◇…ソニーが家庭の娯楽用に開発を進めていた“ロボット犬”の
試作機が完成した=写真=。体長約23センチ、重さは約1.2キロで、
内蔵モーターにより4本の足と頭、尻尾がそれぞれ動く。◇…動体部分に内蔵した“頭脳”の中央演算処理装置(CPU)に、
本物の犬の行動様式がプログラム化されて組み込まれており、分
速5メートルで歩けるほか、寝転んだり座ったりと多様なしぐさ
を表現できる。プログラム次第では飼い主に擦り寄ったり、芸を
させることも可能だ。◇…ソニーは今後さらに改良を加え、2000年をめどに商品化した
い考えだ。猫やハ虫類などのロボットも開発する予定で、21世紀
には小型ロボットによる「人工生命ビジネス」が展開されるかも
しれない。
試作機発表 (1997/8) から10ヵ月。
写真では以前よりもボディがしっかりカバーされて、
銀色に光っているように見えます。
「猫ロボ」はいいとしても、「ハ虫類」とは。
トカゲ、イグアナ、ヘビってことか?
さすがに"飛ぶ"ロボットは難しいだろうな。
内蔵回路は処理能力が高いので、バッテリーも問題になるだろう。
しかし、自分でコンセントを探して自己充電する、あるいは電池切れが
近づくと充電を「ねだる」、というプログラムを持たせれば、
手間をかけずにいつまでも「生き続ける」疑似生物になる。
今回のプレス発表は、OPEN-R という、ロボット制御アーキテクチャ
についての技術発表がメインらしい。試作ロボットは犬型だが、
4足歩行、または2輪で移動するロボットの基本アーキテクチャで、
パーツを変えることで、他の生物に似た形のロボットにも使える
汎用的なものらしい。なるほど、それは今後のロボット応用開発の
広がりに重要な技術に思える。
アーキテクチャが決まれば、部分ごとに開発を分散させることができる。
たとえば視覚系は、それだけでもいろいろな技術開発を必要とする
パーツなので、別の会社が作ってプラグインで売るようになる
のかもしれない。
同様に、「猫・行動モジュール」「猿・行動モジュール」などの
行動プログラム・プラグインもあちこちでオプションとして売り出す
かもしれない。
犬や猫などの、
人間に「可愛い気持ち」を起こさせるしぐさ、
そののエッセンスとは、何だろう?
つきつめると、それは行動プログラム開発者のセンスやノウハウが
必要になってくるのだろう。
「コミュニケーション」について、もっと考えねば。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp