《 ミギーの恋 (6) 》

◆妖怪 二口女
--------------

: それは、何十年前か、何百年前か。今回は捜査能力の進歩のおかげで、
: 寄生獣という生物の仕業であることがわかったのだが、以前は「寄生獣」の
: 仕業とはわからず、ただの連続異常殺人事件として扱われたかもしれない。

  「寄生獣 3」を読み返していたら、そこにもう答えは書いてあった。
  昔からいたんだわ、寄生獣らしきもの、「妖怪」が。
  頭の反対側に口があってバクバク食うやつ(二口女)とか、ろくろっ首とか、
  一つ目小僧とか、のっぺらぼうとか。
  顔の変形に関係するのはみんな寄生獣の可能性がある。
  (現実と虚構の境界が暖昧になってきた。)

  昔はちょっと怪しげな噂になるくらいだったのに、今回これほど
  大騒ぎになったのは、捜査能力の進歩もあるけれど、それはきっと寄生獣の
  個体数が増えたからだ。
  なぜ、今世代の寄生獣の個体数が多いのか?
  それは、餌が増えたからだ。
  つまり、人間の人口爆発。餌が増えたから捕食者が増えるのは、当然の
  自然の摂理だ。なんというスキのないストーリー。

  論理の矛盾がどこにもないぞ。
  いま、実際にどこかで進行中の物語、としても何の不思議もない。

  おそるべし、ストーリーテラー岩明均。

1995/04/09 T.Minewaki
2000/05/24 last modified T.Minewaki

寄生獣 [1〜10]
生命のよもやま話
MINEW のホームページ

T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp