◆ アブラゼミの羽化 ◆

Metamorphose of Cicada
(2001/08/05 未明 撮影 at 近所)

この夏、生まれて初めてセミの羽化を観察した。
昼間、近所のりんご畑の脇の壁に、大量のセミの抜け殻が つかまっているのを見つけて、これはもしかしたら 夜に羽化の現場が見られるかも、と思い深夜に行ってみた。 そしたら予想通り、何匹ものアブラゼミの幼虫が地面から這い上がり、 羽化の真っ最中であった。
そのうちの一匹がちょうど羽化を開始したところだったので、 その一部始終をそばでじっと観察していた。 約1時間半、生命の精妙さ神秘さを見せつけられた。

A-01 背中が割れて
白い成虫が姿を現す
2:40 くらい?
A-02 頭が出た、さらに
ぐぃーんと体が出る
2:50 くらい?
A-03 B-03 手足が抜けていく
3:05
A-04 B-04 えびぞりっ
手足が抜け、お尻が殻の割れ目に
はさまってるだけで体勢を維持
このまましばらく手足が固まる
のを待っているようだ
3:14
A-05 B-05 上体を起こし
殻につかまる
3:35
A-06 B-06 お尻が抜けた
殻にぶら下がる
3:39
A-07 B-07 ぐんぐん羽根が伸びる
この後黒くなって固まり
羽化が完了
3:57
誰かがデザインしたわけではなく、アブラゼミの遺伝子には、 どういう順序で羽化のステップを実行していくのか、 実に精密に見事に組み込まれている。 幼虫から成虫の手足が抜けてくることの不思議、 殻からほとんど体が出た状態で危うく保たれる、 えびぞった体勢の美しさ。 たったの1時間ほどで全く別の生き物のように形を変えることの驚き。 セミ一匹にも、人知をはるかに越えた仕組みが内蔵されている。


2001/11/17 T.Minewaki
2002/07/30 modified T.Minewaki

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