( 1997/8/11 撮影 at ツグリキン・シレ、モンゴル )
砂丘脇から、崖を迂回して丘の上に登り、
ゲル2つ、青いテント1つが設置されたキャンプ地に到着!
10:55、やっと来たぜここまで。
そこは、地平線までただどこまでも平らな面にぽつんと建っているという風情だ。
荷物をゲルに運び込み、食事と昼寝。昼は外が暑いから休むのだ。
15:00 から、ツグリキン・シレでの最初の発掘開始。憧れの地に着いた
ということで、僕達の胸はわくわくと高鳴っている。
発掘のプロ、アルンチムクさんに従って、すぐ近くの崖を降り、
そのへんの地層で化石を探す(写真)。まずは目を慣らすというところ。
しかし、すぐに発掘どころではない、ゴビの厳しさを思い知ることになる。
ものすごい飛砂なのだ。強風で砂が舞って舞って、体じゅうに打ちつけてくる。
空も砂色に曇っている。砂粒はメガネの脇から眼に入り、涙で流れて
目尻に溜まる。それを指で拭うと、その拍子にまた眼に入り、
痛くて目を開けていられない。
髪に、ポケットに、耳穴に、砂はあらゆるすき間に容赦なく積もってゆく。
そのうえ、ここにはシャワーも風呂もないのだ!
カメラも次々とトラブルに陥った。細かい砂はフォーカスリングの
すき間に入り込み、回すとジャリジャリキーとひっかかり音をたてる。
風の吹くあいだはフィルム交換もできない。
(実際、ここで撮った多くのフィルムには傷がついてしまった。)
最近の電気じかけのカメラでは、スイッチオンでレンズカバーが
開かなくなるものまででた。防砂仕様にはできていないのだ。
とにかく、風と砂は予定外だった。僕たちは砂漠と聞いて、乾燥と日射しには
対策を用意していたのだが、飛砂とは。
それでもめげすに、化石発掘探査作業は続く。
[ 南ゴビ 写真日記 1997 | 思い出のアルバム | MINEW ]
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp