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マーケイティとナキシェノビッチ

一次エネルギーの交代図

96/10/16 作成

本図は国際応用システム解析研究所のチェザー・マーケイティとナキシェノビッチ(Marchetti and Nakicenovic)が1979年とJan. '92にそれぞれの一次エネルギーの全エネルギーに占めるシェアを分率(fraction f)として縦軸に対数目盛りのlog(f/(1-f))、横軸に時間をとると世代交代がうまく表現できることを示した。l

そして右縦軸に相当するf目盛りを表示してある。これをマーケイティ・ナキシェノビッチ・ダイヤグラムという。

ピークは
1850年に薪炭 wood
1920年に石炭 coal
1980年に石油 oil
2030年に天然ガス nat-gas
原発 nuclear
太陽光・核融合solfus (solar and or fusion)はこれから

Source: Nebojsa Nakicenovic、 "Energy Strategies for Mitigating Global Change' IIASA

さて1838年にベルギーの数学者Pierre Verhulst(フェルフルスト)によって考案された差分方程式

Nt+1=Nt + r0 Nt (1-Nt/K)

は人口数Nを環境が維持できる最大人口数Kで割ったN/Kを縦軸、横軸に時間tをとってプロットした曲線はSカーブ状(シグモイド曲線)になりロジスティック曲線(物流関数)と呼ばれる。下図の紺色の曲線がそれである。

F=N/Kとしたときの時間微分は

dF/dt=r*F(1-F)

でr=2のとき、ピンク色のベル型曲線となる。

さて仮に全エネルギーに対する分率fとこのピンク色のベル型曲線が同じだとすれば

f=dF/dt

そうすると片対数に

log(f/(1-f))

を表示すると上図の黄色の山形曲線となる。そして右に相当するf目盛りを表示すれば マルケッティー・ナキシェノビッチ・ダイヤグラムが完成する。物流関数を使用したのは山の裾野を直線で表現できるからと推察される。

2007年、グリーンウッド氏はこれを更新した。

両者を比較してみると、原子力と天然ガスが予想程ではなく、太陽光が予想より早く伸び、石炭がカムバックすることだ。

Rev. June 4, 2011


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