2.心霊研究をしてきた尊敬すべき科学者達

ヴィクター:1900年代初頭のイギリスでは、巷で流行っているいかがわしい心霊現象を科学の目で暴いてやろうと、たくさんの学者たちが心霊研究に目を向けていました。そして実際にまじめに研究した人たちは皆、死後存続を認めるコメントを残しています。ダブリン王立大学の物理学教授ウィリアム・バーレットはこう言っています;

「私はかつて地球に住んでいた人たちが我々と交信することができ、実際にそうしているという事実を完璧に確信している。積もりに積もった膨大な資料の力強い訴えかけを、こういったことを経験したことのない人々に適切に伝えることは不可能に近い。」


 次は世界的に有名なイギリスの物理学者、オリバー・ロッジ卿の言葉です;

「我々は確かに存続し続ける。向こうから交信することは可能だ。私は交信してくる者たちが、その主張する通りの人物であることを証明してきた。結論として、死後生存は科学的調査によって厳密に証明されたといえる。」


 ロッジ卿にもまして有名な物理学者ウィリアム・クルックス卿もこう言っています;

「この世界ともうひとつの世界とを結ぶかけ橋が生まれたのは、確かに真実なのだ。」


 肯定的なコメントを残した学者はイギリスだけに限りません。アメリカのコロンビア大学で論理学と倫理学を教えたハイスロップ教授は、著名な霊媒パイパー夫人についてこう語っています;

「私は(死んだ)父親、兄弟、叔父等と話を交わしてきた…。パイパー夫人に現れる第2の人格の原因をどんな超常的な力に求めようと、この第2の人格がどうすればこれ程までに完璧に私の亡き親類たちの性格を再構成することができるのか、私に信じさせることは難しいだろう。」


 こういった学者たちは皆、心を開いた懐疑論者として調査を始め、徹底的な調査の後でついに死後の世界を受け入れたのです。19世紀後半から今日に至るまで、卓越し尊敬を集めている − 多くは科学史上でその名前を輝かせている − 一連の科学者達が、生命の不滅性は自然な物理現象で、その研究は物理学の一分野であることを証明するために働いてきました。

O教授:ほー、あのクルックス管を発明し、タリウムを発見した有名なクルックスがそんないい加減なことを言っていたのか。まったく人間はわからんな・・・。

ヴィ:伝統的な先駆者の一人として、1688年スウェーデン生まれのエマヌエル・スウェーデンボルグを紹介します。時代に先立つ科学者として、彼は17種類の科学のために150冊の本を著しました。ウプサラ大学で彼はギリシャ語、ラテン語、いくつかの東西の言語、地質学、冶金学、天文学、数学、経済学を学びました。彼の研究はとても実用的で、飛行機械、潜水艦、そして耳が聞こえない人のためにらっぱ形補聴器などを発明しています。周りの尊敬を非常に集め、下院議員であると共に、王立鉱業大学の顧問に任ぜられた彼は、常に途方もなく高い知性を示し、死ぬまで厳しく実践的な心構えを維持しました。

 スウェーデンボルグはまた、とても恵まれた透視能力者として他次元を20年以上調査し続けた人でもあります。彼は、死んだ人達と定期的に話をしていたと主張しています。きちんとした資料が残っている例として、スウェーデン王妃が彼に皮肉混じりで、もし彼女の亡くなった兄と会ったならよろしく伝えてくれ、と言った話があります。1週間後、スウェーデンボルグは王妃の耳元であることをささやきました。王妃は震えながら周りの者にこう言ったそうです;

「彼が今私に告げたことは、兄だけしか知らないはずです」


 スウェーデンボルグには、今日なら体外離脱体験と呼ばれる、彼自身の経験を現した数冊の著作があり、その中では死後の世界についてかなり詳しい描写が述べられています。興味深い事に彼は、20世紀の量子物理学に驚くほど似通った宇宙観を示しています。ニュートンが物質は外部の力によって動かされる検知不可能な根本粒子で構成されていると論じていたとき、 スウェーデンボルグは物質が一連のだんだん大きくなる粒子の組でできていて、それぞれの粒子は連鎖的に変動するエナジーの閉じた渦動で構成され、その渦が果てしないスピードで回転しているために物質として見えるのだと教えていました。

