わんだふる ネパールヒマラヤ (5)


  
1.プロローグ 
  2.ネパールへ向けて出発 : 12月26日(金)、27日(土) 
  3.クーンブ・ヒマール入口 ルクラ、パクディンへ : 12月28日(日) 
  4.シェルパの里 ナムチェ・バザールへ : 12月29日(月) 
  5.クーンブ・ヒマール展望1 クムジュンへ : 12月30日(火) 
  6.クーンブ・ヒマール展望2 ゴンゴ・リ登頂と帰路1 : 12月31日(水) 
  7.帰路2(モンジョからルクラへ) : 01月01日(木) 
  8.ルクラからカトマンズへ(市内観光) : 01月02日(金)、03日(土) 
  9.さよならネパール・ヒマラヤ : 01月04日(日)、05日(月) 
     *トレッキング留意事項(感想)* 
 

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6.クーンブ・ヒマール展望2 ゴンゴ・リ登頂と帰路1 : 12月31日(水)

6.1 クムジュン−>ゴンゴ・リ (12月31日(水):その1)

 6時頃には目がさめた。3,800m近くの高所で寝たので、高山病が心配であったが、頭痛の症状などはなく、極めて快調であった。今日は、今回のトレッキングの最高標高到達地点であるゴンゴ・リ(4,020m)を登って、その後は一気にナムチェ・バザール(Namche Bazar:3,440m)を通って、モンジョ(Manjo:2,815m)まで下る予定である。体調も良いので、もう少しここに居たいなあと思ってしまった。

 朝食の後、8時45分、サーダーのロッジを出発した。雲が多かったが、遠望は出来た。周りの山が高いので、高所にもかかわらず、日の出が遅く、まだかなり寒い。歩き始めて少し立ってから、ようやく朝日がタムセルク(Thamserku)の右から昇り始めた。道は、クムジュンの村の中を西に向かって、すなわちコンデ・リの方へ行く。
サーダーの家(ロッジ) サーダーの奥さんと Thamserkuからの日の出
 途中に、チベット仏教のお寺(ゴンパ)があり、そこに寄った。ここには、イエッティ、すなわち雪男の”頭皮”が保管されているとのことであった。僧侶による朝の礼拝が始まっていたが、サーダーがお寺と交渉してくれて、イエッティの”頭皮”を拝観?させてもらった。一見すると、大きな猿の頭のような感じであった(写真撮影もOKで、写真に撮ったが、ここには掲載しない)。シェルパ族の間では、今でもイエッティの存在を信じているようである?クムジュンの更に奥のタンポチェの村(アマ・ダブラムの麓)のゴンパにもかつてイエッティの頭が保管されていたが、盗まれてしまったということである。

ゴンパ寺院 ゴンパ寺院の中

 9時45分にゴンパを出発。途中にエヴェレスト初登頂をしたニュージーランド人ヒラリーが寄贈したという、学校(下段の左の写真の左端に見える)や病院があった。この学校には、生徒がナムチェ・バザールから登ってくるとのことであった(この学校の見学も予定されていたが、今回は休校中とのことで、実現しなかった)。

 しばらくすると、ゴンゴ・リの取っ付きに到着した。ゴンゴ・リは4,020mもあるが、地図には名前がなく、クムジュン村の里山、あるいは裏山といった感じのようである。したがって、ツアーで訪れる人は少ないようである。登山道は雪で覆われており、踏み跡もない道を登り始めた。登山道は日本と同じような樹林帯の中を登った。高山病のためか、頭が痛いとか、息切れがするといった人もいたが、私はいたって快調で、楽々と登ることができた。一体どうしたのだろう。あれほど自分は4000mまで登れないのではないかと不安に思っていたのがうそのようであった。私は若い???まだまだ行けそうだ???



