神の子池近くの砂防ダムは何のため?

神の子池近くの砂防ダムは何のため?


神の子池とは摩周カルデラの山麓にそっと息づく小さな池です。 摩周湖の水は川が存在しないため地表から流れ出すことがありません。 そんな水が地下に浸透し山麓で再び顔を現します。 その湧き水によってできたのがこの神の子池なのです。

神の子池は周辺に人家も舗装道路もない森林の中にあります。 そのため林道を4km程はしり行き着くことができます。 そんなに悪路ということはないので車さえあれば誰でも池の縁に立つことができます。 決して大きな池ではないのですが澄んだサファイア色の水はいつまでも眺めていたい気分にさせられます。 池の中に沈む倒木さえもがはっきり見え不思議な気分になることでしょう。 池の中だけがまるで別世界にあるかのごとく感じられます。 晴れた日もいいのですが雨の日、池に雨が降り注ぐ風景も格別です。 そういえばいついっても池のそばにただ佇む人が1人か2人いるものです。

そんな神の子池に2度目訪れた時のことです。 池自体はそんなにかわることなく私を迎えてくれました。 しかしながらそのほんのすぐそばまだ続く林道の先に砂防ダムが造られていたのです。 池との距離は直線距離にして200m程でしょうか。 神の子池の手前にある駐車場から神の子池へ向かう歩道から白いダムが丸見えなのです。

わざわざ神の子池のすぐそばに砂防ダムを造る必要があったのでしょうか? 専門的なことはわかりませんが疑問を感じてしまいました。 無論、神の子池から見えない所に造ればそれでいいという訳ではないでしょうがあえてここに造った理由は何なのでしょう。 神の子池がすばらしいのは周辺環境と一緒になった上でのことです。 そんな周辺環境を簡単に壊してしまって神の子池だけそっとそのままにしておいてもこれでは意味はありません。

神の子池を訪れる人のかなりの人がこれからそのことを感じる事でしょう。 しかしそんな想いとは裏腹に砂防ダムは存在し続けるのです。


北海道旅情報巻頭  8.アラカルトレポート