の対岸まで車で乗りつけることができます。 そして最後は歩いて丸太橋を渡り温泉に到着します。

周りには人工の構造物はほとんどなく自然の中で温泉に浸かるという感じです。 川で遊んだり、また温泉に入ったりしてのんびりすることができます。 登山の後なんかにもいいのではないでしょうか。

雪解け水の影響で温泉の周辺の状況は毎年変化しますので最新の情報にご注意下さい。

■十勝三股のルピナス

十勝三股駅があった周辺はかつての住民が植えたルピナスが野性化し育ち一大群落を誇っています。 その規模は道内でも有数のもので6月のその咲き乱れる風景は必見です。 人がほとんどいなくなったこの地に人の残した花々だけがそっと息づいているのです。近年環境庁の手により遊歩道の設置などの周辺開発が行われてしまいましたが現時点では開発は一時凍結中。

■三股山荘

昔林業で賑わったという三股も今は住んでいる住人は2軒だけ、そのうちの1軒がこの三股山荘です。 ログハウスのつくりがとても美しい喫茶店です。 コーヒーを飲んで奥さんとゆっくり話をしてみるのもいいかもしれません。 ご主人は木工をやっていらっしゃるらしくつくりかけのいすが店内に置いてありました。 幌加温泉のロビーに置くいすだとか。 あと気になったのはチェーンソー?の刃に描かれた美しい絵の数々。 とても三股の雰囲気にあっていて素敵でした。

■幌加駅跡

除雪ステーションの裏手南東の方向には林の中に駅ホームの跡が残っています。レールも残っているのがとても嬉しい。ルピナスも6月には咲きます。

■永久凍土

触ると夏も冷たい永久凍土が掘ると出てくるらしいですがどこまで掘ったら出るのでしょう?? 幌加の南にある旧士幌線の音更トンネルでも永久凍土に実際に触れることができる場所があります。

■古代遺跡

何もないだだっ広い広場があるだけですが昔の古代遺跡があったのでしょうか? ただいま調査中。

■三国峠

ここから見る三股盆地の樹海は圧巻です。 視界のすべてが樹に覆われているかのようで必見でしょう。 冬期は休業していますが売店とトイレもあります。 私は空腹に耐え切れない時たまたまここを通りそばを食べました。 うまかったです。


ナイタイ高原牧場・上士幌周辺

■ナイタイ高原牧場

ナイタイ山の東麓にある牧場です。車でレストハウスまで牧場内をゆっくり上っていくことになるのですがその牧場風景は北海道でも五本の指に入るほどの雄大ですばらしいものです。途中駐車スペースが数ヶ所あるのでそこにも足をとめつつゆっくり進んでいくのがいいと思います。かつて牧場内の道路は長い間狭かったため、一方通行で牧場内を周回する形でしたが、現在はレストハウスまで片側1車線の道路が整備されています。

牧場内の道の終点の最も景色の良い場所に展望台を兼ねた焼肉、ジンギスカンが楽しめるレストハウスがあり、4月下旬から10月下旬迄営業しています。 雄大な風景を眺めながら食事ができるのですが味としてはいまいちでした。牛乳、ソフトクリームはおいしく安いのでそれだけに絞るのが無難かもしれません。ソフトクリームは特大サイズもありました。

再訪問時の平成15年9月にはてんとうむしが異常発生していました。

■ナイタイ高原温泉亀の子荘

休業中。

■上士幌温泉

ごく一般的な町営日帰り入浴施設。男湯、女湯で中身が違い2週間ごとに入れ替わります。汗を流すだけならここでも構いませんが、温泉を楽しみたいなら他へ行きましょう。

■あんだらや

本格的カレーがとてもおいしい。 トマトがベースのカレーを食べたのですが味に深みがありました。 種類はそれ以外にも豊富にありいろいろ試してみたくなります。 大きな窓から徐々に暗くなっていく風景を眺めながらの食事はとてもいいもので私としてはそんな時間に訪れることをお薦めします。

■芽登温泉

屋根に芽登温泉と大きな文字で書かれていて行けばすぐ分かります。 山奥の一軒宿で川沿いにある木々に囲まれた円い露天風呂が雰囲気満点です。 新しく女性専用の露天風呂もできたので女性も安心です。 透き通った硫黄泉が身体を癒してくれるでしょう。釜飯が名物でまず注文してから入浴し、入浴後釜飯を食べるのが通らしい。釜飯には山菜(1000円)、五目、あさり(1100円)があります。

(日帰り入浴:500円8時-21時)

■島田温泉

廃業。

■TEEPEE

上士幌から糠平に上っていく手前にあるログハウスの喫茶店です。 休憩に寄って自家栽培のハーブティーを楽しみましょう。 ライダーハウスも併設。



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