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シリアル番号 表題 日付

1084

スリーマイル島原子炉冷却材喪失事故

2006/11/22

1979/3/28運転開始後3ヶ月の加圧水型原子炉(PWR)に発生した冷却材喪失事故で炉心溶融(メルトダウン)に至ったが公共への放射能放出は抑えられた。

二次冷却水の給水ポンプが故障で停まり、蒸気発生器への二次冷却水の供給が滞ったため、除熱が出来ず、一次冷却系を含む炉心の圧力が上昇し加圧器逃し安全弁が開いた。このとき弁が開いたまま固着し、圧力が下がってもなお弁が開いたままとなり、蒸気の形で大量の原子炉冷却材が失われていった。原子炉は自動的にスクラム(緊急時に制御棒を炉心に全部入れ、核反応を停止させる)し非常用炉心冷却装置(ECCS)が動作したが、すでに原子炉内の圧力が低下していて冷却水が沸騰しておりボイド(蒸気泡)が水位計に流入して水位を押し上げたため加圧器水位計が正しい水位を示さなかった。このため運転員が冷却水過剰と勘違いし、ECCSを手動で停止してしまう。このあと一次系の給水ポンプも停止されてしまったため結局2時間20分も開きっぱなしになっていた安全弁から500トンの冷却水が流出し炉心上部三分の二が蒸気中にむき出しとなり、崩壊熱によって燃料棒が破損した。

環境に放出された放射性物質は希ガス(ヘリウム、アルゴン、キセノン等)が大半で92.5 pBq(250万キュリー)。ヨウ素は555GBq(15キュリー)に過ぎず。セシウムは放出されなかった。

結局、炉心溶融(メルトダウン)が発生したわけで、燃料の45%、62トンが原子炉圧力容器の底にたまった。 21世紀初頭まで原子炉内には広島型原爆数百個分のストロンチウム、セシウム、ヨウ素が残っていたが、ロボットにてようやく取り出して処分したという。

グーグル地図で現在のスリーマイル島を見ると南側の事故を起こした原子炉は停止したままでそのための冷水塔2基もそのまま放置されているのが見える。


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チェルノブイリ原発に関してはイメージデータベース 5チェルノブイリ原発事故 参照。

Rev. April 18, 2011


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