日本全国競馬場めぐり・番外編
おもひでの中津競馬場 (大分県中津市) |
かの福沢諭吉が勉学に励み、杉田玄白とともに解体新書を翻訳した前野良沢などの著名人を輩出した中津市の郊外地区に、のどかな地方競馬場がありました。
さて、実はこの中津競馬場、赤字経営だったがため、廃止となってしまいました。当初は01年6月はじめまでレースが行われるはずでしたが、映像会社(=レースゴール写真の撮影などをするする会社)との新年度契約更新がうまく行かなかったため01年3月いっぱいをもって急遽開催が中止。さよならセレモニーなどもなく、そのまま廃止となってしまいました。この頁に掲げられている写真は、そんな中津競馬場のありし日の光景です。(00年5月6日撮影) |
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パドック(出走馬の下見所) | 入場門 |
コース
1周1000m、幅20〜25mの右回りダート(砂)コースで、フルゲート(ひとつのレースに出走できる頭数限界)は10頭。中津競馬場では1180m、1300m、1620m、1760m、2300mのレースが行われていましたが、実際には1300mが大半で、中には1日の全レースが1300mであるという日すらありました。 |
スタンド・内馬場などは、こちら! |
おもひでの主要レース中津競馬は、おおむね日曜日を中心に行われていました。しかし、実質的な最終年度となった'00年度は九州の他の地方競馬場、すなわち佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)・荒尾競馬場(熊本県荒尾市)と開催日がなるべくダブらないよう、(連休時期やお盆・年末年始を例外として)平日に週2日開催されていたこともありました。 |
全日本女性騎手招待卑弥呼杯
毎年12月はじめに行われていた、中津競馬いちばんの名物レースで、全国でもここにしかなかった女性騎手同士のレースでした。騎手に主眼を置いたレースであるため、トップクラスでなく実力差の拮抗した中堅クラスの馬が使われていたのは、高知の全日本新人王争覇戦競走と共通。 中津競馬場の廃止に伴い、01年からは新潟県競馬組合が「駒子賞」という名称の女性騎手招待レースを創設、事実上引き継がれる形となった。しかしその後、新潟県競馬組合は'01年度いっぱいで主催競馬を廃止&組合解散。結果として、「女性騎手同士の競走を行うと・・・」の状況になってしまい、非常に残念である。 九州スプリントカップ(K・G3)
その他、九州の地方競馬場3場持ち回りの大レース(霧島賞・たんぽぽ賞)などが回ってくることがありました。ちなみに00年は、霧島賞が回ってきました。中津競馬史上最高賞金額(1着賞金1000万円)のレースで、まさに「最後のひと華」となってしまいました。 |
アクセス |
大分県中津市大字大貞371 |
※廃止寸前時点のアクセス法は、次のとおりでした。
JR東中津駅から南方向へ4km、JR中津駅から南東方向へ5km JR中津駅から大貞車庫・野路行き中津観光バス・大分交通バスで中津競馬場入口下車徒歩3分。1時間に2本程度運行。バスの問い合わせ先0979-22-0071 JR宇佐駅・柳ヶ浦駅・中津駅などから無料バス(行きのみ1本) |
競馬場跡周辺の風景 |
中津は、みどころの多い街。以下に紹介するスポットはあくまで「主なもの」で、もし「廃競馬場跡」を訪ねられることのあった際は、ぜひこれらも回ってみてください。なお、市発行のパンフレットでは、競馬場そのものも観光スポットのひとつとして紹介されていました。
中津城
福沢諭吉旧居
薦(こも)神社
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中津城 | 福沢諭吉旧居 |
※ 市街地の観光には、JR中津駅構内の観光案内所で扱っている無料レンタサイクルが便利。9:00〜17:00。ただし、このレンタサイクルで動ける範囲は市中心部(中津城や福沢諭吉旧居など)に限定され、これを使って郊外のスポット(競馬場跡や薦神社など)へ行くことはできませんので、注意してください(借りる際、行き先を尋ねられます)。 |