山中湖の近況報告16      更新日: 2003年05月31日
*** DELETE PICTURES (2010.09.01) ***

                                                  To Previous Page
                                                To Next Page

☆  春の移り変りは速い: 2003年05月24-25日 

梅雨のような空模様からようやく日が差し、今週は比較的暖かい週末でした。24日は、幻の滝を求めて須走5合目に行ってみました。JR東海が団体ツアーを組んでいるようで、大型バスが3台ほど入っており、100人以上が行列を作って歩いているのには驚きました。もう興ざめでした。今年は雪が多く、滝筋は雪渓で覆われており、本格的な滝は見られませんでしたが、50mくらい上流で、11時頃から雪解け水が流れ始め、何とか「幻の滝」を見るという目的は達成できました。
*「幻の滝」とは、富士山の中腹で、季節限定で見ることの出きる滝のことをいいます。6月頃になると富士山の中腹の雪もなくなり始めますが、ちょうどその季節、日が高くなると、上の雪渓が融けはじめて、次第に水流を増し、沢を作り、一部に落差数メートルの大きな滝が見られるようになります。ところが、この滝は夕方気温が下がり、冷えこみはじめると、上の雪渓からの水が止まり、沢に水が流れなくなり、したがって滝も消えてしまいます。このため、滝が季節限定で、それも気温に左右されて現れるので、「幻の滝」と呼ばれています。なお、「幻の滝」は、須走だけではなく、河口湖5合目から大沢崩れへ向かうお中道方面でも見られます。
25日は、三国山に登り、大洞山までの尾根道を歩いてみました。ここはブナの林になっており、新緑が目にしみるようで、とってもリラックスした気分で散策できました。林床には、ツルシロカネソウ、ヘビイチゴがたくさん咲いていました.。ツクバネソウ、ユキザサ、ヤマシャクヤク、テンナンショウなども見つけることができました。ミツバツツジはほぼ咲き終わったところでした。

幻の滝(中央右) ツルシロカネソウ テンナンショウ ダッチオーブン

24日は、友人と西湖畔で久し振りにキャンプにトライしました。夜はやや冷え込みましたが、焚き火を囲んで、ダッチ・オーブン料理(スペアリブ、鶏の炊き込みご飯)を楽しみました。もうすぐ夏がやってきます。

☆  春の花便り(梨が原): 2003年05月17-18日 

山中湖村は八重ザクラもようやく終り、ズミが白い花をたくさんつけ始めました。来週が見頃でしょう。家の前にはヤマツツジがさわやかに咲きました。これが咲くともうすぐ夏だと感じます。みさきの神社の林では、珍しいヤマウツボが見られました(渡辺さんから教わりました)。

ヤマツツジ(平野) 3分咲きのズミ(みさき) ヤマウツボ(みさき)

富士山麓の梨が原をご存知ですか。「自衛隊」が”専有”している’北富士演習場’内の草原で、山中湖からは富士山の裾野に広がって見える黄色っぽい草原です。今週はこの梨が原を、春の花を求めて歩き回りました(富士山自然学校トレッキング)。
梨が原には富士山の富士吉田から山中湖の斜面には、、桧丸尾、鷹丸尾、雁の穴丸尾、土丸尾、梨が原丸尾などの溶岩流跡があり、風穴や樹形洞穴などがたくさんあるとのことでした。

’北富士演習場’内は時々ドライブをしているので、だいたい地理はわかっていたのですが、夏にヤナギランやユウスゲの群落を見ただけで、草原の中を歩き回ったことはありませんでした。普段はあまり人を見かけない草原には、山菜を採取している人がかなり入り込んでおり、驚きました。そんな草原の中に、たくさんの春の花がひっそりと咲いているのを発見し、大感激してしまいました。
シソ科のカイジンドウは、ちょっとウツボクサに似た、とても珍しい花です。ヒメハギは可憐な花をつけていました。オキナグサは以前から見たいと思っていた花でした。派手なsy型ではありませんが、草原にひっそりと咲く姿にまたまた感激でした。
カイジンドウ ヒメハギ
オキナグサ オカオグルマ フデリンドウ フジハタザオ
オカオグルマも初めての花でした。艶やかな黄色ノ花が目を引きました。フデリンドウの紫の花も草原の中では輝いているようでした。驚いたのは、普通は富士山5合目以上にしか見られないフジハタザオを見つけたときでした。標高1200m付近で咲いているのはちょっと信じられないような感じでした。その他には、センボンヤリ、ワチガイソウ、アマドコロ、ツルシロカネソウ、ヤナギタンポポ、エゾノタチツボスミレ、木本ではレンゲツツジ、ベニウツギ、ドクウツギ、ニガイチゴなども咲いていました。
梨が原の丈夫の森林にも入ってみました。そこはまた、草原とは違った林内、林縁の花がたくさん咲いていました。白いツルシロガネソウがくらい林内でたくさん咲いていました(三国山で未定田のですが、花の名が分からなかった花です)。クルマバツクバネソウの黄色の花が輝いていました。ヤマシャクヤクは艶やかで、いつ見てもうっとりします。
シロバナヘビイチゴ、ルイヨウショウマ、ミヤマセンキュウ、木本では、ウグイスカズラなどが見られました。

