4.電子機器を用いたトランスコミュニケーション( ITC )


「記録に残る8,000年の歴史において初めて、今我々の心、記憶、人格そして魂が物理的な死を超えて生き延びると確信を持って言うことができる。」
ジョージ・ミーク


ヴィクター:1980年頃から心霊研究家達は、他界した人々との驚くべき交信が、ラジオ・電話・テレビ・ファックス・コンピュータを介して行われていると主張してきました。この最近の交信は電子機器を用いたトランスコミュニケーション( ITC )と呼ばれています。

O教授:ちょっと、やめようよ。そんないい加減な話は。

ヴィ:いい加減ではありません。交信は再現可能であり、世界中の研究室で起こっていて、科学の厳密な目にもさらされている、とても証拠性の高いものなのです。アメリカで「永続する生命の研究財団(Continuing Life Research Foundation)」を発足したマーク・メイシーによれば;

「ヨーロッパの研究機関では、霊的な存在とのほとんど毎日に及ぶ双方向のコミュニケーションが持たれ、難解で先進的な技術情報を、留守番電話やラジオ、そしてコンピュータのプリントアウトを通じて得ていると報告されています。彼等はまたテレビを用いて、死後の世界で霊達がどのように生活しているかを示す画像も受け取ったと報告しています・・・。結果として、歴史上初めて、我々が物理的な肉体を脱ぎ捨てた後、その生命がどうなるのかを示す、直接的な物的証拠を見せられているのです。」
「1994年にルクセンブルク、ドイツ、ブラジル、スウェーデン、中国、日本のITC実験者達が、1976年に亡くなったコンスタンティン・ラウディヴ博士からの超自然的な電話を受けています。」
「電話はその後も継続し、1996年に録音された双方向の会話は13分間続きました。」


 広範囲に渡る信頼できる証人のグループ − 高名な科学者、物理学者、技師、電子工学の専門家、医者、教授、行政官、牧師、成功した実業家など − によって集められた証拠は、体系的にEVPとITCを調査する人たちにとって本当に説得力があります。世界の異なった地域からの証拠が互いに矛盾していないという事実は圧倒的です。

 アメリカでこの研究を開拓したのはジョージ・ミークとウィリアム・オニールで、彼らはEVP 研究で使われる装置よりもいっそう洗練された、双方向の通信システム「スピリコム」を完成させました。オニールは恵まれた霊媒で、すでに亡くなっている2人の科学者を見ることができ、また会話をすることも可能でした。彼とその科学者たちは互いに協力しあい、改造した側波帯ラジオその他を用いてスピリコムを作り上げ、その結果「亡き」科学者の声が、知的で応答的な会話としてテープに録音されたのです。ジョン・G・フラーが書いた「The Ghost of 29 Megacycles(29メガサイクルの幽霊」-1981」という351ページの本には、ジョージ・ミークの極めて信頼性が高く反証の挙げようがない研究と、我々が死んだ後も生命が続く事を示すために彼が作り出した証拠について、詳細な記述があります。この本は、真剣な探求者たちに大いに推薦できるものです。

O:ヴィクター、そういえばスピリコムという名は聞いたことがあるな。

ヴィ:えっ、教授がですか?

O:あれは80年代だったな。霊と交信できる機械を作ったとかいう男が日本に来て、会話を録音したテープと設計図を持ってきてな。

ヴィ:彼がジョージ・ミークですよ。

O:それである人がその設計図通りに作ってみた。結果はどうなったと思う?

ヴィ:動かなかったでしょうね。

O:なんだ、わかっとるのか。で、その場合、再現性云々という話はどうなるのかね。

ヴィ:あの機械はウィリアム・オニールの霊媒能力と組になって動いていて、そのまま他の人が使えるようなものではなかったのです。

O:やれやれ、正体見たりだな。操作する人が替わったから動かないとか言ってるようじゃ、科学とは言えないよ。

ヴィ:しかし、オニールが操作すれば結果が再現されたのは事実です。だから我々は、なぜ人が変わると動かないのか、この問いに対して科学的に挑まなければなりません。

O:私にはそのオニールが詐欺師だったと結論づけるのが、一番妥当だと思えるがな。

スピリコムの中で最も成功したMark IVの回路図

ヴィ:一人の例だけでそう結論するのはやめましょう。次は、同じくITC研究の初期に関わった西ドイツの人の話です。

 電子工学と音響学の専門家ハンス=オットー・ケーニッヒは、非常に低いうなり周波数を出す発振器と、紫外線、赤外線の光を使う精巧な電子装置を開発しました。1983年1月15日に彼は、ヨーロッパの最も大きいラジオステーションであり、ヨーロッパ中に推定何百万もの聴取者を抱えるラジオ・ルクセンブルクに招かれました。ケーニッヒはラジオで、彼が新しく開発した「死者」との双方向の会話を可能にする超音響技術を、生放送で実演するように頼まれたのです。ケーニッヒはラジオ局の技師と番組の司会者ヘル・ライナー・ホルベが注視する下で、装置を設置しました。ラジオスタッフの一人が、彼の呼びかけに応じて声が直接反応することができるかどうか尋ねたとき、ほとんどすぐに、ひとつの声がこう返事したのです;

