ケアマネージャー資格商法

■ペンネーム「いなぞう」さんからの投稿の続き(2/2)です。

 もうひとつ。こっちは撃退したモノです。
 
 2002年12月11日の消印で、一通の封書が来ました。
 
 封筒には赤印で「介護支援専門員(ケアマネージャー)のご案内」。
 差出人は『実務情報』住所は東京と新潟の二カ所で、後者にチェックが入ってました。
 中には文書とパンフレットが入ってました。
 
 
『「介護支援専門員(ケアマネージャー)」資格取得のお勧め』
 
 謹啓 皆様には、御清栄のことと存じ上げます。
 我国の高齢化する社会において、介護を必要としている方が25年後には520万人といわれています。
 このような社会環境において、介護支援専門員(ケアマネージャー)が介護保険の担い手であることは明白です。また、介護支援専門員となるための受験資格が医療系、福祉系の国家資格や実務経験が必要とされていることは、より専門性の高い資格であるといえます。
 平成10年より実施されている介護支援専門員実務研修受験試験も、保険法改正等に伴い介護支援専門員のマニュアルともなる標準テキストも基本テキストへの改定となり、出題傾向も介護支援に係わる知識がより重要となってきました。
 医療・福祉に携わる方にとって介護問題は切実な課題であり、知識の修得は今後の実務に欠かせないものではないでしょうか。
 是非、この機会に本講座に入会され、「介護支援専門員」の資格をとられんことをお勧め申し上げます。
 
 敬具
 
   担当職員(空白)     締め切り日 平成14年12月18日
 
  受講料一括前納制 98,000(消費税含む)
 
 ◇受講料の一部は各種福祉団体に寄付されます。
 
 ※トラブル防止のため、下記の口座に電信振込扱いでお願いいたします。
・東京三菱銀行 新丸の内支店 実務情報 普通 4299590
・三井住友銀行 新潟  実務情報 普通 6306606
・第四銀行 新潟駅前 実務情報 普通 1499862
・新潟中央郵便局 (株)実務情報 記号11220 番号22545091
 
   JJ 実務情報アカデミー
   0120-246-518
 
 
 《同封されていた素敵パンフレットの内容 抜粋》
 
題【介護支援専門員(ケアマネージャー)実務研究受講試験対策
 
講座 JJ試験対策合格システム】受講のご案内
 
 介護支援専門員(ケアマネージャー)となるために、介護保険を有意義なものとするための必要な知識と、そそれをどのように活用していくべきかが考えられるよう開発された試験対策用システムです。
 
 介護支援専門員実務研修受講試験に合格していただくために開発された基本テキスト対応の通信教育教材やセミナーで構成されています。
 
 《教材セット内容》
 
 ガイドブック(学習相談シートつき)1冊
「介護保険と介護支援サービスの解説」1冊
「介護支援分野ポイントテキスト」1冊
 予想問題集(マークシート式解答用紙付)3冊。
 
 あと、学習相談(どのような人が対応するか一切書いてない)と会員割引の試験対策セミナーがついているようです。
 
 
  旦那とふたりで読みながら大爆笑しました。私は確かに看護師の資格を持ってますが(看護師免許などがないとケアマネージャーになれません)数ヶ月前に辞めた職場の病棟主任がケアマネージャーの資格を取るのに苦労していて、そう簡単に取得できない現実と、私自身が資格を取る気はさらさら無かったんです。 
 
 で、友達にも教えて一緒に笑おうと思い、愛用している日記にしっかり保存しておきました。
 
 年が明けて1月6日。なんと先方から電話が!!
 
私 「はい」
男性 「あ、実務情報の田中と申します」
 
 旦那と一緒に大笑いした所だとすぐにわかりました。でも何用だろう。
 
田中 「先日、お手紙差し上げましたが、いなぞうさんから返答がありませんので」
私 「ああ。やりませんから」(どきっぱり。)
田中 「(ちょっと動揺したらしい)ええとですね、あの、この資格が県内では非常に足りなくなっておりましてですね。他の皆様はすでに登録されているのです。そしてじき〆切も差しせまっておりまして」
 
  どこの県のどこの皆様かわかりませんが、そもそも〆切はすでに過ぎてます。
 
 実は私は地域の保健センターで「ナース登録」(看護師専門の派遣といった感じ)を済ませていまして、もしも「非常に足りないから資格取得依頼」をしてくるなら、先にここから呼びかけがあるんじゃないかなと思ったんですね(資格受験は自由意志なので、できないとは思いますが)。ちなみにケアマネージャーの受験資格研修は市でもやってました。1コース8000円とかだった記憶があります。
 
 これらをすべて言ってしまおうかとも思ったのですが、相手するのが面倒になり、とっとと切ることにしました。
 
田中 「それでですね、いなぞうさんにも是非、この資格をとっていただきたく」
私 「やりません」
田中 「でもですね、県内の皆様はすでに登録をお済みになられてるんですよ?」
私 「わ・た・し・は、やりませんっ!」
田中 「そうですか…」
 
 田中さんはさみしそうに電話を切りました。
 
 数ヶ月後、同じ内容の電話が来ました。(田中さんではありませんでしたが、男性でした)
 
 〆切は延びてました。同じ対応で切りました。こっちはあっけなく切られました。しつこーいっ!!

■いなぞうさんの投稿がボリュームたっぷりだったので、ネタごとに二つのページに分けさせていただきました。前半部分は「クレヨンとスケッチブックの行方」です。未読の方は、そちらもどうぞご覧下さい。
 
■〆切が平成14年12月18日で、「じき〆切も差しせまって」との電話が明けて15年の1月6日・・・。日付設定を間違えているのか、トークを間違えているのか、どちらなんでしょう。微妙に気になります(笑)。
 
 いろんな資格商法がありますが、世相を反映したのか「介護支援専門員(ケアマネージャー)」がついに登場しました。
 でも、資格は違えど
「資格保持者が不足している」 → 今資格を取ればお得かも、と思わせて
「他の人はすでに登録されている」 → え? 私だけ? と悩ませて
「締め切り間近」 → 急がなきゃいけないの? と焦らされる
 と、手口はとってもステロタイプですね。
(会社員を狙った電話だと、これらに「上司の○○さんの紹介で」が加わればカンペキ)
 
 実は、看護師免許などがないとケアマネージャーになれないなんて、知りませんでした。プロでも苦労する難関だなんてことも。
 何か手に職をつけないと・・・と思っていて、良く知らない資格について上手に言いくるめられると、簡単にひっかかってしまいそうです。くわばらくわばら。

(2005.6.28)