 彼の超常的能力・経験について、偉大な合理主義者、哲学者であるエマヌエル・カントが調査しています。カントは心を開いた懐疑論者で、スウェーデンボルグによって示された他界の証拠は、全体として圧倒的なものだと感じ、こう述べています;

「いくつか疑わしいものがあるが、すべてを考え合わせるとやはりそれなりに信じざるを得ない。」


O:スウェーデンボルグは確かに偉大だ。彼が言った「宇宙は基本的に四つの力でできている」という言葉は、物理学をやっているものなら戦慄を覚えてしまうほどするどい言葉だ。しかし、しかしだ。それと、彼の作った夢物語とは別物だよ。

ヴィ:夢物語?! 何を根拠に!

O:だって300年以上前のことでしょ。しかも今と違って神とか悪魔が一般に信じられていたその時代の話だ。

ヴィ:同じ人が書いた科学的な書物は認めるのですか?

O:そりゃそうだよ。その内容は後々の科学でどんどん検証されているんだから。

ヴィ:O教授、あなたの後ろに心を閉じた懐疑主義者の影が見えますよ。

O:君、私は心を閉じているのではなく、常識を唱えているだけだよ。

ヴィ:まあ、いいでしょう。話を続けます。

 イギリスのサイキック調査協会(Society for Psychical Research:SPR)の創設者の一人であるウィリアム・クルックス卿は、英国学士院−学者仲間によって選出された最も学識がある科学者達による非常に名声のある協会−の特別会員で、後には総長を務めています。彼はタリウムを含めて6つの化学元素を発見し、大勢の人からその時代の最も偉大な科学者とみなされていました。クルックスは霊媒ダニエル・ダングラス・ホームが引き起こすとされていた空中浮遊現象について広範囲に調査しました。彼の調査記録の中には決定的な写真類が含まれ、写真を撮った状況の信頼性と共に、詐欺やトリックなどの可能性は全くあり得ないことが、当時の一流の科学者達によって検証されています。クルックスは最終的に、彼の亡き妻の驚くほど完全な物質化を何度も経験し、死後の世界の現実性を確信させられました。彼のような経路をたどった科学者として、バルフォア侯、ウィリアム ・バレット卿、 オリバー・ロッジ卿、ローリー侯、電子を発見したJ.J.トンプソン、チャールズ・ダーウィンと同時期に同様な進化論を唱えたアルフレッド・ラッセル・ウォレスの名が挙げられます。

O:この前、名前を聞いてからクルックスのことをちょっと調べてみたが、何か実体化したとかいう女の人と一緒に写っている写真がインターネットにあったな。でもあんなのはトリックに決まってるだろ。それを鵜呑みにしている君が情けないよ。

ヴィ:いや。私はそれをよく調べもせずにトリックと言いきってしまう教授が情けないですよ!

フローレンス・クック(左下)と物質化しつつあるケティ・キング。クルックスがマグネシウムのフラッシュライトで写したもの ケティ・キングの全身物質化。


 蓄音機と電球を発明したアメリカ人、トーマス・アルバ・エジソンはスピリチュアリストで、「死者」と機械を用いて交信する実験をしていました。テレビ開発の先駆者で赤外線カメラの発明者でもあるジョン・ロージー・ベアードが、霊媒を通じて「亡き」トーマス・A・エジソンとコンタクトしたと述べています。彼はこう言っています;

「私はトリックなど全く考えられない状況の下で、実に驚くべき現象を目撃したのだった。」


O:ヴィクター、話の腰を折って悪いが、そのスピリチュアリストっていうのは何だね?

ヴィ:死後も個性は存続する、死者と生者の交信は可能だ、この二点を認める主義をスピリチュアリズム、それを信奉する人をスピリチュアリストと呼びます。

O:はー、エジソンがねー。あれくらい頭がいいと変な宗教に凝り出すんだ。

ヴィ:変なことではありません。じゃあ、こんなのはどうです。20世紀の研究者として、医者でありカナダ議会の一員でもあったグレン・ハミルトン博士がいます。厳密に管理された条件の実験室において、彼は14個の電気的に制御された一連のフラッシュカメラを用いて、あらゆる角度から同時に幻像の写真を撮影しました。

O:幻像?