「我々はあなたの声を聞いている」
「オットー・ケーニッヒは死者とつながっている」


 他の質問がされる中、アナウンサーのホルベは彼と周りの人達が聞いたことに震え上がり、こう述べています;

「ラジオルクセンブルクを聞いてくれている皆さん、私はごまかしなど何もなかったことを末代まで誓います。トリックなどではありません、確かに声です。我々はどこからそれが語りかけているのか分かりません。」


 ラジオ局は後に、番組はすべての段階において慎重に監督されていたという公式の声明を明らかにしました。スタッフと技師は声が超自然的だったことを確信したのです。

 当然のことながら、ケーニッヒは公共の場での実験をさらに続けました。ラジオルクセンブルクで行われた他の実験も類似の成功を収めています。特に「私はラウディヴです」と述べる、博士の独特な声が録音されたのは重要です。彼は生前に、前章で触れた「Breakthrough」を書き表し、「死者」からの72,000件以上の声を記録した彼自身のEVP実験について完全な詳細を記述していたのですから。

O:ヴィクター、君は放送業界というものを知らんな。

ヴィ:どういうことですか。

O:君が述べたことは、ケーニッヒとそのラジオ局が仕組んだやらせに決まっとるだろうが。それくらいも分からんのか。

ヴィ:あいにく、私にはそう思えませんがね。まあ、今はその教授の言葉を否定しないでおきましょう。いずれそのような考えは起こらなくなっていくでしょうから。

O:まったく、君のその自信が一体どこから来るのか、私には未だに分からないな。

ヴィ:1980年代、「今は亡き」愛する人々の映像をテレビ上に受け取る研究者たちが各国に現れました。

 1985年、西ドイツのクラウス・シュライバーはマーティン・ウェンツェルの技術的な助けを借り、テレビモニタ上に死者の映像を受け取りだしました。彼らが用いたのは、ブラウン管をビデオカメラで写し、その出力をまた画面に戻してループを作り上げる方式です。多くの場合、音によるコミュニケーションを伴うことによって身元が完全に確認でき、その中には彼の亡くなった二人の妻も含まれました。シュライバーの研究を主題として、以前は懐疑的だったラジオ・ルクセンブルクのライナー・ホルベがテレビドキュメンタリーと本を作っています。

 同じく1980年代に心霊研究者達は、さまざまな人が他界した家族や友人達から電話を受け取っているという主張をしているのに気付き出しました。通話は通常短いものであって、標準的な監視装置では発信源の特定はできません。スコット・ロゴがこれらの現象に関して「Telephone calls from the Dead(死者からの電話)-1979」という古典的な本を書いています。

 1985年から88年にかけて、ルクセンブルクのジュール&マギー・ハーシュ=フィッシュバッハ夫妻が、他界の存在の助けを借りて、それまでのどのEVP機器よりもいっそう信頼性が高く、再現が可能な電子システムを二つ開発しています。1987年に夫妻は、他界の存在に技術的な質問を提出し、慎重に評価された答えを高速なプリントアウトで得るという、コンピュータによる交信を確立しました。同じく1987年に、彼らは品質の良い一連のテレビ画像を得ています。

 1993年になると、他界の研究チームは今や地球のコンピュータのハードディスクにアクセスし、何ページかにわたるテキストや、コンピュータに取り込んだ鮮明な画像を残すことができるようになったのです。コンピュータに取り込まれた画像はビデオの映像に比べてずっと鮮明で、画像が歪んでしまうこともあまりありません。地球側の研究者達は他界の研究者達に直接質問をし、その回答を電話、ラジオ、テレビ、コンピュータ、そして1993年末にはファックスでも受信することができるようになりました。

