町の中は道も狭く、各所の駐車場も小さいため、かもめ島の入口の駐車場などに車を置いて町歩きを楽しむのがいいでしょう。町の随所に鰊・北前船に関連した歴史的建築物が点在します。旧中村家、旧檜山郡役場、江差追分会館の共通観覧券(大人600円)もあり、この3つをまわるのが定番コースで、加えて開陽丸、かもめ島を歩けば、江差を深く知ることができます。
江差の宿泊施設は古いものが多く、旅館、民宿が数軒とビジネスホテルの「ホテルニューえさし」などがあります。また高級ホテル「旅庭 群来」が平成21年5月にオープンしていて動向が注目されます。シーズンオフは営業していない民宿もあるので注意。
■いにしえ街道
江差の歴史的建造物が散在する中心部の道路がいにしえ街道として整備され町歩きを楽しめるようになりました。道沿いにはアネロイド気圧計、横山家、姥神八幡宮、旧中村家などがあり、近くには江差差追分会館、旧檜山郡役所などもあります。途中には無料休憩所として江差町会所会館なども利用されています。
■かもめ島
江差港はこのかもめ島が入り江を形成しているため天然の良港として繁栄の要因となりました。 島のほとんどは岩に覆われそれをくりぬいて造られた北前船の遺跡も随所にあります。 遊歩道が整備され島全体を1時間程で歩くことができます。 海岸線を歩く遊歩道は落石の危険があったため通行が一時できませんでしたが海を渡っていくかもめの散歩道と名付けられた歩道が造られ散歩道として最高です。
■横山家
北前船の廻船問屋の建物が現在も残っていて公開されています。 細長い木造の建物が蔵に連なり独特な感じです。かつてこの建物の先はすぐ海だったのですが今は残念ながら国道が前を通っています。しかしながら往時の雰囲気は十分に感じることができるでしょう。こんな建物が昔はぎっしり海端に立ち並んでいたのです。一番海側の土蔵に北前船と鰊漁の関連の資料が展示されています。
(入館料:300円9時-17時、11月〜4月は予約要)
■旧中村家
土蔵造の店舗兼住居の問屋建築物で現在の建物は明治初年に改築されたものです。基礎には越前石、床の間、仏間にはケヤキ、天井には吉野や秋田のスギを使用した贅沢なつくり。
(入館料:300円9時-17時、11月〜3月は月休)
■法華寺
本堂の天井に描かれた八方睨みの龍と18世紀初めに建てられた山門は見逃せません。
(入館料:300円9時-17時、不定休)
■開陽丸
徳川幕府最後の軍艦がオランダに残っていた資料により再現されました。船内には引き上げられた開陽丸の遺物の展示と操船シュミレーションなどの体験施設。
(入場料:700円9時-17時、11月〜3月月休)
■旧檜山郡役所
明治20年造の道内の郡役所では唯一の現存庁舎。欧風の建築物は大変美しい。
(入館料:300円9時-17時、11月〜3月月休)
■旧関川家
江差で回船問屋を営んでいた関川家の別荘で古文書、調度品などが展示されています。
(入館料:100円9時-17時、月曜休、冬期休館)
■郷土資料館
ここにも北前船の資料を中心にたくさんの資料があります。
(入場料:200円9時-17時、冬期月曜休)
■江差追分会館
2階に江差追分に関する資料館があるのですがそのほとんどが音としての資料で様々な江差追分を聴くことができます。江差追分ファンにとっては嬉しいかもしれません。
(入場料:300円9時-17時、冬期月曜休)
■緑丘温泉みどりヶ丘の湯っこ
総ヒバ材の露天風呂が平成17年にオープン。あまり知られていない温泉だが行く価値あり。ナトリウム一酸水素塩硫酸塩泉。
(日帰り入浴:370円9時-17時、無休)
■江差の風力発電
かもめ島からも見ることができるのですが十数基の風車が林立する様は壮観です。江差温泉の脇にある道路から入っていくと元山の麓の風車の真下までたどり着くこともできます。真下からの景観はいまいちですがその道路の途中からの風車がある風景もなかなかいい。
■繁次郎温泉
廃業した湯の華を改装し、平成20年5月に再オープンした日帰り温泉。営業時間は平日は17時から。