ヴィ:幻の像。いわゆる幽霊と呼ばれたりするものです。実験には4人の医学博士、2人の弁護士、電気技師と土木技師がそれぞれオブザーバーとして出席していました。彼らは皆、力強く明確に「何度も何度も亡くなった人々が物質化するのを見た」と述べています。

O:世の中、変な人が多いね。催眠術にでもかかっていたんじゃないの。

ヴィ:催眠術で写真が写りますか。

O:じゃあ実験の首謀者が、みんなにホログラフを見せたんだろう。

ヴィ:そう来ると思いましたよ。でも実験室で幻像の写真を撮ったのは彼だけではありません。ヨーロッパでは1900年代初頭から1920年代にかけて、フォン・シュレンク=ノッチング男爵、シャルル・リシェ教授、ユージーン・オスティ教授、ギュスターブ・ジュレー教授その他の科学者達が、管理された実験室で同じように写真を撮っています。彼らの報告書には、トリックや詐欺の要因はすべて調べあげて、その可能性は完全に除外したことが書かれています。

O:そんなこといっても、手品師の考えることってものすごいよ。トリックや詐欺の要因はすべて調べあげたなんてのはなかなか信用できないな。例えば、こんなマジックがある。

 ESPカードという色々な絵柄が書いてある6種類のカードがある。その6種類の絵柄が小さく書いてある細長い紙をまず封筒に入れる。封筒には何本か線が入っていて、そこで切るとどれかの絵柄が真っ二つになるようにできている。そしてここからが重要だ。マジシャンはその封筒を観客Aに渡し、その隣の人Bにハサミを手渡した。それからESPカードの一枚を選び、また別な観客Cに渡した。Cの持ったカードは波の絵柄だったが、この時点でこれを見た人はマジシャンとCしかいない。Cはそのカードを他の観客に見せないようにして持っている。次にAの人が細長い封筒を手に持ち、Bに任意の場所で切ってもらう。最後に観客Dがそれを封筒から出すと、なんと、Cの持っているのと同じ波の絵柄で切れているんだよ。君ならこれを、マジシャンが超能力でBの心理を操作して、波の絵柄で切らせたと言うんだろう。

ヴィ:うーん。

O:マジックには、黙ってやったら超能力と間違われそうなものが結構ある。そして、その手のマジックを何度も「これはマジックだ」と断って実演しても、観客の何人かは絶対に超能力でしかあり得ないと抵抗するんだ。例えばこんなのもある。

 マジシャンが箱に入ったトランプを持つ。そして観客の一人に好きなカードを言ってもらう。それがハートのAだったとしよう。そこでマジシャンは、先程から見せている箱からゆっくりトランプを引き出し、それを広げる。すると一枚だけ裏がえっているカードがある。そしてそれを取り出すと、これがハートのAなんだよ。こんなトリックが仕掛けられたら見破れるか。

ヴィ:すぐにはわかりませんが、だいたい予想はつきます。

 しかし、超心理学の厳密さとこの手のマジックを一緒にしないでください。心霊研究の一部は超心理学に引き継がれていますが、この超心理学の実験の厳密さはすごいですよ。今回のマジックの場合、いくらでもトリックの余地があります。もしこれが超心理学の実験なら、ESPカードとトランプは実験者側が用意します。また協力者たちも実験者側で選んだ、素性のはっきりした人ばかりです。この状況で上のようなトリックを仕掛けられるマジシャンがいたらお会いしたいものです。

O:そうは言っても、あるマジシャンは主催者側で買ってきたスプーンを曲げたりねじったりしてたぞ。客が渡したコインにタバコを通していたし。

ヴィ:その程度のマジックで驚いていたら、心霊現象の真贋など見分けられません。

 最も偉大な精神科医ジークムント・フロイトは死の瞬間に、もしもう一度生きられるなら超心理学を勉強するだろうと言いました。国際的に著名で強烈な影響力を持った精神科医カール・ユング博士は、超心理現象を一番よく説明できるのは、霊魂仮説だと認めています。