O:いやはや、夢物語と形容するしかない。私の目の前でその現象を起こしてもらわない限り、こんな話をいくら続けても無駄だよ。

ヴィ:いずれ私と一緒に最先端の研究者を訪ねましょう。

O:それより、方法さえ教えてくれれば私が自分でやってみるよ。これだけ世界各国で起きている現象なら、私がやっても起きるだろう。

ヴィ:確かにEVPのレベルなら教授でも起きるかもしれません。一番簡単なのは、ラジオを何も放送していない周波数に合わせて、マイクに向かって何か質問したらそのマイクをラジオの前にもっていきホワイトノイズを一分間ほど録音します。これを何度か繰り返す方法です。

O:そんな実験で何かが入ったとしても、単なる混信でしかないだろう。

ヴィ:いえ。こちらが発した質問の答になっているかどうかで、EVP声か混信かわかります。また、こうしたホワイトノイズをパソコンの音声ソフトで生み出して録音すれば、混信の可能性を除外できます。しかし、こうした方法でEVPに成功したとしても、ITCまで発展できる人はあまりいません。

O:なんで?

ヴィ:研究者が答えなければならない質問に、「EVP・ITC実験において他の者より品質の良い声を得ることができる者がいるのはなぜなのか」という問いがあります。明らかに、エクトプラズムはすべての超自然的な現象、特に物理霊媒現象 −ポルターガイスト、物質化、アポーツ、空中浮揚など − を出現させるための決定的な要素となっています。

O:エクトプラズムだと。そんなものは存在しない。

ヴィ:O教授、あなたはノーベル賞を受賞したパリ大学の生理学教授シャルル・リシェ博士が命名し、その後たくさんの博士たちによって観察されているエクトプラズムが存在しないとおっしゃるのですか?

O:・・・。

ヴィ:EVPとITCにおいても、エクトプラズムは重要です。我々人間は皆、若干の限られたエクトプラズムを生まれつき持っているので、3、4人程度の小さいグループでEVP実験を行うことによって、一人のときよりもいっそうよい結果を得ている研究者がたくさんいます。けれども最高の結果は、霊媒体質の人 − エクトプラズムを平均よりたくさん持っている人 − が出席しているときに得られます。このことはコンスタンティン・ラウディヴ、ドイツのE・センコウスキ教授、アメリカの発明家ジョージ・ミーク、ルクセンブルクのITCグループと交信している知的存在によって述べられています。

 ある種の電磁エナジーが、EVPの実験に必要不可欠であることは、常に認識されてきました。しかし、他界から来る波動を収束して声として現すことができるのは、エクトプラズムと電磁エナジーの組み合わせなのです。マーキュリーは、実験者達が1963年から、8〜10cm間隔で置いた3個の12ボルトの変圧器 − 携帯用のラジオやウォークマンなどのために家庭の電圧をより低い電圧に変えるもの − のスイッチを入れることによって、より良い結果を得てきたと主張しています。これらの変圧器は非常に静かな低いうなり音を作り出し、エクトプラズムと一緒に作用することができる、弱く穏やかな電磁エナジーの場を生み出します。

 死後の世界と連絡を取るときにエクトプラズムと電磁エナジーが必要なのは当然である一方、もう1つの非常に重要な要素は、実験者通しの調和と前向きな態度であるように思われます。悲観的でむなしい結果を考えてしまう実験者は否定的なエナジーを出し、コミュニケーションの成功を劇的に邪魔してしまいます。この「実験者効果」は、研究室において霊媒を、電子装置を用いてテストしたときに発見されました。このため、通信がテレビや電話を通じて行われると言っても、受信の明瞭さはコンタクトフィールド、つまり通信を受ける側の思考によって変わって来るのです。マギーとジュールは、ある時公開した大規模な会合において、ITCについて否定的な思考を抱いているグループがいると、その否定的な振動はアストラル界から送られて来る振動に重大な影響を与えてしまうことを発見しました。

O:言いたいことはそれだけ? ヴィクター、君ね。君のやっていることは科学の真似事だよ。エクトプラズムと電磁エナジーが必要だ? だったらそれを式で示してみてよ。

ヴィ:それをやるのが、あなた方、物理学者の仕事でしょう。

O:少なくとも私はそんなものと付き合って時間を潰す気はないね。それでなくてもやることはいくらでもあるんだから。

ヴィ:この現象を理論立て、数式化する試みは各地でされていますが、そのような資料があったら見ていただけますか。

O:ああ、いいよ。

ヴィ:すばらしい。世の中の心を閉ざした懐疑主義者たちがせめてあなたくらいは心を開いていれば・・・。

O:その言葉は聞きずてならないな。私は心を開いた懐疑主義者のつもりだが。

ヴィ:はいはい。

弁護士の論じる死後の世界


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