「フリーエネルギー[研究序説]」

著者:多湖敬彦
出版社:徳間書店
価格:1600円

 もしあなたが永久機関を作ることに成功し(たと思いこみ?)、それを特許庁に申請したとします。特許庁のお役人さんは「永久機関」の文字を見ただけで、それを審査対象から外すでしょう。しかしその機械を「未知のエネルギーの利用に成功し、見かけ上は入力がなくても動くように見える機械」と説明すれば、彼らも審査もせずに却下するということはないはずです。
 空間の至る所に未知のエネルギーが満ちている、という考えにはとても長い歴史があります。そのエネルギーは、プラーナ・オドの力・動物磁気・ムミア・気・宇宙エネルギー・波動エネルギーなどと様々な呼び方をされていました。そしてこのエネルギーは現在、研究家達によって「フリーエネルギー」という新しい名前が与えられ、本格的な研究対象となり、公式の学会でも1セッションとして取り上げられるようになってきました。
 この本では、この未知のエネルギーの研究に取り組み、その利用に成功したのではないかと思われる過去の研究者達の歴史を紹介し、また近年の研究の現状についても報告しています。著者はあくまで公平な立場を貫き、判断は読者に任せるという書き方でこの本をまとめています。
 異能の天才として、またテスラコイルの発明者として名高いニコラ・テスラは、「空間はエネルギーに満ちている」という確信を死ぬまで持ち続けていました。実際にフリーエネルギーによる自動車を完成していたという証言も残っています。そしてこのテスラに影響を受け、フリーエネルギーで電球をつける装置を作った人もいれば、装置を点けるとモノが飛び火を噴いたり、金属が透明になったり化学組成が変化したりと、全くコントロール不可能な種々の現象を引き起こす危ない装置を作った人もいます。その他にも、なかなか驚くべき内容に満ちた本だと言えます。


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