6年目の春到来!
ヤマニンアビリティ、能力全開!

 「いやー、乙川さん。良かったですねー。GU勝ちなら文句なくタイトルを飾れますよ。ホント久しぶりじゃないですか。」「久しぶりもなにも初めてだ。」というのが編集子と乙川の会話でした。今から5年半前にこのリッチマン・プアマンが創刊されて以来、第1期のメンバーは当然全て「見出し」を飾ったと思っていたのですが、まだ残っていたんですねー。

 ともかく2戦目の新馬をぎりぎり勝ちあがって臨んだ京成杯3歳S。それでも血統を買われて、4番人気という支持を集めた乙川ヤマニンアビリティ。正直いきなりのGUでは荷が重いかと思われましたが、直線驚くべき底力を発揮。ヒシアマゾンをハナ差振り切って重賞制覇をなしとげました。兄ヤマニンミラクルに続いてクラシックへ名乗りを挙げ、兄の無念を晴らしてほしいものです。朝日杯は見送り、春からスタートするそうですが、本当に楽しみです。

 ヤマニンアビリティの朝日杯回避により、一躍3歳チャンピオンの有力候補に浮上してきたのが広瀬拓ナリタブライアンです。広瀬拓にはなぜかゆかりの深い福島きんもくせい特別を圧勝後、デイリー杯では直線前が詰まって3着でしたが、昨年ここをステップにエルウェーウィンが3歳チャンピオンになったゲンの良いレース京都3歳Sでは、他馬を全く問題にせず1800mを1分47秒8の驚異のレコード勝ち。勝つ時はいつも完璧な勝利で、兄ビワハヤヒデは堅実でいつも自分の能力を出し切るタイプでしたが、こちらは爆発力で勝負するようなタイプになりそうです。正直なところヤマニンアビリティよりも高いアビリティ(天性の能力)を感じさせます。あとは底力を要求される(京成杯3歳Sのような)苦しい勝負でどれだけ最後の力を振り絞ることができるかが、超一流となれるかどうかの分かれ目でしょう。

 さてディフェンディングチャンプ西山兄はシスターソノが復帰。無理はさせたくないという判断からか、阪神3歳牝馬Sのステップにダートの特別を選びました。ここは期待通り圧勝、明後日のGTに牝馬チャンピオンの座とメローフルーツへの挑戦権を賭けます。

 田中はラガータイトルが未勝利勝ち、ネオタイクーンも特別2着と昨年同様のしぶとさを見せています。

 広瀬拓はサクラエイコウオーも好調。京成杯は5着でしたが、赤松賞は正攻法の逃げの手で大楽勝。朝日杯へは2頭だしで臨みそうです。ただまだ中山の小回りには気性面で一抹の不安もあります。現時点で馬主順位は乙川を抑えてトップです。

 工藤エアフリーダムが未勝利勝ち。能力的にはまだ凄いと言えるものは見せていませんが、岡部が大事に乗っているという感あり。

 浅井ノーザンプリンセスは新馬楽勝。タイムは驚くほどのものではありませんでしたが、レースぶりからは大化けするような気がしてなりません。

 宮崎夫エアダブリンはマスコミでも話題になったデビューでしたが、まことにあっさりとギブアップして5着。2戦目にはきっちりタイムを3秒つめて勝ったあたり大物感はただよわせていますが、こんなもんで終わる可能性も半々といったところでしょうか。阪神のエリカ賞を予定。

 キッズ姫トニーザプリンスは珍しい(どれくらい珍しいかは不明)ことにデビュー戦から4連続2着。テレビを見ていて編集子は「また2着!」と思わず声を出してしまいましたが、直後にアナウンサーも同じセリフを絶叫したので大笑いでした。

 藤原弟ナリタリューオーが新馬勝ち。勝ちっぷりもなかなかでしたが、特別で休み明けのシスターソノにあっさり負けているのがちょっと寂しいかな。堅実駆けイブキネックレスが6戦目で未勝利勝ち。

 比留田カシノディグニティが復帰。狙い定めたはずの抽選馬特別は惨敗でした。良血メジロアサギリがデビュー。人気が意外と無く万馬券の片棒をかつぎました。余談ですが、最近絶好調の萩原はこんな馬券まで取ってしまった。比留田さん取った?

 飯田弟メルシーステージが荻Sで2着。速いタイムにも対応できるところを見せました。しかし、その後ダートのもちの木賞を使うというローテーションは個人的には疑問です。騎手もずーっと河北だし、期待されてないのかしら。

 井上男タイウインザーが2戦目の新馬勝ち。その後使ってないのが気がかりです。

 金光タケノキャプテンは良血らしいセンスの良いレースぶりで新馬勝ち。エアダブリンをあっさり切って捨てました。鞍上はダービージョッキー柴田政人。ナリタシルバーは兄とは違って順調にレースを使い込んでいます。タイムも常に良く2勝目は間近でしょう。

 小林ドラゴンゼアーが復帰。府中3歳Sではコンマ1秒差の3着。広いコースで気楽に追い込むという競馬が向いているようです。サクラスーパーオーが未勝利を好タイムで勝った後、勢いに乗って、いちょうSでも2着。この馬も追い込みの方が向いているような気がします。

 萩原ランドエプロスが新馬勝ち。赤松賞でも見せ場十分の3着。エプロスとはどんな馬か知らないので距離延びてどうかなどとは言わないでおきます。

 さてざっと皆様の愛馬の近況をひとまくりしてきましたが、現時点ではYアビリティとナリタブライアンが抜け出した感じです。それを追う休養中のエクセレンスロビン。特別勝ちのサクラエイコウオー。ドラゴンゼアー、ナリタシルバーのキャリア組というところでしょうか。マックスワイザーはちょっと馬が若いようです。期待と不安が半々という意味で、タケノキャプテン、エアダブリン(今日阪神の2000m特別を勝ったらしい)を挙げておきましょう。牝馬ではシスターソノが一歩リード。休養してるミストラルアゲンと成長力のありそうなノーザンプリンセスに期待でしょうか。

 ところで最近来年の競馬番組が発表されてダート路線の整備とか、土曜重賞を増やすとか、スプリンターズSの開放とかなかなか良い改革ではないかと思うのですが、ひとつ「なんてアホなことを」と思うのが、青葉賞、チューリップ賞の重賞格上げです。そもそもこれらのレースは賞金不足で本番に出られない素質馬のピックアップが目的だったはず。それを重賞に格上げして賞金増やしてどうするの?そんなことしたら既に権利を持っている馬とか、賞金目当てに本番は無視して挑戦してくる馬とかいっぱい出てきちゃうでしょ。現に今年ベガはチューリップ賞を抽選で除外になる可能性があったんだよ。トライアルというものはあくまでも本番に出る馬を選別するためのもので、極論すれば賞金ゼロでも良いのではないですか。このままではトライアルにでるためのトライアルをやらなきゃいけんくなってしまいます。こういう改革を見ると官僚的発想というのは何かが見えてくるよね。

 ではまた来月。


 

 さて、今年の特別企画を発表しまーす。久々の「有馬記念もの」。

 「有馬記念ペンタコンテスト」

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