増毛小学校(増毛町)





増毛小学校の現校舎は昭和11年に新築された木造校舎です。特筆されるのはその規模で中央に中庭を配し、周りをぐるりと木造2階建て校舎と体育館が囲んでいる形態で約1,000人もの児童を収容できるものでした。小規模な木造校舎は今でも道内に散見されますがこれだけ大規模な木造校舎がほぼ建造当時のまま一体となって残っている事例はありません。残念ながら現在では通う児童数も200余名となっています。増毛の駅周辺の町並みからは少しはずれた高台の上にありますが併せて訪問しておきたい場所といえるでしょう。今でも現役校ということで中に入ることはできませんが外観を見学することはできます。ちなみにこの校舎の紹介文によく出てくる戦前期の都市型木造校舎という表現はどこにでてくるものなのでしょう。

校庭側の中央入口。大正4年に校章と校旗が制定され、その校章が2階部分に掲げられています。



写真左は道路側の校舎。写真右は校庭側と道路側の角。壁面の板は下見板張りで当時の学校建築、工場建築の流行もの。



外観からもその独特な構造がわかる体育館。体育館は柱のない大空間が要求されるために構造に工夫が要求されます。壁面の強化のための控え壁がそのひとつでずらりと並ぶ様は壮観です。また屋根が木造トラスで支えられているのもその工夫のひとつ。中を覗くとその複雑な様相を見ることができます。

開校125周年の看板が掲げられていました。



窓の開閉は老朽化で最も問題となる箇所でここに関しては通常の使用頻度が高いところを中心にアルミサッシの窓枠に改修が施されています。



北海道旅情報巻頭  3-3.学校図鑑
増毛小学校(増毛町)