北炭空知と歌志内





歌志内の町並み







歌志内市は日本一人口の少ない「市」であり、平成19年8月31日現在の人口は5,042人です。普通で考えれば町村レベルの人口ですが炭鉱が栄えた時代、昭和23年には人口が4万6,000人を記録しました。歌志内市内には新しい公営住宅が散見できますがそれらはすべてスイス風でチロルの湯、郷土館ゆめつむぎなどもスイス風の景観に統一されています。

(交通:砂川-[バス23分]-中村市街-[バス10分]-歌志内市街-[バス4分]-上歌交番前)



昭和28年竣工の歌志内市役所庁舎。平成19年3月まで使用されてきましたが向かい側にある市役所別館に市役所の機能は集約されました。



昭和42年竣工の歌志内市民会館が現在の市役所別館です。



郷土館ゆめつむぎは小さいながらも歌志内の歴史をぎっしり詰め込んだ郷土資料館です。 特に地下の収蔵展示室はこれでもかという位の展示の数に圧倒されます。

( 入館料300円)



チロルの湯はかつて住友歌志内鉱の事業所が立ち並んだ地区に建てられた施設です。宿泊棟、温泉棟だけでなくアリーナ(体育館)や特別養護老人ホームまで立ち並ぶ様は壮観。チロルの湯及びアリーナは平成19年3月に株式会社歌志内振興公社に売却され、平成19年4月より指定管理者制度が導入され、有限会社エコノミービジネスネットワークが運営を担当しています。

温泉は住友歌志内鉱の坑口からの冷泉を活用したもので浴槽に溢れる黄色い湯がいかにも効能がありそうで嬉しい。健康度別に入浴プログラムが掲示されているのは大型の公共温泉が増え始めた頃の建物でまだジャグジー等が珍しかったからなのかもしれません。

宿泊施設の館内は地味ながらも余裕のあるつくりでゆったりくつろぐことができます。洋室は無駄に広いのがおもしろい。料理も特筆に価するものはありませんが心意気を感じるだけの量はあります。宿泊者のみ早朝入浴が可能で広い浴室を独占できます。

(日帰り入浴500円、10:00〜22:00)



かもい岳温泉はかもい岳スキー場の麓にある宿泊施設。平成19年7月1日よりこちらも指定管理者制度が導入され株式会社ブラッサが運営を担当しています。朝食には質素ながらも工夫を凝らしたものが並び驚かされました。



北炭空知炭鉱があった周辺は現在ほとんど住む人もなく寂しい荒れ地が続きます。 元北炭の子会社だった空知炭鉱株式会社の本社がぽつんとあります。 今では石炭取り引きの仲介などの商社機能が中心になっているようです。立坑櫓が健在なのが嬉しい。



上歌地区には昭和28年竣工の住友上歌鉱会館が倉本聰のテレビドラマ 「昨日、悲別で」のロケ地として悲別ロマン座の名前で保存されています。残念ながら客席部分は老朽化に伴い取り壊されロビー部分と舞台部分のみが残ります。



かつての住友上歌志内鉱第一立坑櫓。昭和62年より住友赤平炭鉱排気立坑として利用され、閉山の平成6年まで使用されました。



神威の沢沿いをめぐっていたときに見つけた施設。写真左の建物の看板には空知炭鉱桜沢洗車場と記されていました。写真右は北炭神威鉱の資材搬入用坑口。



北炭の発電所から北炭神威炭鉱に電力を供給していた大正13年竣工の煉瓦造の神威鉱変電所が丘の上に望めます。写真右は神威中学校跡地に立つ碑。昭和57年廃校。



北海道旅情報巻頭  3-1.炭鉱町を旅する
北炭空知と歌志内