読書録

シリアル番号 881

書名

三平忠宏歌集 出向 

著者

三平(みひら)忠宏

出版社

ながらみ書房

ジャンル

発行日

2007/4/25

購入日

2007/8/16

評価

化学工学会の機関誌の編集をしていたころの仲間であった三平忠宏氏からの贈呈本。

氏は永年化学会社に奉職していたが、ビジネス人生の最終段階において九州にあった半導体製造の子会社の経営者として単身赴任で出向した。その6年間に作った職場の日々の感動を詠った歌を中心にまとめた歌集である。

おなじようなビジネス世界に身をおいた者にとっては現役の時代を思い出させる、なまなましい短歌が連なっていてつい読みふけってしまった。

本の帯に紹介されている一首



楽しげに妻の添い来る梅雨の街 単身赴任の品々買ひに



を目ざとくみつけた我が妻が「どこも同じね」とのたまう。

散文で綴る回顧録も意味があろうが、このような短歌集で自分史を表現できるのだと実感する。意味が凝縮した言葉を使うため、読む者にとっては短時間に全体を見渡せるメリットがある。

氏の他の作品はホームページ和歌蘭茶房に紹介されている。


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