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育苗 |
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トチの木
1999年の春、檜原村の三頭山(みとうざん)の山麓にある東京都民の森で発芽しはじめたトチの実を拾ってきて土をかぶせておいたら3ケの実から芽がでた。この実をつけた栃の木は幹の直径80センチ、樹高35メートルにもなる大木であった。栃の木はマロニエ(Horse Chestnut)の近縁種である。
海岸沿いの潮風には耐えられないかもしれないと思いつつ、南面する裏庭に植えてみた。暴風ネットなどで保護してやらなかったため、3本とも枯れてしまった。反省している。
トチノキは、 ヨーロッパ、北米、日本にしか残っていない第三紀周北極植物群の生き残りのブナの一種である。三頭山や丹沢のブナ林は200年前の天明の飢饉をもたらした 小氷期に育ったもので現在の乾燥気味の気候では苗は育たないそうだ。すなわち次世代のない林と言われているのでやむをえないか。
トチの木の実生
2005年6月、川治温泉の宿屋伝七(Hotel Serial No.307)でトチの実から醸造した焼酎を見つけた。なかなかおつなものだと買い求める。スピリット・オブ・マロニエともいえるかもしれない。
ミズナラ
2005年11月8日、霧積温泉に紅葉狩りに出かけた折、美ノ平(打越ノ平1,260m)で紅葉したブナが混じるミズナラの林間で発芽したミズナラのどんぐりを拾った。持ち帰っても 標高1,100m以下の低地では育たないはずであるが、ためしに自宅のナーサリーに植えてみたところ、成長して2年後の2007年9月には30センチ位になった。 試しに南斜面のトベラの林間に移植してみた。日照、熱さ、潮風が強いので耐えられるかどうか疑問であったが、やはり2本とも枯れてしまった。
ミズナラの2才幼苗
コナラ(オーク)
ミズナラは七里ヶ浜では育たない。そこで広町にも自生しているコナラを育ててみようと2007年10月、三浦半島の按針塚に出かけたとき、根が出はじめたドングリをいくつか持ち帰った。鉢に埋めておいたら翌年の4月に芽がでた。庭の斜面に植えてみようと思ったが、大木になって倒れたら危険である。やむを得ない、広町緑地に植えよう。植えたのち、水もやらず1年経過したのち見に行ったが、跡形もない。
コナラの0才幼苗 2008/4 |
![]() コナラの0才幼苗 2008/6 |
ソテツ
ご近所にはソテツが植えられていてカラスがその実を我が庭に落としてくれる。やがて勝手に芽がでる。もう3本程芽がでた。これが大きくなるまでには相当な年月がかかるだろうが、育ててみよう。
ソテツの1才幼苗
15年後には下のように育ち、その後も5本が順調である。
実生から育ったソテツ 2015/4/29
2018/7になると4本の実生が育った。合計9本。
追加4本の実生 2018/7/26
アジサイ
アジサイの苗は挿し木で作る。 葉の先半分は切ってやる。挿し木するまえに数時間水に漬けたほうが良いようだ。1週間位水につけておくと小さな根がでる。これは挿し木する根がもげてしまうので、木を植える要領で土で覆う。散水を切らさないように養生して いると1ヶ月くらいで新芽がでてくる。庭のアジサイは人からもらったものであるが、2008年には鎌倉プロバスクラブの社会奉仕活動の一環として、また自宅の南面の味気ない林に色を添えようと25本位の苗を作っている。
アジサイの挿し木 |
![]() 1ケ月後の新芽の出たアジサイの挿し木 |
2018年6月には敷地のいたるところで元気だ。
April 17, 1999
Rev. July 26, 2018