四角くまとめてみる



夜半も近くなると通勤電車の中は徐々に騒が
しくなる酒臭い息を吐き時には胃の中のもの
をぶちまけ若いころにはあんなにも整然とし
ていた自分ってものをぐちゃぐちゃにした会
社員たちが群れてくるまわりが自分とおんな
じにぐちゃぐちゃで明日を忘れたいがために
酒をのみ傷もないのに傷ついた顔をして泣い
たりなんかしていることにほんの安らぎを感
じたりしている家には口もきいてくれない子
供と女あいつと恋をしたのはいつだったろう
それとも恋をしたんだろうか十年も前から何
も感じちゃいない自分が向かうのはただのコ
ンクリートの壁の中一人で眠る檻の中一時間
も乗れば電車の座席も空いてどこからか吹い
てくる寒い風あと2駅でいつも降りる駅降り
ずにすむなら少しは幸せになれるだろうか


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