文末で「・・・んなアホな」と突っ込んでみる



夜半も近くなると
通勤電車の中は徐々に騒がしくなる ・・・んなアホな
酒臭い息を吐き
時には胃の中のものをぶちまけ
若いころにはあんなにも整然としていた自分ってものを
ぐちゃぐちゃにした会社員たちが群れてくる ・・・んなアホな

まわりが自分とおんなじにぐちゃぐちゃで
明日を忘れたいがために酒をのみ
傷もないのに傷ついた顔をして
泣いたりなんかしていることに
ほんの安らぎを感じたりしている ・・・んなアホな

家には口もきいてくれない子供と女 ・・・んなアホな
あいつと恋をしたのはいつだったろう ・・・んなアホな
それとも恋をしたんだろうか ・・・んなアホな
十年も前から何も感じちゃいない ・・・んなアホな
自分が向かうのはただのコンクリートの壁の中 ・・・んなアホな
一人で眠る檻の中 ・・・んなアホな

一時間も乗れば電車の座席も空いて
どこからか吹いてくる寒い風 ・・・んなアホな
あと2駅でいつも降りる駅 ・・・んなアホな
降りずにすむなら少しは幸せになれるだろうか ・・・んなアホな


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