◆ つれづれノート (4) / 銀色 夏生 ◆

 書名 :遠い島々、海とサボテン 〜つれづれノート (4)〜
 出版社:角川文庫 1995/08/25 初版
 ISBN4-04-167328-3

つれづれノート第4巻。 1994/4〜1995/4 の記録。
子供が産まれて、育児を始めても、ちっとも家庭的にはならず、 感じるままにわが道を突き進む。

不自由しないだけのお金があって、自分の好きな事を少しづつ やれば仕事になって、時間は充分にあって、やりたい事ができる。 という状態になった時、人は何を楽しいと思い、何をしたいと 思うだろうか。
今回のつれづれノートは、それに対する銀色さんの答え。
彼女は旅行する。ハワイへ、アメリカへ、タヒチへ。何ヵ月も 思いつくままに移動しつづける。

彼女はある意味で成功し、そういう生活を手に入れた訳だが、 それが幸せか、というとどうだろうか。不幸せではないけど、 すごく幸せでもなく、毎日はつれづれに過ぎていく。

あーぼう(娘)はどんどん育つ。
むーちゃん(夫)とはどんどん関係が薄れていく。

相変わらず、キラリと光る洞察がときどき見られるが、 ふと考え込む頻度が前作よりも減ってきているように思う。 よっぽど暇な人か、銀色さん自身に興味のある人でないと、 この本は読んでも楽しくないのではないかな。


1996/09/12 T.Minewaki
2003/03/12 last modified T.Minewaki

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