(日帰り入浴:300円平日17時-22時、土日12時-22時)
■江差ぬくもり温泉
繁次郎温泉と源泉は同じ。町営施設のため平日は民間の繁次郎温泉営業時間帯は営業していません。
(日帰り入浴:380円平日11時-17時、月休)
■館城温泉
公営の憩いの家という小さな温泉があります。地区の人の利用がほとんどのためか安めの設定が嬉しい。アルカリ単純泉。
(日帰り入浴:240円平日11時-21時金休、冬季-20時)
■うずら温泉
新しい教会のような建物は宿泊施設も併設されたもの。浴場自体は至ってシンプル。アルカリ単純泉。
(日帰り入浴:400円平日11時-21時月休)
■俄虫温泉
温泉旅館ながらも日帰り入浴歓迎の宿で専用の入口もあり。軽食、休憩所スペースもある。露天風呂は特筆するには値しない小さい庭園風のもの。単純泉で成分は非常に薄め。
(日帰り入浴:400円平日11時-22時)
■砂坂海岸
ここだけ松林の砂浜の海岸線になっているのが不思議。展望台もある様です。
■五厘沢温泉
ラブホテルツインリーフとして営業中。温泉は健在。
■追分ソーラン風力発電研究所
風力発電の風車が海岸線に2基立っています。近くに斎場がありちょっと不気味。
■滝瀬海岸
地層がよくわかる高さ10m弱の断崖のある海岸線。わざわざ行くほどではありませんでした。漁港も近く人の気配が多い場所です。
■乙部温泉
宿泊施設の光林荘と日帰り入浴施設のいこいの家のふたつがあり宿泊客は両方楽しめます。いこいの家は平成11年改築された施設で清掃が行き届きとってもいい雰囲気。室内には大きな浴槽がどっしりとあり、源泉100%の湯は本当に体を癒してくれます。浴槽の上には絵も展示されています。露天風呂もあり、そちらも森の風景を楽しみながら入ることができます。休憩所では軽食をとることができるのですがそこにさりげなく置かれた道内各地の観光パンフレットの量はすごい。含食塩芒硝泉。
(日帰り入浴:400円11時-21時)
■ACCルネッサンスセルーラ
エステホテルで温泉自体を楽しむならいこいの家の方がいいでしょう。直営の工場製のパック液を用いた一人毎のパック風呂というものがあるのですが独特の香りが個人的には微妙でした。パック液が浴室の床に付いているとたいへんすべるので入口付近を歩くときは十分に注意しましょう。
(日帰り入浴:1000円14時-21時)
■元和台
海沿いの高台に公園が整備されています。子供用の木造の船の遊具が鎮座していてその周りに芝生が敷き詰められのんびりすることができます。道の駅は公園の北端にあり売店しかありませんが公園側に古い食堂もあり。
■能登の水
乙部町には奥尻沖の地震を契機として防災の意味合いをかねて生命の泉という湧水5ヶ所が整備されました。その5ヶ所の中のひとつなのですが行ってみるとそのままの飲水としては不適で煮沸が必要だとのことでした。ちょっぴり残念。ルート229元和台の売店に5ヶ所の位置を記した地図が置いてあります。
■鮪ノ岬
白い断崖が国道からもなかなか魅力的。岬の上に神社がありGW後位の時期の桜の名所。
■夷王山
上ノ国市街を見下ろすところにある展望地です。江戸時代には上ノ国勝山館が直下にありその監視場所としても機能していました。現在頂上には夷王山神社があり武田信広がまつられています。夜明の塔と名付けられた展望台もあります。車で行くこともできますが上ノ国八幡宮からの散策路も整備されています。
■勝山館跡ガイダンス施設
夜明けの塔の直下にある模型等で勝山館を紹介。建物の地下にあった火葬墓2基、土葬墓5基も再現。
(入場料:200円10時-16時、月休・祝の場合営業、祝翌日休、4月第4土-11月第2日)
■上国寺
本堂は北海道最古の木造建築。
■上ノ国八幡宮
展望台もあります。車で行くこともできますが上ノ国八幡宮からの散策路も整備されています。海側に駐車場があり、夷王山散策や周辺の古い建物を巡る際に利用ができます。
■笹浪家
19世紀半ばに建てられた北海道最古の民家。ニシン番屋の原型とも言われます。
(入場料:300円10時-16時、月休・祝の場合営業、祝翌日休、4月第4土-11月第2日)
■湯ノ岱温泉
北海道でも古くからある名湯で湯ノ岱温泉上ノ国保養センターの2軒が営業しています。保養センターは今は日帰りのみ営業。驚くのは保養センターの浴槽、固化した成分がびっちりはりついていることです。その厚さに圧倒されます。さらに打たせ湯の固化したものは鍾乳石の様になっています。成分は鉄泉で赤茶に濁った湯は体に本当によさそう。ゆっくり浸かることのできる温度の低い浴槽があるのも嬉しい。湯の岱荘は平成24年廃業。
(保養センター日帰り入浴:350円9時-21時、第3月曜休)
■花沢温泉
夷王山の麓にある素朴な温泉。弱アルカリ性低張性高温泉。
(日帰り入浴:200円、9時-21時、火休)
■水土里庵
駅から天の川に渡る手前左手にある比較的新しいそばの店。
■天ノ川駅
北海道れいる倶楽部がつくった江差線の仮想駅。実際にはとまらないが本物の駅のよう。車で訪れる場合、駐車スペースはほとんどないので注意。
■道の駅上ノ国もんじゅ
海べりの高台にある道の駅で現代的な風貌の建築物。レストラン併設というよりはレストラン自体が道の駅になっているので立ち寄るだけではおもしろくありません。海岸に下りるための階段あり。
北海道の離島の中では強烈な個性がなく最も地味な島といえるでしょう。しかしながら逆に観光地的なせわしなさがなく、のんびり楽しむには最適です。食ではうにがあり、温泉では神威脇温泉があり、風景の美しい岬、海岸線も続く奥尻島は一度は訪れてみてほしい所のひとつです。
しかしながらやはり訪れる手段は限られていて、江差、瀬棚からのフェリーはシーズンでも2往復、函館からの飛行機もちょっと高めで本数も少なめです。本州からの場合、そんな不便さを乗り越えて行こうとする決断も必要かもしれません。
島内の交通では路線バスがフェリーターミナルを基点に賽の河原、青苗・神威脇方面にあるのと7、8月のシーズンには定期観光バスが運行されます。またフェリーターミナル付近にはレンタカーのレンタルのお店も数軒あります。レンタサイクル、バイクは島が広いのと一部にダートがあるために不向きと考えたほうがいいと思います。
東海岸と西海岸を結ぶ道路は平成13年に開発道路が開通し、八十八曲りは経由することがなくなりました。
■鍋釣岩
海の中に不思議な姿を見せてくれる奇岩は奥尻の紹介ではなぜかトップにもってこられることが多いのです。
■うにまる
うにをモチーフにしたモニュメント。現代美術的感覚。マスコットキャラ、うにまる君もかわいい。
■佐藤義則野球展示室
阪急、オリックスを代表する名投手は奥尻島出身です。彼に関係する資料、野球道具がたくさん展示されています。手作り感覚で無料なのもうれしい。
■津波館
平成5年に襲った未曾有の災害、北海道南西沖地震を後世に伝えるための施設です。
(入場料:600円10時-18時)
■北追岬
奥尻の何もない西の海岸線の高台にある岬です。岬という印象はあまりなく、森に囲まれた高台の海岸線に気持ちのいい散策路が整備されています。散策路は手の指のようにいくつにも別れ、その先にはそれぞれ現代的なモニュメントがたっています。海と森とこのモニュメントがマッチしていてとてもいい雰囲気。ゆっくり歩くと30分くらいかかるでしょう。
■緑館
奥尻の最も大きい観光ホテル。神威脇温泉の源泉を引いた大きな浴場があります。露天もあり。
(日帰り入浴:800円9時-21時)
■神威脇温泉
昔ながらの漁港の脇にある小さな温泉。食塩泉なのですがとても濃厚で最高です。1階、2階の2ヶ所に浴場がありますが2階のほうが大きい。
(日帰り入浴:410円10時-20時)
■球島の丘
海と草原をぐるりと見渡せる美しい風景が広がります。奥尻ではなかなかこんな感じの場所は少ないです。
■賽の河原
奥尻の最北端の岬は岬一帯の海岸線に石が積み上げられた不思議な場所。お土産やもある。
■宮津弁天
独立した高台に赤い神社があります。隣接した道路も高いところを走っていてそこに駐車場があるため一度下って上ることになるのがちょっとたいへん。
北海道旅情報巻頭 4-2.松前・江差・奥尻