3月25日
地蔵さん二人 (木彫)


近くに国済寺というお寺さんがあります。国済寺さんの山門は、安土桃山時代末期に建てられたそうです。建てられて四百年以上も経ったこの山門は、茅葺き屋根の優雅な姿をしていました。檀家はもとより近郷近在の人々に親しまれてきた山門です。その山門も四百年の風雪に耐えられず昨年改築されました。四百年間山門を支えてきた土台になっていた材木を頂戴して作ったのが「山門地蔵」です。材種は「エンジュ」でした。驚いたことに、エンジュのシラタの部分は虫穴で崩れかけているのに、赤身の部分は四百年前のそのままの姿をしているのです。シラタの部分は四百年の風雪が作り上げた造形ですから、出来るだけそのままの姿を残しておき、赤身の部分に少しだけ手を加えて地蔵さんに出てもらいました。

ご感想はこちらからお願いします。