◆ 利己的遺伝子と生物の体

日経サイエンス 1996/1号 p28-35
著者 Richard Dawkins
「利己的遺伝子」のドーキンスが、最近「遺伝子の川 (River Out of Eden)」
という著書を出版したらしい。そのなかからある章を編集し直したものが
この記事。
この記事でも、結局ドーキンスの言いたいことは利己的遺伝子という
視点のことであって、それがわかっていれば特に新しい観点はない。
ただ、それを説明するための例や解釈のしかたをいろいろとあげている。
- ヒメバチ、ジガバチの麻酔
- チーターの設計
- T型フォードの製造効率
- 雄鳥の美しさの効用関数
- うるさいカクテルパーティ
人間としての感覚からすると、生物の様は残酷・非情で理解しがたい
ことも多い。人間は常に目的や意図について考えてしまうから。
しかし、遺伝子が残り、続いていくこと*のみ*がその生物の存在を
決定するのであると考えると、全てはすっきりと理解できる。
自然に「感情」があるなどと期待してはいけない。どう感じるかは
どうでもよくて、競争の中で遺伝子が残れば続いて行くのだ。
1996/02/17 T.Minewaki
1997/03/23 last modified T.Minewaki
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