 死後存続の科学的研究を率先している人たちは非常に聡明です。医学界においても、一部の明敏な博士たちが懐疑論者としてこの分野の調査を始めてきました。医学博士であるエリザベス・キューブラー=ロス博士は、彼女が関わっていた協会で何千という臨終の患者と出会った結果、死後の世界の実在を確信し、死におもむく人々がどう扱われるべきかについて世界的な影響を与えてきました。彼女はこう言っています;

「その時まで私は死後の世界など全く信じていませんでしたが、これらのデータは偶然の一致あるいは幻覚で片づけられるものではないと確信したのです。」


 彼女は死後の世界に焦点を当てた本を4冊、確信に満ちて書いています。

 メルヴィン・モース博士(小児科医、死に逝く子供たちに関する世界有数の権威)は、かつての彼を「スピリチュアルな事すべてに対する感情的な偏見」を持つ「尊大で批判的な医者」と表現し、臨終の子供たちの科学的見地に基づいた研究、文献の広範な研究を通して「我々と宇宙とを結びつける叡知に満ちた『何か』が存在する」という「逃れられない結論」に達したと述べています。彼はこう書き記しています;

「私は医学文献を再検討するとき、それらの文献が、人間の意識のある局面が死を越えて生き延びることについての直接的な証拠を指し示していると思う。他の研究者も私に賛同している。例えば、ミハエル・シュロター=クンハルツ医師は科学的な文献の包括的な批評を行い、そして臨終の人々の超自然的な能力は、時空を越えた不滅の魂の存在を示唆すると結論した。他の研究者もやはり同じ結論に達していたのだ。自身の事例研究、もしくは他の事例の再検討を通して、科学的なコミュニティーにおいて人間の霊魂を信じる気運が育っているのだ。」


 世界中で一連の科学者、数学者、大学教授達が、いわゆる心霊現象に対してひとつの科学的な説明と成り得る、素粒子論や数学理論を世間に知らせようとしています。今日の近代物理学は、原子は99.99999%空っぽな空間で、電子と原子核の距離は地球と太陽くらい離れていると教えています。そして電子・陽子・中性子(原子を構成する素粒子)でさえも、現在は物質と言うよりはどちらかと言えばエナジーであると思われているのです。エジンバラ大学の天体物理学者マイケル・スコットはこう論じています;

「量子物理学の進歩は、パラレルワールドが現実に存在する可能性を認める説明を生み出した。実際の物質で構成されていても、その世界の物体は我々の宇宙の物体とは相互作用しないだろう。」


 フレッド・アラン・ウルフ教授はこれらの理論に同意しています。彼は「スピリチュアルな世界:量子物理学はどのように魂の存在を証明するか」を書き現し、こう述べています;

「途方もなく聞こえると思うが、量子力学と呼ばれる新しい物理学は、世界が並んでいて、もうひとつの世界、並行した宇宙、我々の宇宙のコピーでありながらどこか違う世界が存在することを否定しない。しかも2つの並行宇宙だけではなく、3、4あるいはさらに多くさえ…!これらの宇宙のそれぞれに、あなた、私と今までに生きてきた人々、現在生きている人々、これから生きる、または生きるであろうすべての人々が存在しているのだ!」


O:ばか言ってるんじゃないよ。パラレルワールドを認める他世界解釈という理論は確かにあるけど、そんなのはまともに扱われていないよ。

ヴィ:学会でまともに扱われていないかどうかは問題ではありません。O教授、あなたはどう思うのですか?

O:量子力学のミクロの現実をマクロの世界まで拡張して考えるなんて、突拍子もない理論だな。

ヴィ:突拍子もない。だから何なのですか。いくら突飛なことに思えても、それが筋道だっている限りはとりあえず受け入れて考える、これが心を開いた懐疑主義者というものです。

O:うーむ…。でもそんないいかげんなことに付き合って時間をつぶしていたら、科学は進歩せんぞ。

ヴィ:それでも成り立つのが真の科学です。死後の世界が存在するという多くの科学者からの証拠は圧倒的です。けれども前に述べたように、死後の世界が存在しないことを証明した科学者は「一人」もいないのです!

弁護士の論じる死後の世界


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