updated Aug. 31 1998
派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)


質 問 と 回 答 例 (F A Q)

7020. 対象業務外の派遣だからと拒否しても、派遣元担当者が聞いてくれません。違法派遣は、どの役所に訴えればよいのですか
 

 公共職業安定所

 労働者派遣法に関する問題は、基本的には「職安」(公共職業安定所=ハローワーク)が窓口です。

 ただし、1998年8月に労働省から示されている労働者派遣法見直し法律案要綱によりますと、公共職業安定所が、労働者派遣法違反について労働者からの申告を受けることがようやく明確にされることになっています。これを裏返して考えますと、現在では、労働者派遣法違反について労働者からの申告を受ける公共職業安定所の態勢が明確ではないこと、少なくとも十分ではなかったことを意味しています。

 本来であれば、労働省から出されている「指針(ガイドライン)」に基づいて行政指導をするのが、公共職業安定所の役割です。実際、派遣110番としては、公共職業安定所は派遣業者の法違反や違法派遣の横行に対して法規制を厳格に守らせるように、当然の行政権限を発揮してほしいと要望し続けてきました。

 対象業務外の「違法派遣」は「労働者派遣法」違反(対象業務外労働者派遣罪)で派遣元事業主だけに罰則が適用されることになっています。ただし、派遣先については、労働大臣からの勧告や企業名の公表をさせることが可能です。また、派遣先が派遣元に「教唆(きょうさ)」して対象業務外労働者派遣罪を犯させるといった事情があれば、派遣先も、派遣元の共犯として刑事責任を問われる可能性が生じます。他方、違法派遣は、同時に職業安定法第44条の労働者供給事業の禁止規定にも違反します。この職業安定法第44条には、供給元だけでなく供給先も取り締まりの対象としています。

労働基準監督署

 労働基準監督署に、労働基準法違反を申告をすることができます。
 違法派遣は労働者派遣法によって許可される労働者派遣ではありません。職業安定法違反だけでなく、労働基準法第6条の中間搾取禁止にも違反します。
 また、派遣110番の相談でも、派遣業者のなかには、明らかに労働基準法に違反する労務管理を行っている者が少なくありません。
 
 労働基準法第6条(中間搾取の禁止)

 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。


 労働条件で労働基準法違反があれば労働基準監督署に申告できます。1996年(1996.6)の法改正で、派遣元に対する規制だけでなく、派遣先への規制、とくに悪質な派遣先の企業名公表などの措置がとられることになりました。
 また、労働者派遣法違反、職業安定法違反については罰則(刑事罰)があります。警察が独自の立場から取り締まりをしていますし、刑事責任を追及して検察官に刑事告発することも考えられます。


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