ITC現象は本物か?

 まずは最も単純なテープの例から見ていきましょう。テープによるコンタクト(EVP)は1960年代から行われていますが、1971,2年にいくつかの厳密な実験が行われています。1969年にドイツで出版された、ラウディヴの「聞こえないものが聞こえる」という本にイギリスの出版社が注目しましたが、これを聞いた当時のイギリスの副首相は、電気音声現象などあるはずがないと断定し、英語訳の出版に警告を出すという事態にまで発展しました。このときに行われた実験の様子です。


 1972年にイギリスの会社「ベリング&リー(Belling and Lee)」が、ラジオ電波を遮断できる実験室を利用して、ラウディヴと共にいくつかの実験をすることにしました。科学者の何人かは、テープに録音される声はハム無線機の電波が電離層に反射されたものだと考えていたのです。実験の指揮をとったピーター・ヘイル(Peter Hale)は、物理学者で電気技師でもあります。ヘイルはイギリスでも有数のノイズ対策の権威で、西洋で五本の指に入る音響技師として知られていました。ベリング&リーはイギリス政府からノイズ除去のための機械のテストを任されている会社です。そこで起こったことは音響技師達を困惑させました。ここでもまた超常的な声が、工場から出荷されたばかりのテープに録音されたのです。ヘイルはこう言っています:

完全に外部からの電気的影響を遮断した、この我々の実験室で起こったことは、通常の物理学では説明できない。

"Conversations Beyond the Light"より


 次は電話です。霊から電話がかかってくるということになれば、誰でもその電話の発信源はどうなっているのかと考えるでしょう。ヨーロッパではかかってくる電話の発信源を突き止めてもらうサービスが一般的に利用可能です。
 1996年1月11日、個人でITC研究をしているアドルフ・ホームズ(Adolf Homes)が、むこう二ヵ月の間にかかってくるすべての電話をモニタして発信源を突き止めてもらうようにドイツの電話会社「Deutsche Telekom」に頼みました。発信源のモニタサービスが整ってから、ホームズは超常的な電話を、1月15日/1月30日/2月15日/日付記録のない日の4回にわたって受け取りました。1月15日午後3時35分の電話は女性の声でこう言っています:

母です。親愛なるJuenken*1センコウスキ(Senkowski)*2デラヴレ(Delavre)*3の情報は、おまえの電話コンタクトの信頼性を証明するのを助けてくれます。今回のモニタサービスの結果は、おまえの友人達を納得させるでしょう。これから何度か電話します。おまえも知っているとおり、私の思考はそちらの会話パターンとは違う形で送られて、その振動がそちらの電話とうまく結び付いたときにコンタクトが可能になります。私たちは皆、おまえを愛しています。コンタクトを終わります。


 ホームズとその家族はモニタされている電話で受けた通話は、この4件以外には一切なかったと報告しています。3月14日付の電話会社のレポートは、ホームズの供述を裏付けています。

Deutsche Telekom

受注:1995年12月13日
番号:PKV 1-5 Thomas Binz
件名:端末065087511への電話発信源について

ホームズ様

1996年1月11日から3月11日までの電話モニタサービスが終了しました。ご利用期間中にかかってきた電話はございません。本サービスの料金として127DMが次の請求に加算されます。またの御利用をお待ちしております。Thomas Binz

"Contact!" 96/02より


 次はテレビの例をみてみます。1988年8月26日にスイスの超心理学者テオ・ロシャー(Theo Locher)は、ITC現象をよく知るためにルクセンブルクに行きました。当日、マギー・ハーシュは「午後8時頃に博士のいる前でコンタクトを試みる」という電話を霊から受け取りました。

私はハーシュ夫妻と一緒に実験室に入り、小さな白黒テレビの画面が決して明るくならず、テレビ自体が違う周波数にチューニングできなくなっているのを確認しました。テレビのモニタとスピーカーはもはや機能しないものでした。一応コンセントには繋がっていましたが、アンテナも付いていません。 午後8時22分にモニタが明るくなり、約2分40秒の間、木がたくさんある風景が写りました。その画像と一緒に甲高い金属的な、あのテクニシャンの声がテレビのスピーカーから聞こえてきたのです。彼が今までのITCコンタクトの三つの段階について述べ終わると、ラウディヴが最後に皆に挨拶をしてコンタクトが終わりました。

テオ・ロシャー博士は二つの点からこのコンタクトは間違いなく本物であったと確信しています。

  1. テクニシャンとラウディヴがテオ・ロシャー博士の名前を呼んだ
  2. 壊れたテレビセットが機能した

"Breakthroughs"より


 次に知られている中では一番始めのコンピュータコンタクトの例を見てみます。1980年の12月10日、マンフレッド・ボーデン(Manfred Boden)はユルゲン(Juergen W.)と一緒に彼のコモドールCBM 8032を操作していました。バイオリズムのプログラムをモニタに表示していた二人の目の前で、テキストが最初は一文字ずつ、そして一行ずつ変わっていったのです。これを境に何度かのコンピュータコンタクトを受けたボーデンは、後にユルゲンに一連の質問の手紙を書いています。その一部を紹介します。

"Breakthroughs"より

 この中のいくつかは今なら可能ですが、1980年という時代のコンピュータを考えてください。


 この他にも、現在の科学では説明できないことが確かに起こっているという証拠はたくさんあります。キリスト教の総本山バチカンもITCを前から知っていて、自らチームを組織して研究にあたっています。またGAITという科学的な証明を第一に考える世界グループも発足し、頭の固い懐疑的な科学者でも説得できるだけの証拠を示そうと動き出しています。となると次に問題になるのは、これらの現象はどのようにして形作られるのかということです。コンタクトの相手として考えられるのは次の3つでしょう。

  1. 現代科学の常識を超えた機器を駆使する人間
  2. サイキックな能力を持った人間
  3. 実験者達の無意識のサイキック能力が架空の相手を作り出している

 また以下の可能性ももちろん考えられます。

 この中のどれかだと証明することは現状ではできません。しかし、コンタクトの相手が言っている事柄から判断して、最も無理のない説明としては霊達がその相手だと考えるのが一番妥当でしょう。ルクセンブルクの第一線の研究者であるマギー・ハーシュ=フィッシュバッハ(Maggy Harsh-Fischbach)はこう言っています:

機械を通してコンタクトしてきた存在は、自分達が死んで霊界に入ったと言っています。私達はこれを、誰かがそうでないと証明できない限り受け入れます。今まで誰も、この現象を説明する他の有効な説を提示しませんでした。反対意見は主に、恐れと挫折、無視、嫉妬の結果としてでてきています。両次元間のコンタクトはどんどん強固になっていますので、ごまかしとペテンに満ちた反対意見は、だんだんと弱くなっています。

"When Dimensions Cross"より


<訳注>

*1若者や息子を呼ぶときの愛称が訛ったもの -戻る-
*2エルンスト・センコウスキは、ドイツのマインツにある「心理生物理学協会(Association for Psychobiophysics)」の物理学者で、ホームスのこの4件の録音テープの分析と分類をしました。 -戻る-
*3センコウスキと一緒にITCに関するニュースレター"Transkommunikation"を出している学者 -戻る-
*4Conversations Beyond the Light P3 -戻る-


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