レンゲツツジ
ツルシロガネソウ クルマバツクバネソウ ヤマシャクヤク

☆  春の移り変りは速い: 2003年05月10-11日 

今週も春の季節の変化には驚かされました。今回はとても寒く(夜は5℃近くまで下がりました)、先週の暑さがうそのようでした。でも、山中湖の周りの山々はすっかり薄緑色に変り、淡い緑の絨毯で覆われてしまったようです。湖畔にはまだ八重ザクラが咲いています。紫と白のライラックも咲き始めました。ニワトコの白い花も目立ちます。ミズナラ、イヌシデ、オニグルミ、ミズキなどの新葉も出始めました。山ツツジもオレンジ色の花を咲かせ始めました。一気に春がいっぱいになりました。
10日は、探偵団に参加し、スケッチをしました。団長は、細密画の木村修先生です。ムラサキケマンと三国峠から見た山中湖(富士山は雲で見えませんでした)を描いてみましたしました。

三国峠からの山中湖 アマドコロ ホソバノアマナ 忍野を見下ろす

11日は、富士山自然学校のトレッキングに参加し、高座山、杓子山(1,598m)を歩いてきました。もう春が一杯で、るんるん気分の散策でした。いつものように、今回見ることができた花や木を紹介します。
ウワミズザクラ、ツルカノコソウ、チゴユリ、スミレ(8種類)、テンナンショウ、マムシグサ、クサノオウ、オニタビラコ、ニワトコ、オニグルミ(真っ赤な花)、ホウチャクソウ、キジムシロ、ミツバツチグリ、アマドコロ、カイジンドウ、ヒトリシズカ、フデリンドウ、ヒメハギ、ウマノアシガタ、サルトリイバラ、タカネソウ、キバナツクバネウツギ、ウグイスカズラ、ハルトラノオ、ヒロハハナヤスリ、ホソバノアマナ、スズメノヤリなどです。あまりにも多くて名前と実物がどうも一致しません。これから図鑑との照合をやります。

☆  山中湖も初夏の陽気: 2003年05月03日 

急激な季節の変化に慌ててしまいました。2週間ほど前までは、まだ早春の季節と思っていたのが、突然初夏の季節になってしまいました。朝晩はやや冷え込みますが、日中はTシャツでも汗ばむような陽気です。コブシは終り、サクラがまだ咲いていますが、カラマツはすっかり緑色になり、雑木林の潅木も新葉をつけ始めました。

好天気に誘われて、富士西麓の田貫湖から長者ケ岳(1336m')、天子ケ岳(1330m)を散策してきました。高さは差ほどではないのですが、出発点が標高700mくらいと低いため、かなりの登りを強いられました。



長者ケ岳から望む富士 ヤマルリソウ キクザキイチゲ

林道沿いには、チゴユリ、フデリンドウ、ミヤマカタバミ、キクザキイチゲ、ヘビイチゴ、ヤマルリソウ、キランソウ、ホウチャクソウなどが見られました。ヤマザクラも咲いており、またクロモジが薄黄緑色の小さな花を咲かせていました。長者が岳からの富士山は、真正面に大沢崩れが大きな口をあけ、富士山を2分しているかのように見える、迫力のある姿でした。
夜は、山中湖畔近くで、夜行動物の観察会(ネイチャークラブ主催)に参加し、初めて’ムササビ’なるものを見ました。夕方7時頃、あたりがやや暗くなる頃、大きな木の洞から辺りを見まわしながら姿を現したときは、皆で感動してしまいました。大きさは日本リスの3、4倍はあろうかという感じでした。ムササビはしばらくしてその木から滑空して(私は見逃してしまいました)、他の木に移り、さらにその木を登ってどこかへ行ってしまいました。一生夜行動物など見ることはあるまいと考えていたのですが、山中湖の身近なところに住んでいるのを知って、うれしくなりました。