Mt Kongde Ri(6,187m)
手前の尾根がMt Gongo Ri
ゴンゴ・リの登山道

 10時45分、ゴンゴ・リ(Gongo Ri:4,020m)に到着した。山頂は尾根の途中の小さなピークで、そこには石を組み立てたケルンが建っていた。ここからは、360度のパノラマ展望である。北東には、エヴェレストを中心に、左からタウェツェ、ヌプツェ、エヴェレスト、ローツェ、アマ・ダブラムの山群が見渡せた。北には、シェルパ族の神の山クーンビラが大きくそびえ、クムジュンの村を見下ろしているようだった。

Mt Gongo Ri (4,020m)  Mt Everest (8,848m)
  &Mt Lotse & AmaDablam
Mt AmaDablam (6,812m) Khumbila(5,761m)

 振り返って西を見ると、コンデ・リの大きな山塊とロワーリング・ヒマール(Rolwaling Himal)の山群が広がっていた。更に南西に目を向けると、カンテガ、タムセルクそしてカスム・カングルの山々も見渡せた。すばらしいヒマラヤ山群の光景に圧倒されてしまった。本当に苦労して?来てよかったなあと思った。

 Mt Kongde Ri (6,187m) Rolwaling Himal 山群 Mt Kantega(6,788m)
Mt Thamserku (6,623m)
Mt Kusum Kangur (6,367m)
 山頂は風がやや強かったので、ゆっくりとは出来なかった。ゆるやかな尾根を下って、シャンボチェ(Syangboche)に向かった。シャンボチェには飛行場の滑走路があったが、雪に覆われていて、使われていなかった。ここは、あのホテル・エヴェレスト・ビューの宿泊者がエヴェレスト展望のためにヘリコプターで来るときに使うのだそうだ(高所順応をせず、一気に3,500m以上の高地に来ると、高山病にかかるケースが多くなるそうである)。シャンボチェからは、ナムチェ・バザールの村を見下ろしながらの急な下り道となる。12時50分、ようやくナムチェ・バザールに到着した。一昨日宿泊したロッジで、ランチとなった。


サーダー(シェルパ) Namche Bazar


6.2 ナムチェ・バザールを通って、モンジョへ (12月31日(水):その2)

 ランチの後、1時40分、ロッジを出発した。村の中心の細い道を下る。道の両脇にはびっしりとお土産店やロッジ、お茶屋などが並んでいる。来るときには買物をしなかったので、ここで少しショッピングを楽しんだ(といっても地図とカウ・ベルだけだが)。

ナムチェ・バザール商店街 シェルパ メンバーとゾッキョ(右) 吊り橋とゾッキョ(右)
 ショッピング後、ナムチェ・バザールの村を出て、それからドードゥ・コシ(Dudh Kosi)川の吊り橋まで、およそ600m下る。登ったときは、道に一部雪があったが、今日は日差しもあって暖かく、雪はほとんどなかった。エヴェレスト街道は、トレッカーやシェルパ(およびゾッキョ)が大勢行き交っており、江戸時代の街道もこんなだったのかと想像してしまうほどであった。途中、山の斜面でシカが数頭、草を食べているのが見られた。高度障害の心配もなく、快適なハイキング気分であった。
 3時半に吊り橋に到着。ここからは、比較的平坦な道で、しばらく行くと、往きにランチをとったジョサレ(Jorsale:2,852m)に到着した。更に快適な歩きが続く。もう少しである。



上:シカ
右:ドードゥ・コシ渓谷
 4時頃だろうか、モンジョ(Manjo:2,815m)のサガラマータ国立公園のチェック・ポストに到着。ここで入園許可証をチェックしてもらい、門をくぐる。4時50分、ようやく今日の宿泊ロッジに到着した。快適な下りとはいえ、7、8時間のトレッキングであったので、かなり疲れてしまった。

 夕食では、ビールの解禁となった(アルコールは故山病によくないので、ルクラに入ってからは一滴も飲んでいなかった)。ビールを飲み、今日のゴンゴ・リからの素晴らしい360度のパノラマ展望や、昨日のエヴェレスト山群の圧倒的な雄姿などを話しながらの、楽しい夕食であった。そうそう、夕食に”年越しそば”が出てきたのにはびっくり!今日31日は大晦日であったことを皆で思い出した。コックはソバをゆでることも教わっているのだそうだ。シェルパのコックにも乾杯!!
 疲れもあったのだろうか、アルコールも少し入り、夜はすぐに寝ることができた。


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