神威岬と念仏トンネル



最初に神威岬を訪れた時、私は積丹YHに泊まり、余別の集落から余別トンネルを抜け歩いて行きました。岬の入口の食堂うしおの横を通り海岸線を歩き、念仏トンネルを抜け、石段を登り神威岬の先端に到達しました。帰り道は尾根をずっと歩き食堂うしおへ戻り、再び余別まで歩いて行きました。時間にして3時間かかったのではないかと思います。当時はもう念仏トンネルは公式には通行止めでしたが、まだまだほとんどの人が念仏トンネルルートを歩いていました。

その後神威岬へ向かう散策路の中腹まで車道が開通し、レストハウスぺニンシェラ(現カムイ番屋)が開業。観光客の散策路はレストハウスと神威岬を結ぶ尾根を往復するだけになり、念仏トンネルを訪れる人はほとんどいなくなりました。

念仏トンネルは大正元年灯台守の家族が海岸で遭難し亡くなったことにより大正3年に工事に取り掛かり、大正7年に開通しました。両側から掘り進んだため食い違いが生じ、トンネルは折れ曲がっているためトンネルの入口からは出口は見えません。そのため暗い中念仏を唱えて通ったため念仏トンネルと名付けられたと言います。



ごろごろした岩の転がった海岸線を歩いていくことになります。滝のような氷が垂れていました。



念仏トンネルを抜けるとアザラシが寝ていて驚きましたが、相手も驚いたようで次々にアザラシは海に飛び込んで行きました。



石段を上り神威岬に到着。冬だったので他の人の姿はなく風景を独り占めできました。残念ながら現在はレストハウスの散策路は冬期通行止めとなっています。また台風による崖崩れの影響で平成24年度は夏期も通行止めでした。



北海道旅情報巻頭  3-9.ぐるり海岸線紀行

神威岬と念仏トンネル