☆  山中湖村も春爛漫・・・: 2003年04月27-29日 

ついこの間までの木々の姿がまったく一変してしまいました。コブシは花が散り始め、葉が出始めました。ソメイヨシノやフジザクラ、ヤマザクラ、ヤエザクラなどが一斉に開花し、春の華やかさを装っています。また、カラマツが黄緑の新葉を出し始め、林がすっかり明るくなってきました。湖の周りの山々も緑色に染まり始めました。一週間前の景色がうそであったのではないかと感じるほどです。ようやく山中湖も春爛漫といったところです。
ウドやワラビを探しに裏山へ行ったのですが、すでに撮り尽くされたのか、あるいは今年は寒かったのでまだ早いのか分かりませんが、収穫はさっぱりでした。例の文学の森も花はぱっとせず、カタクリがまだ咲いているだけでした。ただし、キクザキイチゲやヒトリシズカがもうすぐに咲きそうでしたので、次週には期待できるかもしれません。
恒例の富士吉田の恩賜林組合の植木市へ行って、庭に植える花を買ってきました。昨年、シイタケを食べようとシイタケのホダ木を買ったのですが、コゲラが突っついてシイタケは採れませんでしたが、最近小さなシイタケが数個出始めました。それで今年こそはと思い、シイタケのホダ木をもう一本買い込みました。今年の秋が楽しみです。
青木が原樹海にも入って見ました。開拓道路から入って、神座山まで往復してきたのですが、連休というのに誰一人とも会うことなく、樹海を一人締めしたような気分になりました。神座山のヤマシャクヤクがようやく大きくなり始めてきていたので、もうすぐ山の斜面一面に咲き始めることでしょう。帰りに河口湖町のフジザクラとミツバツツジ祭りにも行ってみました。ピンクのフジザクラと薄赤紫のミツバツツジが公園一帯を染めていました。

最後に、28日はスケッチハイキングの会の仲間と大月の扇山(標高およそ1,100m)へ行ってきました。最初はたいした山ではないと思っていたのですが、山道の脇にはたくさんの花が咲いており、驚きました。イチリンソウやチゴユリ、ヒトリシズカ、ジュウニヒトエ、イカリソウ、いろいろなスミレの群落には圧倒されました。ほかにもカキドオシ、ラショウモンカズラ、エイザンスミレ、フデリンドウなども見つけました。また、ウワミズザクラ、フジザクラ、ウツギの仲間なども咲いていました。日差しは暑く、Tシャツ1枚で登っても汗ばむほどで、もう本当に嬉しくなった山の散策でした。山頂では、仲間とスケッチをしましたので、恥ずかしげもなくご紹介します。



☆  山中湖にもようやく春が・・・: 2003年04月19-20日 

19日は初夏のような陽気でした。御坂の桃の花を見に行ってきました。桃祭りは終っていましたが、今年は寒かったためか、見事な桃の花を見ることができました。この後、旧御坂峠へ行ったのですが、こちらはキブシ、アブラチャン、ダンコウバイ、バッコヤナギ、フサザクラ、アシビなどがようやく咲き始めたといったところで、これから春を迎えるところでした。いつものとおり、天下茶屋でそばや団子、みそおでんをおいしく食べました。
山中湖もすでに雪はありませんでした。コブシが満開で、まだ新緑には早い山々に白の彩りを添えていました。文学の森では、カタクリ、アズマイチゲ、ショウジョウバカマ、ネコノメソウなどが咲いていました。山中湖にもようやく遅い春がやって来たというところでしょうか。

釈迦堂の桃の花 天下茶屋(旧御坂峠) アズマイチゲ(文学の森) ショウジョウバカマ(文学の森)

20日は、前日とはうって変わって雨模様の天気でした。富士山自然学校トレッキングに参加し、本栖湖周辺と朝霧高原に春の花を探しに行ってきました。本栖湖キャンプ場の近くの落葉林の中では、早春の花が咲き始めていました。キクザキイチゲ、ヨゴレネコノメソウ、ヤマエンゴサクなどを見つけました。これらの早春の花は、木々の葉が生い茂り、林床に日の光が入らなくなる前に、日の光を精一杯浴びて、養分を蓄えるとのことです。したがって、夏には姿が見えなくなってしまいます。
朝霧高原では、たいへん珍しいキスミレ、コガネネコノメソウの群落、ヒメアマナ(山梨ではここだけだそうです)を見ることができ、久し振りに感激してしまいました。その他にも、ハシリドコロ、ナガバノスミレサイシン、エイザンスミレ、アケボノスミレ、ムラサキケマン、アズマイチゲ、ウスバサイシン、オランダガラシ、イヌナズナなどを観察することができました。まだ早春の林の中でこんなに春がたくさんあるのに驚いてしまいました。是非来週も春を探しに、あちこち歩き回ろうかと思っています。

キスミレ コガネネコノメソウ ヒメアマナ


       0.山中湖の近況(Next)
         山中湖の近況(Back Number List)

       1.わんだふる山中湖
       2.山中湖ガイドマップ
       3.富士山麓トレッキングガイド
       4.山中湖と富士山の写真集