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第87回  工房の ロケットのある風景  〜それはロケット〜


「ロケットを作ろう。」


輝豸雄は力強くそう言った。

「う〜?」
「だから、ロケットを作って、麝弐猪に逢いに行くんだ。」
「へ?」
「何で、麝弐猪に逢いに行くのにロケットなんだよぉ?」
「麝弐猪くんは宇宙にいるからさ。」
「訳わかんない。」



「あいつはさぁ、、、転校、、、したんじゃないんだよ、本当は、、、。」
「え、・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。そう、、だったんだ、、、、、。」
「・・・・・・・・・・。」
「よし、ロケットを作ろう! 俺たちの手で。」


  



「君たちかい?
 ロケットについて知りたいっていうのは?」

その人の研究室は、ロケットと宇宙人で一杯だった。
古今東西、様々なロケットと宇宙人がいたるところに飾られていた。

「そうなんです、僕たち、何とかして宇宙に行きたいんです。
 ロケットを作って、宇宙に行きたいんです。」
「大事な友達のところに 行きたいんです。」
「う〜ん。」
「ここで聞けば、ロケットが作れるんじゃないかって、学校の先生に聞いて
 訪ねてきたんですけど〜。」
「だめなんですか?ロケット。」
「あはは、君たちが乗れるようなロケットはここじゃぁ作れないなぁ。」
「え〜!」
「う〜! 出来ないんですか?」
「まあね。」
「えぇ〜、、、。」
「あうあう、、、。」
「君たち、どうしてロケットを作りたいんだい?」

輝豸雄達は、身振り手振りで説明をはじめていた。
その瞳は真剣だった。

                                                   第88回に続く