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1085

マグニチュード

2006/11/22

マグニチュードは地震の規模を示す値。1935年にアメリカの地震学者グーテンベルク・リヒターが考案した。リヒターは、震源から100km離れた、特定の種類の地震計が記録した最大の針の振れはばAの大きさの常用対数logAをマグニチュードと定義した。ただし、実際には、地震計が震源からちょうど100km離れたところにあることはまずないので、距離凾フ常用対数log凾ノよってマグニチュードの値を修正した。

リヒターがマグニチュードを考案した後、マグニチュードの求め方について別の提案があり、目的に応じて、さまざまなマグニチュードが生まれた。これらのマグニチュードは、基本的に同じ地震に対して同じ値になるように考案されたものだったが、実際にはかなりの差がある。

表面波マグニチュード(Ms):地震計で観測した地震波の周期(波の山が来てから次の山が来るまでの時間)が20秒程度の表面波の最大の揺れと、地震計と震央(震源ではない)との距離からマグニチュードを求める方法。

実体波マグニチュード(mb):地震計で観測した地震波の実体波(P波とS波)の最大の揺れと周期、震源の深さなどからマグニチュードを求める方法。

モーメントマグニチュード(Mw):震源となった断層のずれの量、断層の面積、断層付近の岩盤の性質などの、断層運動からマグニチュード求める方法。かつては、実体波マグニチュードや表面波マグニチュードが広く使われたが、地震計の周波数特性の関係で、 極低周波の地震エネルギーは地震計では正しく検知できず、それぞれM7およびM8.5程度で頭打ちとなる傾向が見られた。そこで、本当の地震の規模を反映するものとして、最近はモーメントマグニチュードがよく使われる。モーメントMo(単位はN・m)とMwの関係は、次式の通り。

log Mo = 1.5 Mw + 9.1

M8の地震のエネルギーは7億トンのおもりを10km持ち上げるエネルギーに相当する。

気象庁マグニチュード(Mj):下記の式を用いてできるだけ多くの観測点につきMを求め、平均をとる。ただし、M>5.5の地震ではb)式は用いない。(hは震源の深さをあらわす。)

h≦60kmの場合

a)Mj=logA+1.73log-0.83

b)Mj=logAz+1.64log+α

h>60kmの場合

c)Mj=logA+K(,h)

Aは中周期変位型地震計による地動最大片振幅(単位はμm)、Azは短周期速度型地震計による最大地動速度振幅(単位は10-3cm/s)、凾ヘ震央距離(単位はkm)、αは地震計の特性補正項。K(,h)は表で示されている。


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