わたしと小鳥とすずと
わたしが両手をひろげても、
わたしがからだをゆすっても、
すずと、小鳥と、それからわたし、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。
みんなちがって、みんないい。
それぞれが、べつべつで、でもそれに優劣は無いことを、
それぞれが、素晴らしいのだということを、
これほどうまく、表現した文章はないと思う。
「みんないい。」何かの基準を決めては競いあうこの現代では、
この言葉を聞くことは稀だ。
涙が出る。
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp