ストレス・テスト・再稼働問題の徹底検証

2012年7月30日、エンジニアリング業界の引退シルバーエンジニアの集まり、「プラント技術者の会」 のメンバーになっている昔の職場の後輩から「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」、原子力資料情報室」と共催する「ストレス・テスト・再稼働 問題の徹底検証」という院内集会にさそわれた。なんで衆議院会館で院内集会するのかと思ったら福島瑞穂、平山誠、橋本勉などの議員が参加するためだと理解。首相官邸のすぐ隣の多目的ホールで規制庁人事 はバリバリの推進派中心だから受け入れられないなどの話をしているわけ。この会は若い政治家や政治活動家に引退エンジニア達がバックアップしているという 感じ。ここで仕入れた新しい知識は6項。

@ストレステストの法的根拠はない。政治家数名で行政命令をだし、行政が勝手に恣意的に進めているだけ。目的は再稼働。したがって結論ありきで運営されて いるため意見聴取会は茶番。

A新しい原子力規制委員の人選はトラを檻から放つ行為。読売新聞の人事だそうだ。だからスクープできた。規制庁の田中俊一候補なんて除染で禊をしたつもり だろうが、金をかけて除染しようとしても汚染物質をもってゆくところがないのだから除染などできない。そんな単純なこともわからず見栄を切る軽薄な人間に 見える。毀誉褒貶の大きい火事場泥棒のような人間ではないか?一度裏切った人間は再び裏切る。だから戦国の武将はけっして裏切り者をゆるさなかった。国民 を裏切った野田政権だからの人事か。識者は「彼の目は死んだ目だ。死の臭いがする。彼は、専門家としては“失敗した”人間だ。専門家として自信を失った田 中俊一が、次に選んだのは、「すべてにおいて折り合いをつける」政治屋としての道。危険な原発の再稼動しかり、外部被曝上限値についても100ミリシーベ ルトは問題ないというトンでも人間である。今後、すべてに おいて「折り合い」をつけるはず。彼は、すでに専門家としての矜持を捨てている。そうした人間が何をしでかすか、私は恐怖している。彼の、外見だけの温厚 な振る舞いに、その本質を見失わないように気をつけてください」と。北海道からきたという若い女性活動家が「私の質問はおかしいかもしれませんが、前の斑 目さんが悔いているのをみていて、ふと斑目さんを新しい委員長にしほうがよろしいのではないでしょうか?」と発言し、みなのけぞっていた。地震学者として ノミネートされた島崎邦彦氏はマクロな地震学の権威だが、個別の場所については何の知識も持ち合わせないお飾りだ。渡辺万久東洋大教授のような変動地形学 専門家でなくては個別の原発の怖さは判断できない。国会同意人事だが推進派の数的優位は動かない。人事に反対するのは生活、社民、共産、みんな、緑の風 等。劣勢は否めない。一度任命されれば何があっても5年間は罷免されず事故を起こしても罪にはならない免責条項で守られている。これは自民党と民主党がつ くった新法である。これで日本の命運は決まったようなもの。朝日新聞は日和見しているようだ。日本人がオリンピックで痴呆になっている間に決めてしまおう というようだ。これで民主党や自民党が次の選挙でまけても、原発は動き続ける。恐ろしい時代が来る。

B後藤政志氏は地下室の水の流れは以外にも配管の保温材でこの保温材部分で連通している。

CPWRの制御棒は重力で落とす仕組みのため、地震動がはげしくなると落ちる時間がかかって設計許容値をこえてしまう。この問題を関電は計算式を いじくってごまかしているという元MHIの藤原節男氏の指摘。PWRの格納容器にはベント弁は用意されていない。アイスコンデンサー付きの格納容器は小さ い。

D中性子脆化推算モデルに関し、平成19年の電中研報告Q06019で固溶限を超える銅原子の拡散係数を二乗にしているのは間違いだと井野博満東大名誉教 授が保安院のヒアリングで指摘してもこれでいいのだと中央突破された話。これは原発の寿命が長くなるように電中研の曽根田直樹研究員が提案した式である。 中性子によって銅原子はランダムウォークする物理モデルを無視している。ランダムウォークは例えば公園で男と女が相手をさがすとき、(1)一人が一定箇所にと どまり、一人だけが歩いて相手を探す。(2)両者歩き回って相手を探す。どちらが早く相手を探すことができるか?答えは「差はない」である。銅原子が集まって 脆化を起こす確率もこれとおなじ。したがって拡散係数を二乗する曽根田直樹方程式は理論的に間違い。あえて二乗したのは日本製の鋼材が高品位だという理由だ。これこそ安全神話。いつまで も補償のある話ではない。脆化はなにも原発だけでなく、あらゆる材料の基礎だ。鉄筋マーケットでどこかの屑鉄屋が間違って銅を多量にまぜた鉄筋を出荷して し まったと業界にアラートがでたことを覚えている。無論鉄筋とリアクターを一緒にできないが、品質管理なんてそなもん。

E浜岡運転差し止め裁判の静岡地裁判決はすべて福島事故で間違いと証明された。これから高裁、最高裁がまっているので戦えるという只野靖弁護士の話

今回の院内集会で保安院のヒアリングの乱暴さはかなりのものだったということが明らかになった。政治家が経済界の声だけ聴いて国民を裏切っているから、法 の外で行政が勝手なこ とをしているというイメージ。信頼性が失われれば不審感と猜疑心はひろがる。ここには100名くらいの全国の運動家と政治家があつまった。そして保安院に コケにされた東大名誉教授の不眠の訴えはインパクトがあった。保安院の再稼働ありきの乱暴な運営が明らかになり、全国の草の根が動くかどうか?会の模様は 全部録画されて放映されるという。

July 31, 2012

Rev. August 5, 2012


トッ プページへ