その伍(マキ凛花の巻/歌)

湯淺隆

 マキ凛花さんは、大阪・扇町「♭フラミンゴ」店主にしてミュージシャンの渡辺さんの紹介で、最近知り合ったJ-Pop(ビクター)の新人。

 父上が裕次郎の大ファンで、かつて深夜帯のTV放送枠を自身で買い取り「裕次郎に乾杯」なる番組に自ら出演していたとなれば、まさにその血脈か、若いにもかかわらず不思議とノスタルジックで繊細な声を出す。J-Popの良心とでも言いたくなるような世代を超えた唄が歌える逸材だ。

 CDは「マネチカ」「シネマチカ」がある。間もなくカバーものも発売される。内容は「CD」が単なる録音物ではなく、ものづくりの作品であることを、よく理解し表現できている。きっと聡明なお嬢さんなのだろう。現在、ベネッセのTVCMでその歌声が聴ける。(Happy birthday)

 「FADO」は初挑戦だが、英語・ロシア語が堪能故、初めてのポル語にもよく反応している。何よりミュージシャン・シップとしての礼節にたけ、表現を自己反省的に錬りあげてゆく眼差しがある。こういう人は、伸びる。

 さて、特上別格の新人も快く参加してくれた。あとは、中身だ。


その六(マリオネットの巻/コピー)