◆ コンタクト / Contact ◆

監督:ロバート・ゼメキス / Robert Zemeckis
主演:ジョディ・フォスター / Jodie Foster
1997 年作品

地球外生命体とのファースト・コンタクトを描いた映画。
なかなか良いSF映画だった。テーマが正直でストーリーも正直だ。
科学者、故カール・セーガンのストーリーに基づいているせいだろうか?
ジョデイ・フォスターの演技が見事。強い信念が伝わってくる。
(内容について記述があるので、これから観るつもりの人は読み進まないこと。)

この映画には、科学についてのいくつかの、重要なテーマが組み込まれています。 地球外生物はいるだろう、と僕は思っている。 宇宙は広い、沢山いるだろう。 でも、それは人類とはまったく違った、組成や形や行動や思考を持っていて、 音声で挨拶を交したり、同じ空間に立って握手したりすることはできないだろう、 とも思う。
「生物」がありえる可能性は広いが、「地球人間型」というのは ものすごく狭い可能性に思える。
だから、たぶん最初に接触する生物は人間型ではないだろうし、 出会ってコミュニケーションしようにも、思考様式から違うのだから、 意思の伝えようが無いし、共通の利益も見い出せないだろう、と考える。

「宇宙人はいるよ、だって、いないとしたら空間の無駄づかいじゃない」
ってのはいい言葉だな。

「科学と宗教」については、僕も最近考えていたところ なので、興味深い議論だった。心の底から科学を信じている者は、 神がいなくても平気。神がいるという証拠は見当たらない。 だけど、宗教はある意味で多数の人類を幸せにしているし、存在意義はある。 その葛藤。
今後、科学技術はさらに進みつづけるだろうから、こういう議論を耳にする 機会は増えて行くだろうと予想する。

やっぱり、宇宙人がいて、それと友達になりたい、と思う人は多いようだ。 この映画のように、生涯をかけて探し出そうという決意の人がいても おかしくない。実際、宇宙からの呼びかけ電波をキャッチしたなら、 それはものすごく興奮する出来事だろう。
でも、孤独は人間同士、人類内部での問題で、そこで宇宙人に救いを 求めてはいけないな、と僕は思う。答えは、身の回りにあるのだ。

終盤、ストーリーにちょっと無理がある。
1回やって失敗したのなら、2回、3回と繰り返しテストすればいいのに。 使い捨て装置のようには見えなかったが。
それに、生理的に何時間経過したかはわかりそうなもの。1秒と数時間の 違いは大きい。彼女はなぜ「18 時間」とわかっていたのだろうか?

船室での衣装と神棚には笑った。やっぱり、日本ってこんな国だと 思われてるのね。ちょっと監督〜、こりゃまずいですよ。

科学も、宗教も、手段なのだ。それ自体を目的とするのではなく、 それを使って自分がどうしたいのかが問題。
「幸せになりたい」と人は言う。でも幸せって、なんだ?


外部リンク → "CONTACT" website (Warner Bros.) (English)


1997/09/23 T.Minewaki
2001/04/03 last modified T.Minewaki

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